2015年、ヤンキースが選んだショートのレギュラー候補筆頭はディディ・グレゴリアスでした。ジーターの後釜としてはやや小粒かもしれませんが、ジーター二世を継承できる選手はそうそういません。
では、ヤンキース以外の球団ではどうなのか?まだ原石という選手ならそこそこいます。前も書いたとおり、アメリカではショートストップが花形ポジションで、優秀な高校生はまずショートを守らされます。アップトン兄弟も高校時代はショートでしたし、プロに入ってサードに転向した選手の多くも高校大学時代はショートだったという選手です。
まず思い浮かぶのがレッドソックスのザンダー・ボガーツです。期待値が高すぎたせいか昨季は今一つと言われましたが、素質の片りんは見せてくれています。打てる大型ショートというカテゴリーでは未だNo.1の逸材と言っていいのではないでしょうか。一昨年のシーズン途中、レッドソックスがフィリーズのクリフ・リー獲得を画策した時、交換相手にボガーツを指名されて即座に拒否したという逸話がフロントの評価を物語っています。
サードとして規格外の守備力を発揮しているマニー・マチャドも可能性があります。現在、オリオールズのショートは守備に優れ長打力もあるJJハーディーが守っていますが、数年後にはポジションが入れ替わっている可能性は高いと思います。昨季の怪我の回復が気になるところではありますが。
レイズには2人のプロスペクトいます。一人はアスレチックスから獲得したダニエル・ロバートソン。トータルバランスの優れたタイプで、アスレチックスが昨年シーズン途中にアディソン・ラッセルを放出した時も、ロバートソンがいれば大丈夫と言われたくらいです。レイズにしてもベン・ゾブリストの見返りですから活躍してくれないと困りますが。
もう一人は同じくシーズン途中にデービッド・プライス絡みのトレードでタイガースから獲得したウィリー・アダムス。当時は無名でしたが、実はプライス放出の最大の見返りはアダムスだったと言われたほどです。打撃面の評価が高いですが、守備面の評価は高くなく、将来はサード転向と早くも言われています。
守備だけなら既にメジャー級と言われるのがインディアンスのフランシスコ・リンドーア。打撃面は向上の余地がありますが、今季途中にはレギュラーになるかもしれません。ただ、パワーのあるタイプではありませんし、ジーター二世という感じはないですね。
ツインズのニック・ゴードンも将来を嘱望されている一人。兄はマーリンズに移籍したディー・ゴードン、父はフラッシュの異名をとったリリーフ投手のトム・ゴードンという、まさにサラブレッド。走攻守三拍子揃っていますが、まだ十代。メジャーデビューは早くて3~4年先くらいですかね?同じポジションにダニー・サンタナって若手レギュラーもいますし。
将来はトゥロウィツキー並みの選手になるのではと言われているのがアストロズのカルロス・コレア。なんといっても全米No.1指名選手です。スピード以外のすべての才能を備えていると言われていましたが、最近はスピード面の評価も上がってきているようです。性格もよいと言われており、さらなる飛躍が期待できます。
レンジャーズにも期待の若手がいます。ジュリクソンン・プロファーは全米トッププロスペクトの評価を得た選手です。総合力の高い選手と言われていましたが、このところ怪我に悩まされており、肩の手術から今季もシーズン絶望と早くも言われています。また、ポジションの関係からセカンドで起用されており、色んな意味でもうしばらく見守る必要がある選手です。
そのレンジャーズのショートを守っているエルビス・アンドゥルースもまだ26歳ですから将来のある選手かもしれません。しかし、守備は天才的でスピードも超一流ですが非力さが大きな欠点。今季から始まる8年1億2000万ドルの大型契約は、金額的にも契約期間的にも過大評価が過ぎると思います。まあ、タイプ的にジーター二世ではありませんが。
ここ2年で守備面に関してはメジャー史上に残るレベルであることを証明したのがブレーブスのアンドレトン・シモンズです。ここ3年でマークしたショートの守備防御点+88は圧倒的。大学時代は速球派投手だったシモンズの才能を見抜いたブレーブスフロントの慧眼には頭が下がります。パワーもありますが、打撃面の評価はまだ安定していないかなという印象です。
フィリーズのトッププロスペクトであるJPクロフォードは、ドジャースのカール・クロフォードの甥で、守備面の評価は極めて高いです。パワー面の成長も見られますが、打撃面でより一層の成長が望まれます。
ルールの関係で6月まではパドレス所属ですが、ナショナルズが実質保有権を持つトレイ・ターナーも有望株の一人です。ただパワー面は物足りなく、将来は一番ショートが定位置になりそうです。
総合力ではNo.1かもしれないのがカブスのアディソン・ラッセル。いくらジェフ・サマージャ獲得のためとはいえ、アスレチックスフロントもよく手放したものです。マイナーでは最高の逸材とも言われており、5ツールをハイレベルで兼ね備えたタイプです。昨年負傷した右足の状態がやや心配ですが、素質が十分に開花すればジーター級の選手になってなんら不思議はありません。
ドジャースのマイナー組織で最高の逸材と言われているのがコリー・シーガーです。マリナーズのサードを守るカイル・シーガーの弟で、打撃面では兄を上回ると言われています。スケール的に見ても打てる大型ショートの系譜に連なる選手ですが、将来はサード転向が有力視されているように、守備の評価は決して高くありません。こういうタイプの選手は多いですね。
仮にヤンキースがトロイ・トゥロウィツキでもトレードで獲得していればヤンキースのショートの継承はスムースにいったかもしれません。ただ、出場さえすれば攻守に素晴らしいプレーを見せてくれるトゥロも最近は怪我で欠場が多く、大型の契約残や必要な交換要員を考えるとさすがのヤンキースでも難しかったでしょうね。同じニューヨークに本拠地を置くメッツも長くショートが弱点と言われており、オフにトゥロ獲得の噂もあったのですが、怪我がちな点を考えると、サードのデビッド・ライトとともに不良債権の三遊間になってしまいかねません。レンジャーズのプロスペクトであるルイス・サーディナス獲得の話もありましたが、ブリュワーズに移籍しました。ブリュワーズはレギュラーのジーン・セグラに守備のいい若手のオーランド・アルシアと駒は揃っていますから、セカンドで起用する方針なのかもしれませんね。
しかし、晩年は怪我もあったとはいえ、40歳までプレーを続けたジーターの頑丈さは大したものです。最近の選手は怪我も多いですし、その点だけでも超えるのは本当に大変なことでしょう。守備面に関しては、ここに挙げた全選手が既に超えていると思いますが(笑)。
一時期流行した、打てる大型ショートを求めるのではなく、ショートに守備力をまず求めるようになった昨今では、打てる選手はサードなどに転向させて守備の負担を減らし、打撃においてより好成績を求めるようになっています。そう考えると、ジーターのような選手が現れるのは難しいのかもしれませんね。ちょっと寂しい気がします。
2014年、ニューヨーク・ヤンキースの象徴であったデレク・ジーターが引退しました。奇しくもその日は黒田博樹の最終登板で、8回まで投げた黒田に対してジラルディ監督は「最終回、マウンドに登るだけ登って、ファンに挨拶をしてから後退しないか?一年間、ローテーションを守ってくれた労に報いたい」という提案があったそうですが、黒田はこれを「今日はジーターの日ですから」と断ったそうです。
ヤンキースの生え抜きで、遊撃手という花形ポジション。プライベートでも浮名を流し、ヤンキースという名門チームゆえに注目されたという面はあったと思いますが、残したレコードは一流と呼ぶにふさわしいものでした。まあ所属チームが地方の中堅球団や、レイズのように強いけど注目を集めないチームだったらまた違っていたと思いますが。
そのジーターが引退したことでヤンキースも新たな時代に入ったことになります。本当ならジーター在籍時に次のアイコンとなり得る選手を育成できればよかったのですが、FAで派手にドラフト指名権を手放したり、育てようとしたプロスペクトが期待通りに育たなかったりで、FAやトレード補強で誤魔化してはきましたが、ヤンキースは明らかに低迷期に入ってしまいました。しかし、その目が必ずしも曇っていたとは言えません。例えば、フィル・ヒューズは、ヤンキースタジアムに不向きな典型的フライ系投手だったために力を発揮できませんでしたが、ツインズに移籍してその素質が見事に開花しつつあります。同時期に若手三羽ガラスを形成したイアン・ケネディにしても、ニューヨークの厳しいマスコミに上手く対応できずに力を発揮できませんでしたが、移籍後は20勝を記録したりしています。
また、ヤンキースもあのマイク・トラウトを狙っていたらしいのですが、指名順位の妙でエンジェルスが先に指名してしまったこともありました。なにせ全米25位ですからね。
では、2015年のヤンキースのショートストップは誰になるのでしょうか?
ヤンキースはオフにショーン・グリーンを放出した三角トレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスからディディ・グレゴリアスを獲得しました。現在25歳でメジャー4年目、まだまだこれからが期待される選手です。
元々はシンシナティ・レッズのプロスペクトとして期待されていましたが、ダイヤモンドバックスに移籍。移籍1年目の2013年は103試合に出場するなど期待されましたが、2014年はクリス・オーウィングスにレギュラーの座を奪われ開幕はマイナースタート。メジャー昇格後はショートのバックアップなどを務めていましたが、オーウィングスの怪我によりレギュラーに抜擢。オーウィングス復帰後もショートのレギュラーに固定され、オーウィングスはセカンドで起用されていました。
高い身体能力を活かした守備に関しては評価が高く、その点では間違いなくジーターの穴は埋まります。まあ、ジーターはゴールデングラブ賞の常連でしたが、セイバーメトリクス的にはメジャーのレギュラー最低の守備の座を守り続けていました(笑)。ジーターの名誉のために言っておきますが、ジーターは自分の守備範囲の打球の処理を誤ることは滅多にありません。グラブ捌きは一流です。問題は狭すぎるその守備範囲と弱肩に起因するスローイングの欠点で、派手なジャンピングスローはその欠点を隠すためのものだったと言えます。その点、グレゴリアスの守備は、突出はしていませんが優秀です。問題は打撃で、特に左投手を全く打てないという欠点を克服しないとジーター二世の名は継げないと思います。まあ、ジーター二世と呼ばれたら呼ばれたで大変だとは思いますが(笑)。
とりあえず、今年はお試しの一年ということになりそうですね。ただ、大型でそこそこ長打もできるというタイプではなく、いわゆる典型的な二遊間の選手ですから、その点を理解した上でプレーを見れば合格点はもらえるんじゃないでしょうか。
では、メジャー全体から見たポスト・ジーターは誰になるのか?
何人か探ってみたいと思います。
ヤンキースの生え抜きで、遊撃手という花形ポジション。プライベートでも浮名を流し、ヤンキースという名門チームゆえに注目されたという面はあったと思いますが、残したレコードは一流と呼ぶにふさわしいものでした。まあ所属チームが地方の中堅球団や、レイズのように強いけど注目を集めないチームだったらまた違っていたと思いますが。
そのジーターが引退したことでヤンキースも新たな時代に入ったことになります。本当ならジーター在籍時に次のアイコンとなり得る選手を育成できればよかったのですが、FAで派手にドラフト指名権を手放したり、育てようとしたプロスペクトが期待通りに育たなかったりで、FAやトレード補強で誤魔化してはきましたが、ヤンキースは明らかに低迷期に入ってしまいました。しかし、その目が必ずしも曇っていたとは言えません。例えば、フィル・ヒューズは、ヤンキースタジアムに不向きな典型的フライ系投手だったために力を発揮できませんでしたが、ツインズに移籍してその素質が見事に開花しつつあります。同時期に若手三羽ガラスを形成したイアン・ケネディにしても、ニューヨークの厳しいマスコミに上手く対応できずに力を発揮できませんでしたが、移籍後は20勝を記録したりしています。
また、ヤンキースもあのマイク・トラウトを狙っていたらしいのですが、指名順位の妙でエンジェルスが先に指名してしまったこともありました。なにせ全米25位ですからね。
では、2015年のヤンキースのショートストップは誰になるのでしょうか?
ヤンキースはオフにショーン・グリーンを放出した三角トレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスからディディ・グレゴリアスを獲得しました。現在25歳でメジャー4年目、まだまだこれからが期待される選手です。
元々はシンシナティ・レッズのプロスペクトとして期待されていましたが、ダイヤモンドバックスに移籍。移籍1年目の2013年は103試合に出場するなど期待されましたが、2014年はクリス・オーウィングスにレギュラーの座を奪われ開幕はマイナースタート。メジャー昇格後はショートのバックアップなどを務めていましたが、オーウィングスの怪我によりレギュラーに抜擢。オーウィングス復帰後もショートのレギュラーに固定され、オーウィングスはセカンドで起用されていました。
高い身体能力を活かした守備に関しては評価が高く、その点では間違いなくジーターの穴は埋まります。まあ、ジーターはゴールデングラブ賞の常連でしたが、セイバーメトリクス的にはメジャーのレギュラー最低の守備の座を守り続けていました(笑)。ジーターの名誉のために言っておきますが、ジーターは自分の守備範囲の打球の処理を誤ることは滅多にありません。グラブ捌きは一流です。問題は狭すぎるその守備範囲と弱肩に起因するスローイングの欠点で、派手なジャンピングスローはその欠点を隠すためのものだったと言えます。その点、グレゴリアスの守備は、突出はしていませんが優秀です。問題は打撃で、特に左投手を全く打てないという欠点を克服しないとジーター二世の名は継げないと思います。まあ、ジーター二世と呼ばれたら呼ばれたで大変だとは思いますが(笑)。
とりあえず、今年はお試しの一年ということになりそうですね。ただ、大型でそこそこ長打もできるというタイプではなく、いわゆる典型的な二遊間の選手ですから、その点を理解した上でプレーを見れば合格点はもらえるんじゃないでしょうか。
では、メジャー全体から見たポスト・ジーターは誰になるのか?
何人か探ってみたいと思います。
セイバーメトリクスを語る時にどうしても外せない指標となる数字があります。
WARと呼ばれるものです。『 Wins Above Replacement 』の略称で、メジャー最低レベルの選手と比較してどれだけチームの勝利に貢献できるかを数値化したものです。投手と野手を同じ土俵で比較することも可能で、総合的な指標としては現在、最も有効なものとされています。
この数字が3以上であれば優秀な選手、6以上であればMVP級とされています。ちなみに、昨季両リーグで最も優れた数字を叩き出した打者はマイク・トラウトで7.8、投手はコリー・クルーバーで7.3でした。
ただ、問題点がないわけではありません。まず、WARを算出して発表しているメディアは複数あり、FamGraphsの fWAR 、Baseball Referenceの rWAR が主に用いられているのですが、計算方法が微妙に異なり、当然ながら計算結果も異なります。スラッガー誌などでは、シーズン成績では単純にWARとしていますが、ポジション別プレイヤーランキングの2014年版からは両方が併記されるようになりました。
また、指標のもととなる数字には守備を評価するものも含まれているのですが、識者の間では守備に偏り過ぎている、あるいは現段階でまだ確立しているとは言い難い守備の数字を用いるのは適当ではないなどの意見もあり、そこまで言ったらきりがないとは思いますが、球場ごとに同じ数字でも評価は異なるなど、より複雑化させるしかないのかと文句を言いたくなる指摘などもあったりして(笑)、今後また新しい算出方法が出て来る可能性もあるんじゃないかと思ったりしています。そうなったらそれまでのWARとの比較はどうすんだってことにもなりますね(笑)。
それでもまあ、現時点では一番わかりやすい数字であることに変わりはなく、今季アスレチックスに移籍したベン・ゾブリストのようにWARによって再評価された選手もいますから、今後もこの数字に注目して選手を見ていくと面白いと思います。
個人的には、選手の年俸なども指標に加えたようなものが出てくるんじゃないかなと思っています。まあそうなると、年俸調停前の若手がやたら優秀になってしまうかもしれませんが(笑)
にしても、メジャー最低レベルの選手を基準にしているはずなのに、なんでマイナスなんて数字が出てくるんだろう……?謎が多い……
WARと呼ばれるものです。『 Wins Above Replacement 』の略称で、メジャー最低レベルの選手と比較してどれだけチームの勝利に貢献できるかを数値化したものです。投手と野手を同じ土俵で比較することも可能で、総合的な指標としては現在、最も有効なものとされています。
この数字が3以上であれば優秀な選手、6以上であればMVP級とされています。ちなみに、昨季両リーグで最も優れた数字を叩き出した打者はマイク・トラウトで7.8、投手はコリー・クルーバーで7.3でした。
ただ、問題点がないわけではありません。まず、WARを算出して発表しているメディアは複数あり、FamGraphsの fWAR 、Baseball Referenceの rWAR が主に用いられているのですが、計算方法が微妙に異なり、当然ながら計算結果も異なります。スラッガー誌などでは、シーズン成績では単純にWARとしていますが、ポジション別プレイヤーランキングの2014年版からは両方が併記されるようになりました。
また、指標のもととなる数字には守備を評価するものも含まれているのですが、識者の間では守備に偏り過ぎている、あるいは現段階でまだ確立しているとは言い難い守備の数字を用いるのは適当ではないなどの意見もあり、そこまで言ったらきりがないとは思いますが、球場ごとに同じ数字でも評価は異なるなど、より複雑化させるしかないのかと文句を言いたくなる指摘などもあったりして(笑)、今後また新しい算出方法が出て来る可能性もあるんじゃないかと思ったりしています。そうなったらそれまでのWARとの比較はどうすんだってことにもなりますね(笑)。
それでもまあ、現時点では一番わかりやすい数字であることに変わりはなく、今季アスレチックスに移籍したベン・ゾブリストのようにWARによって再評価された選手もいますから、今後もこの数字に注目して選手を見ていくと面白いと思います。
個人的には、選手の年俸なども指標に加えたようなものが出てくるんじゃないかなと思っています。まあそうなると、年俸調停前の若手がやたら優秀になってしまうかもしれませんが(笑)
にしても、メジャー最低レベルの選手を基準にしているはずなのに、なんでマイナスなんて数字が出てくるんだろう……?謎が多い……