ワクチンでインフルエンザは防げません ‥ 2 | inca rose*のブログ

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◎焦らないで!がんの成長はゆっくりです

◆1センチ大になるまで10年以上経っている

「がんは放っておくと、どんどん進行して命を奪う」というイメージは、多くの人が抱いているでしょう。がんと告げられたとき、「一刻も早く手術を受けなければ!」と焦る理由もそこにあると思います。けれども、がんの成長速度は意外にもゆっくりなのです。

がん細胞は二分裂を繰り返し、1個が2個、2個が4個、4個が8個と、ネズミ算式に増えていき、がん細胞が倍になるには、平均3カ月以上かかります。がん細胞は直径10ミクロン(1ミリの100分の1)程度ですが、がん病巣が1センチの大きさになるまでには、30回分裂を繰り返す必要があります。もし、1センチのがんが発見されたとすると、がん細胞が発生してからそこまでに、平均90カ月かかっていることになります。

しかも、がんは増大するにつれ、成長速度が鈍ってくることが多いのです。がん細胞は周囲に新たな血管をつくりながら分裂を続けますが、病巣が大きくなると、血管をつくる作業が追いつかなくなりがち。その結果、栄養不足や酸素不足に陥って死滅したり、細胞分裂を続けられなくなって脱落するがん細胞が出てくるのです。1センチのがんに育つあいだにも、がん細胞の一部は分裂の途中で死んだり脱落したりするので、実際には40~50回は分裂しているらしい。とすると、120~150カ月、つまり、10年以上かかって、やっと発見されるまでの大きさになるというわけです。





◆転移しても人は簡単には死なない

転移がんでも、圧倒的多数はかなりゆっくり成長します。転移治療が行われなかった昔には、転移がんを放置して観察した記録があるので見てみましょう。

■がんの直径が倍になるまでの平均スピード

●乳がん肺転移           7カ月
●子宮がん肺転移        8カ月
●大腸がん肺転移        9カ月
●腎臓がん肺転移        6カ月
●頭頸部がん肺転移     6カ月

これはあくまで平均で、倍増時間が5年以上という人もいます。このように、がんが成長するスピードは、世間のイメージよりずっと遅いのです。また、増大したとしても、そう簡単に人は死にません。

僕の患者さんには、乳がん治療をしないで経過をみた人が70人以上いますが、そのほとんどは、「直径3センチのしこりが、1年かけて1~3ミリ大きくなった」というようなのんびりペース。乳菅内にとどまって転移しなかったり、自然消失したケースも多かった。3カ月以内にしこりが2倍になった人は1人だけでした。

胃がんを治療しないで観察している人も20人以上いて、その大部分は何年経ってもそんなに大きくならないし、体調も良好。がんが消えてしまった人もいます。また、悪性度が高いスキルス胃がんを抱えて3~10年近く生存したケースなどもみてきています。

治療をせかす医者もいますが、それは手術に誘導するための根拠のない脅しです。がん専門病院や大学病院でがんを発見され、「急いで手術を!」とせかされたわりに、ベッドの空きがなく入院は1カ月待ち、なんて話はよくあります。時間は十分あります。がんと診断されたら、まずは心を落ち着けて、セカンドオピニオンをとるなどして、しっかり治療法を検討してください。急がば回れです。




◆抗ガン剤でがんが消えても必ず再発する

なぜ、ほとんどのがんは、抗ガン剤で治らないのでしょうか。最大の理由は、抗ガン剤が、がん細胞と正常細胞を見分けられないからです。がん細胞は、正常細胞から分かれたものであり、基本的な構造や機能は同じです。つまるところ、がん細胞は異物でも敵でもなく、自分自身の一部なんです。

したがって、がん細胞を殺す抗ガン剤は必ず正常細胞も殺します。さらに厄介なことに、正常細胞はがん細胞より抗ガン剤に弱い。そのため、がんをやっつける前に、必ず正常な臓器がやられてしまう。臓器が毒性でやられない程度の抗ガン剤の量では、がんをやっつけられないということなのです。

では、医者のいう「抗ガン剤が効く」とは、どういうことでしょう。それは、抗ガン剤でがんが縮小・消失することを指します。ただし、これは見かけ上のことで必ず再発します。そのあいだに、抗ガン剤の毒性が強く出て、急死することもある。"治る"とか、"寿命がのびる"というわけではありません。数ヶ月の延命効果が得られると仮定しても、抗ガン剤の治療期間は延命期間よりずっと長い。抗ガン剤の毒性に苦しむ期間がのびるだけで、QOLは下がってしまいます。しかも、抗ガン剤で縮小・消失するケースは1~2割程度とごくわずか。そのため、再発がんや転移がんでは、ひとつの抗ガン剤で終わることはまれで、次々と、別の抗ガン剤に乗り換えることが多いのです。

乗り換えるたびに抗ガン剤の毒性は蓄積していき、寿命が縮まっていく。数回目の抗ガン剤投与で一気に衰弱したり、悪くすれば急死、ということもしばしばです。この乗り換え治療が、もっとも行われているのが乳がんです。転移性乳がんは、ほかのがんに比べて患者の余命が長く、抗ガン剤を次々に試していく時間的余裕があるからです。言い換えれば、抗ガン剤で苦しむ期間も長くなりがち、ということになります。




◆抗ガン剤ありきで治療は進む

医者から乗り換え治療を提案された患者が、それに同意する気持ちは痛いほどわかります。やっとの思いで抗ガン剤治療に耐えてきたのに、がんは縮小しない、あるいは増大していることがわかり、絶望的な気持ちになっている。そこに医者から、別の抗ガン剤を提案されたら、藁をもつかむ気持ちになるのは仕方のないことでしょう。

臨床医たちも、目の前の患者を生かすため、できるかぎり手を尽くしたい。その気持ちにおそらく嘘はないでしょう。しかし、その使命感が患者の命を縮めているのは事実です。そして、抗ガン剤はがん治療医の莫大な収入源になっていることもまた、動かしがたい事実です。
もし、患者さんが抗ガン剤治療を拒否したら、ほとんどの医者は、なだめたり、すかしたりして、なんとか治療を受けさせようとするでしょう。

「どうなっても知らないよ」「治らないよ」「やらないと死ぬよ」「ほかの医者をあたれ」。僕の患者さんたちが、実際、医者にいわれた言葉です。「抗ガン剤を使わなければ余命○カ月。使えば1年」などと、余命を持ち出して脅しをかけるのも医者の常套手段。余命宣告の多くはデタラメです。2013年、僕が『「余命3カ月」のウソ』という本を出したら、「余命4カ月」と宣告される患者さんが増えました。

抗ガン剤がもたらすのは延命ではなく縮命です。芸能レポーターの梨元勝さんは、「抗ガン剤治療を受けなければ3カ月の命」と医者にいわれ、抗ガン剤治療開始からわずか2カ月で亡くなりました。医者に抗ガン剤をすすめられたら、言葉の真意を疑うことです。













『もう、だまされない!  近藤 誠の「女性の医学」』
著 . 近藤 誠

から抜粋。