カミーノを歩く時は、ご夫婦、恋人同士、友達同士など複数で歩くことも多い。でも、聞いたところによると、一人で歩く人が一番多いという。私が見た感じでも、一人の方が一番多いように思う。
一般的にカミーノは治安がいいと言われているので、若く美しい女性が一人で歩いていることも多い。そしてもちろん、イケメンの若い男性が一人で歩いていることもまた多い。
となると、当然そこには、出会いがある。
多くの私営のアルベルゲでは、コミュニケーション・ディナーという巡礼者みんなで夕食を食べることが多い。一度この席で驚いたことがある。席が決まっているわけではないので、その日一緒に歩いたイギリス人のお兄様と一緒に着席しようとしたところ、若いお嬢さんから、待って! そこは私の席よ! とばかりに席を変わらせられたことがある。なんだ?と思っていたら、一緒だったイギリス人が私に囁いた。それは、彼女が私がいた席に座りたかったのは、イギリス人の逆側の席にいる男性が目当てだとのことだ。ほーーーーー そんなことか!
確かに聞いたことはある。カミーノでカレシ探しをするという話を。カミーノあるあるだと。しかし、そこまで露骨にやるのか・・・ ま、いいか、若者は若者で楽しめばいいさ、と思ったものだ。
それ以降は同じようなことがあっても驚かなくなった。1日25キロくらいを一緒に歩き、同じアルベルゲに泊まり、一緒に食事をすれば、当然仲良くなるよね。もちろん、思ったようにうまくいかないケースもあるだろう。そうしたら、次に行けばいいので、それはそれで・・・カミーノは長い。
私はこの歳だし、特にカレシが欲しいわけではないので、そういった方面には全く興味がない。というより、めんどくさいから関わりたくない。にも関わらず、面白いことに寄ってくるのだよ、男が・・・不思議だ・・・
アジア系は若く見えるし、一緒に歩いていれば、情が移るということもあるんだどうけど、それはそれ、恋愛とは違うよね、と私は思うんだけど。例えば、数日一緒に歩いたお兄様方やフィリピン系のアメリカ人などがいるけど、お互いにいい旅の道連れとして、アルベルゲでも楽しく過ごすことが出来た。でもね、決してそんな雰囲気にはならないのだ。
でも、中には体に触ってきたり、抱きついたり、キスしようとしたりと、アナタ、何考えてんの? みたいな人がいる。SNSのアカウントを教えろとか、サンティアゴについたらなんとかとか・・・
多分、愛想のいい日本人の私にも、相手に何かを期待させるものがあったのかもしれない。それは全くないとは言えない。でもね、仲良しのお兄様方に言わせると、キミにはそんな空気は感じないよ、とのことだ。あら、ありがとう。どういう意味でしょうか・・・
カミーノに何を求めるかは、人それぞれなので、カレシ・カノジョ探しをすることが悪いとは思わない。いや、それを目的にするなら、もっと楽しめばいいと思う。そう、他の人に不快な思いをさせなければね。案外、見ていて微笑ましいこともあるんじゃないかな。
なんたって、カミーノは長いし、人生も長い。しかも一度だけだ。
やりたいことを楽しみましょうよ。