サクスフォンの香り | 詩的大和
サクスフォンの音色が
頭の上を通過した
花水木と芝生の真ん中の
透き通った青空を
何にもふれずに飛んでゆく
芝生はしばらく
ぼくの鼻をつんざいた
ホラ、あの雨上がりの緑の香り
そして上空を舞うカラス
まるで声を嗄らす渡り鳥みたいに
奴ら泣いている
どうしてなんだろ?
ベンチの上に
寝転んでいると
空から何か降ってくる
雨?
んーん、それは宇宙エネルギーという名前の
新鮮さ
人間が多い世の中で
自然界から放たれた矢が
ぼくの体を解き放つ
心を柔らかくする
目を閉じると
聞こえてくる
サクスフォンの音色が
ぼくを自由の時空に連れてゆく
なにもかも
この瞬間は完ぺきで
不可能のない一体感に充ちている
あーとっても
ありがとう

