スターピープルはあなたのそばにいる アーディ・クラーク博士のUFOと接近遭遇者たち‥ 3 | inca rose*のブログ

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第十六章   私の娘の正体

メアリーは米国南西部の保留地で育ちました。二二歳で州立大学を卒業した彼女は、アリゾナ州フェニックスにあるインディアン社会のプログラムで事務職に就くことにしました。
そこでのキャリアが二○年を迎えた頃に私は彼女と出会いました。女性のインディアン指導者の名誉を称える昼食会の席で、彼女と私は隣同士になったのです。

二人でデザートを待っている時、向かいの席の年配者が話しかけてきて、私がまだUFO遭遇体験を取材しているかと尋ね、私はうなずきました。
「公演の後に私のところへ来てください。会わせたい人がいるんです」その言葉に私は再びうなずきました。その時メアリーが私のほうに体を寄せてきて囁きましたー
「もしお時間がおありでしたら、私もUFOとの遭遇体験があるんですけど、たぶん信じてはいただけないような話なんです」昼食会の席でこのように続けて打ち明けられることになるとは予想していませんでしたが、よろこんで二人から後ほど詳しい話を聞くことにしました。

翌日、正午の数分前にメアリーのいる事務所を訪ねました。彼女は自らの体験を伝えるために、私を昼食に招いてくれていました。秘書に案内されて小さな会議室まで来ると、そのドアが開いてメアリーが迎えてくれました。
メアリーは魅力的な四○代半ばの女性でした。ウェーブのかかった黒髪は染色により赤茶色に輝いていました。彼女は一四歳の娘をもつ未亡人でした。夫は娘のチェリーが誕生する半年前に交通事故で他界してしまっていました。それ以来、メアリーの人生は仕事と娘のために捧げられてきました。

「最初の遭遇があったのは二○年前のことです。いま私と娘は町の郊外に住んでいます。亡夫がフェニックス市外の小さな田舎の造成地に家を建ててくれていたんです。見栄を張ったところなど何もない、ただ三人が暮らしていくために建てた家です。夫は赤ん坊が生まれる前にマイホームを持ちたがっていました。酔っぱらい運転の車にはねられて夫が死んだ後、私の友人や親族は、私たちが別の町に引っ越すか、少なくともフェニックスの共同住宅に移ったほうがいいと言いましたが、私は我が家が好きでした。夫が私とチェリーのために建ててくれた家を手放したくなかったんです。私は実母のパールに、私たちと同居を始めるように説得しました。彼女は独り身でしたから、淋しく暮らす必要などありませんでした」

「あなたのご主人は素晴らしい人ですね。ただ、あなたが私をここへ招いた理由を話してもらえますか?」

「車で帰宅途中のある晩のことでした。冬だったのですでに日は落ちていました。私は途中で買い物を済ませてから、娘を迎えにモンテソリスクールに寄りました。娘はまだ二歳でしたが、週三回のプログラムに参加させてもらえていたんです。それ以外の日は、私の母が娘の面倒を見てくれていました。車での家路で、ハイウェイの前方近くに、じっと空中にとどまっている光を目にしました。地面に近い位置にありましたが、私はそれを空軍基地に離発着する飛行機だろうと思いました。しかし近づいていった時、それが飛行機ではないことに気づきました。目の前の光は動いていなかったんです」

「それであなたはどうしたんですか?」
「何かしらの理由で光が動いていないのだろうと思って、私はそのまま光のほうへ車を走らせていました。自分がUFOに出くわすことになろうとは夢にも思っていませんでした」
「いつUFOだと気づいたんですか?」私は尋ねました。

「車で接近していた時、まばゆく輝いていた光が急に消えてしまい、同時に私の車のヘッドライトも消えてしまいました。それからダッシュボードの明かりも薄れていって、エンジンが止まってしまいました。幸いなことに、ヘッドライトが消えた時点で、私は車を路肩に寄せていました。私は車から降り、チャイルドシートのベルトを外してチェリーを抱きかかえ、徒歩で帰ることにしました。もう自宅までわずか一キロ半ほどのところまできていたからです。夜空に雲はなく、月明かりが照っていましたので、自分に大丈夫だと言い聞かせていました」

「でも、その時点であなたはUFOの存在に気づいていたんですか?」
「いいえ、私はただ一連の不運が続いているんだと思っていただけです。もう新しい車に買い替えなくてはいけない時期をとうに過ぎていたので、似たようなトラブルが以前から起こっていたんです」
「それでどうしたんですか?」

「ハイウェイを歩いていくのではなく、近隣の人が所有する野原を横切っていこうと思いました。そうすることで移動距離を四分の一ほど短縮できると考えたからです。抱っこしたまま一キロ半の道のりを歩くにはチェリーは少し重すぎました。そして野原の半分ほどまでやってきた時、先ほどの光が私たちの上空にやってきました。この時になって、それが飛行機でもヘリコプターでもないことがはっきりと分かりました。その光は私たちの周辺をサーチライトのように照らし回り、私たちにスポットが当たった瞬間にライトの動きが止まりました」

「次の瞬間に私はもう宇宙船の中にいました。一体どうやって乗ったのか私にはわかりません」
「チェリーちゃんのほうは?」
「彼女も一緒でしたが、彼らはチェリーは私のものではないって言ったんです」
「誰があなたにそう言ったんですか?」
「分かりません。彼らはチェリーは自分たちのものだと言ったんです。私は自分の頭の中に響いていたその声に向かって、あらん限りの大声で叫んでいたのを覚えています」

「彼らの姿は見えましたか?」私は尋ねました。
「ちらっと一瞬だけで、あとはなにも」
「それからどうなったんですか?」
「彼らは私を地上に戻しました。実際には、気づいたら私は自宅の前に立っていて、腕にはチェリーを抱いていました」
「それから、信じられないでしょうけれど、私の車も敷地内の私道に停めてありました」

「その最初の遭遇の後、彼らにまた会ったんですか?」
「何度もです。次に会ったのはチェリーが四歳の時でした。最初と同じ状況でした。でもこの時は、私は野原を歩いて渡ろうとはせずに、ハイウェイにとどまっていました。そして彼らは私たちを宇宙船内に連れていきました。彼らはチェリーを私の腕から奪い、またあの時と同じぞっとする声が頭に響き渡り、チェリーは私のものではないと言いました。そしてそれ以降、私たち二人は、エンジンがかかったままの車の中に戻されるようになりました。私は自分が正気を失いつつあるのを感じ始めていました」

「彼らはそれ以外に何かあなたに言っていましたか?」
「はい。チェリーが六歳の時です。最初のうちはきっかり二ねんごとにやってきていたんですが、その後は毎日のことになりました」








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『スターピープルはあなたのそばにいる     アーディ・クラーク博士のUFOと接近遭遇者たち 上 』
著 . アーディ・S・クラーク

から抜粋。