ユニコーン 百が如く 後半戦 10/5葛飾 ネタバレあり | とらんぬのブログ

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武道館沖縄をはさんで前半と後半で違う内容となり、葛飾は後半初日。

呉1日目に行く予定をすでに立てていたので葛飾は早々にあきらめていたが、

また自分は非常に運が良いことに、お知り合いの方がチケットを譲ってくれる奇跡に預かることになる。
本当にありがたく申し訳ない、と思いつつ、普段の生活に必要な運が強烈にないので

こういうときに運を遣ってるんかもなあ、と悪運人生に納得したりする。

 

ということで、まだはじまったばかりのツアーのため、間違って検索して

何となくの気持ちで間違ってここに読んでしまった方が曲名見てえらいこっちゃにならないように、
ただし将来自分の記憶がだめになった場合の記録として明らかにわかるレベルに

ぼかしたネタバレにして自分のライブ印象の記録を記す。

なお葛飾と呉の印象がごっちゃになっています。

 

10/5・葛飾

京急でよく見る駅名だが何があるか全く知らず、人生でこんなところに降り立つことなんてないと

思っていた東京23区内の果ての果て・葛飾青砥。

静かな下町に凛と佇む上品なホールで何がはじまるのだろうか・・・
UC100Vに続きUC100Wという後世に残る名作を生み出したその1発目のライブである。
入場すると舞台には前回のサイバーパンクというか、ファイナルファンタジーチック世界観が、

宇宙をテーマにした今作にあわせた無機質でスマートな未来観に変更されていた。

 

舞台暗転。どのようにこの世界はスタートするのか、と毎日のように妄想し続けたが、

自分の貧弱な想像力では1つのパーツを埋めることも出来ない、

高濃度の光が暗闇からゆっくりと開花し、その速度にあわせて少しずつ開いた扉から彼らは現れた。

天の音楽が降り注いだ。我々はその時、音の胎内から生まれた。

この曲を聴いたとき、なぜか出産をイメージしたのだが、

それは自分が生きている場所が、意識が、強烈に変わることのせいか。

それとも、あの狂気と紙一重の音の歩みが、最も日常からかけ離れた神の行為そのものだからか。

ステージは2階席から見てはるか下に位置するにも関わらず、

彼らの生の音の中で空間の概念は単なる地上の思想に過ぎなかった。

宇宙に飛び出すと上下がなくなるが、この葛飾の1Fに位置するステージは、天空だ。

オープニングの曲は、CDでも我々の常識を、当然を、法則を、全て奪い去る曲であるが、

この曲を作ったあの天才の意図、自分ではコントロールできない何かに抗うのではなく、

従うことがこの曲では正しい、という、その曲の直感性を体感しながら、

現実の感覚と我々を結んでいたザイルはその曲の鋭い刃で断ち切られ、

我々は未来のデスバレーへ舞い上がり、音の天空へと急降下した。


味わったことのない感覚からユニコーン再指導前の一撃必殺曲が連発される。
100周年にあたり、間違いなくエポックメイキングとなったそれらの曲の力で

観客はもはや大声を上げてこ拳を突き上げる以外の思考ができないし、
この空間ではそれが自分を失いながら生命を維持するための最も適切な方法でもある。
僅か10分、世界は輝く叫びと煌くささやきで満たされた宇宙空間へ飛び出した。

 

最初の3曲のエネルギーで会場は地球の圧力から解放されていたが、

ユニコーンの個性は、創造の困難なその聖なる天空によくわからない調味料をかけて

よくわからない物質にしてしまうことである。
それをキュートな特徴と捉えるか異常アラートと見るかは人によって様々かと思うが、
その中で今回の最大の事件といえば、民生さんのトレードマークともいえる

あの貴重なギターを阿部が弾いていることだろうか。

いろいろな人に聞いてもそれを舞台上で誰かに貸し出すことを見たことはない、とのことなので、

その意図も含め要注目ポイントであるそうだ。


ところで、かにさんソロコーナー、曲中に私だけを指したのです。(黄色い救急車がやってくる音)
この曲のときめっちゃ全員かわいい。

あとキーボードの意図的にだっさい音が本当に楽しい。
なおかにさんめっちゃ気持ちよさそうに歌うが言うまでもなくメッチャオンチーで逆に最高です。
でえびちゃんコーナーまじでトリップしててIQ3くらいで顔がいいから全て許す。

現実からは離れているがその離れ方はどうなんだwというコーナーが過ぎる。


再び戻り行く、美しく柔らかな非現実。花びら舞い踊る四季のファンファーレのあの音楽。
民生さんの、期待より良い形の作品を生み出す能力の高さには驚愕せざるをえないが、
民生さんソロでこれを作り出すことは不可能だ、という確信がある。
より高みを追い求める奥田民生という音楽家のあふれ出る創意工夫はyoutubeでもおなじみだが、
この大団円感を生み出しているのは民生さんの唯一無二の声に深い陰影を描く阿部と、

ポップでクリアな清涼感の源であるえびコーラスという、ユニコーンの声の多彩さに起因すると思うし、
この二つの声がない、創造の女神が語りかけてこない状態で、

この喜びに満ち溢れた世界観は生み出されなかったに違いない。
そしてこの曲について、演奏しているメンバーがとても楽しそうであり、

CDではある程度抑える必要のあるコーラスが、曲そのものの楽しさに加え、

彼らが生きる楽しさを反映しているようなのだ。
沖縄で感じたこの曲の物足りなさは阿部の体調不良によるコーラスなしにより説明がつく。

 

後半セトリにも少しだけ変わったメドレーがあり、色々期待をさせながらやはりあの曲はなかった。
うんそうね。あの曲はないですよね・・・

いつかあの美しい曲やってね・・・

で、メドレーが終わると、ここからが真骨頂というか、眩し過ぎる宇宙の闇に、心身は再び放たれる。
アルバム発売まで1曲も絶対に聞かないように避ける努力をしながら、

あべという麻薬中毒者であった自分は耐えられなかった。

この1曲を摂取したあと、あまりの衝撃で布団を抱きしめたまま、自分に問いかけ呆然としていた。
これほど人を愛したことがあるだろうか。

永遠の別離であり永遠の誓いを表現したこの曲は、歌詞に書かれていることだけでなく、

演奏にも表現されていて、

「私はあなたを愛している」という互いの思いは、絶望的に考えて届かない希望だが、

その思いの深さ、真実ゆえに、それは届いているのだ。
阿部のエモ。
永遠に、これ以上美しいものに出会うことはない、ある意味破滅を意味し、

それゆえに全てを満たす望みでもある、絶望的に美しいエモ。
そのエモゆえ、すべての可能性・不可能性を越えられる。
超えることが出来たから再始動がある、という、

ユニコーンの現在進行中の物語そのものである阿部のエモ。
世紀の天才・奥田民生の創造力を昂奮させ、判断力を奪い取り、

彼の人生を天国にも地獄にも変えながら、なおも求められ続ける、阿部のエモ。
そのエモが凝縮された鍵盤の旋律に優しく歩みを合わせるギター。
彼らの強まりゆく感情を反映したかのような、音源の冷静に刻まれたそれと比べて

感情をむき出しにした強いドラム、彼らを見守る守護天使の正確なベース。
愛の軌跡の物語に身を任せこの世でもあの世でもない空間を漂う我々は、

川西さんがしっかりと終わりを刻むことで、観客席にいることを思い出し、

一瞬の沈黙の後、ただただ愛の真実について、再び自らの生に問いかけているのだ。

その重厚な時間に「ちょっと待って・・・ちょいまちたかし」とか言い出す阿部wwwwwwww
俺の涙返せwwwwwwwwww
そしてちょっとあの曲を弾くな民生wwwwwwwwww

 

笑わされながら快楽と困難を伴う祈りは続く。
ツアー前半戦でもこのあべと民生さんの連続するここ、ライブの頂点に位置する部分は変わらず、
彼らの長く深い音楽家人生を最大限に表現する時間とでもいうべきか。
静かな緊張感を纏った幻のような、強靭であり人間くさいプレイヤーの生きる不安定な一瞬、

そして永遠を讃える音を作るのにまず民生さんはベースとなる音がまだないのに

「倍音が欲しい」と阿部に言うところから始まっているが、

その、何を言ってんだこいつは、と応えるべき意味不明な要望に想像の上を行く答えを持ってくる。
最高のアーティストの期待に応えるには、単純な想像力や理解力だけではどうにもならない。
そしてそれを聴く観客として、単純に曲に感動するのももちろん正しいのだが、

人は情報を食べて味わい楽しむ生き物だ。

曲の裏側にある物語を知ることで、その曲への楽しさがより深まるよなあ、と。

だから本当は楽器の知識もしっかり持っていれば、よりユニコーンへの愛も深まるのだろうなあ・・・

 

で、そんな思いをぶち壊すのが幸せな彼氏(また黄色い救急車)の記念曲であるが、

自分は本当にこの曲大好きですw

この曲からひたすら観客を躍らせるアゲアゲセトリが続くんだけど、

民生の踊りがひたすらムカつくでもかわいいので是非しっかり瞳に焼き付けてくださいw

つーか、あの曲で銀テープが出てくるタイミングが変わったのが不思議・・・

あと旗と光るリングはめっちゃ役立つ。マストバイ。

そしてラストは天上に浮かぶ光の海へ還っていく。

阿部と民生の話ばかりで申し訳ないが、この曲のサビのユニゾンハモリがすごく好きで、

二人の声が重なることでしか創り出せない世界がある。

夢と現実の境目を、朝と夜の境目を融解し、今までにないものを創造できる力がある。

この曲のテーマがそう、どこにもない新たな世界を自らの手で切り開く、というもので、

それは前作の別の曲のアンサーと言える曲だと自分は信じているのだが、

ともかくこの曲を演奏するユニコーンのオサーンたちが幸せに満ち溢れているので

この数分間は宇宙がどこかで彼らが理想とする世界が新たに生まれていると信じている。

 

で今回も100分とのことでいきなりアンコールなんだが、これはね・・・

語りはじめたら8時間は止まらないから書きません。

はじまった瞬間に叫び声あげて感動にむせび泣き続けてめちゃくちゃになったので・・・

いやほんま無理凄過ぎて無理・・・

で、涙でぐしゃぐしゃになった後に阿部wwwwwwwwwwwwwwww

なんやその新キャラwwwwwwwwwwwww

俺の涙返せwwwwwwwwwwwwww

 

えええっと、とりあえず今回も観客は感情の起伏が激しくて大変です!!!!!!!!

全国民ユニコーン見に行け!!!!!!

名古屋とかめっちゃチケットあるから全国民行け!!!!!!!!!!