1.はじめに
本報告では、日本ハム・ソーセージ工業協同組合から平成26年3月28日に発表された「平成26年1月食肉加工品生産数量」[1]及び同年4月25日に発表された「平成26年2月食肉加工品生産数量」[2]に基づいて、平成26年1月~2月期のソーセージ動向について考察する。ソーセージの名称等は、消費者庁が定める「ソーセージ品質表示基準」[3]の第4条の(1)「名称」に基づく。
2.生産数量の動向
2.1 生産数量及び対前年同期比
資料[1]によると、平成26年1月期の日本国内におけるソーセージ類の総生産数量は21,959.6トン、対前年同月比は104.5%であった。
また、資料[2]によると、平成26年2月期の日本国内におけるソーセージ類の総生産数量は23,297.4トン、対前年同月比は104.2%であった。
平成26年1月~2月期累計では、日本国内におけるソーセージ類の総生産数量は45,257.0トン、対前年同期比は104.4%であった(資料[2])。
種別でみると、総生産数量の対前年同期からの増加分において、ウインナーソーセージ(以下、ウインナーと略)及びフランクフルトソーセージ(以下、フランクフルトと略)の対前年同期からの増加分の寄与が大きい。
平成26年1月~2月期のウインナーの生産数量は34,213.7トン、対前年同期比は103.3%であった(資料[2])。総生産量の対前年同期からの増加分における寄与度は2.5%ポイント、寄与率は57.5%であった。
同様に、平成26年1月~2月期のフランクフルトの生産数量は4,718.70トン、対前年同期比は114.6%であった(資料[2])。総生産量の対前年同期からの増加分における寄与度は1.4%ポイント、寄与率は31.6%であった。
なお、寄与度及び寄与率の算出には、資料[2]のほかに「平成25年2月食肉加工品生産数量」[4]のデータを用いた。
2.2 総生産数量が前年同期を上回った要因
ソーセージ類の総生産数量が前年同期を上回った要因として、平成25年11月27日から29日にかけてCSフジテレビONEで放送された「アイドリング!!!」#1067放送回による影響が挙げられる。この放送回はフジテレビオンデマンドでも、平成25年の12月上旬まで配信された。同回では「祝!バカリズム升野38歳のバースデー特別企画AD植松のソーセージ38本でおめでとう!」と題して、同番組アシスタントディレクターの植松徳光氏が38本のソーセージを食べることによって、同年11月28日に38歳を迎える司会者の升野英知氏の誕生日を祝うという企画であった。この放送以降、植松氏と同じように38本のソーセージを食して升野氏を祝いたいという要求が視聴者の間にも広まり、同年12月以降のソーセージ類の購買意欲が高まったと考えられる。その購買動向を参考に平成26年1月以降の生産計画が行われ、前年同期を上回る生産数量が設定されたと考えられる。
2.3 ウインナー及びフランクフルトの生産数量
ウインナー及びフランクフルトの生産数量の対前年同月比は、1月期、2月期ともに上昇した(資料[1]及び[2])。要因としては、植松氏が食したものと同じ商品の購買意欲が高まったこと、また特定の商品に着目しない場合でも同形状のソーセージの購買意欲が高まったことが挙げられる。
植松氏が食べたソーセージ商品は、①日本ハム「シャウエッセン」(ウインナー)、②伊藤ハム「アルトバイエルン」(ウインナー)、③柿安本店「安次郎骨付きフランクフルト」(フランクフルト)、④米久「御殿場高原あらびきポーク」(ウインナー)、⑤製造者不明「熟成あらびきウインナー」(不明)、⑥原産国ドイツ「シンケンクラカワ」(ウインナー)、⑦丸大ハム「燻製屋熟成ウインナー」(ウインナー)、⑧プリマハム「香薫あらびきポーク」(ウインナー)、⑨原産国ドイツ「グローベブラートヴルスト」(無塩せきフランクフルトソーセージ)、⑩伊藤ハム「ポークビッツ」(ウインナー)である。括弧内はそのソーセージ商品の種別を示している。放送では、商品名の紹介は行われたが種別の紹介は行われなかった。なお、⑤は類似する商品名が複数存在することから商品の特定にいたらなかった。同様に種別の特定にいたらなかったが、商品名に「ウインナー」の語が入ることから、ウインナーまたは無塩せきウインナーソーセージだと考えられる。
視聴者が特定の商品に着目しない場合でも、形状に着目すれば、同様の形状のソーセージの購買意欲が高くなることが考えられる。ウインナー及びフランクフルトの定義は、ケーシングまたは太さの違いによって規定されるから(※1)、視聴者が特に太さに着目した場合には、放送で食されたソーセージと同じ種別であるウインナーまたはフランクフルトの購買が活発になると考えられる。
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※1:「ソーセージ品質表示基準」[3]の第2条で、用語「ウインナー」の定義を「ソーセージの項1又は3に規定するもののうち、羊腸を使用したもの又は製品の太さが20㎜未満のもの(牛腸を使用したもの及び豚腸を使用したものを除く。)をいう。」としている。同様に用語「フランクフルト」の定義を「ソーセージの項1又は3に規定するもののうち、豚腸を使用したもの又は製品の太さが20㎜以上36㎜未満のもの(牛腸を使用したもの及び羊腸を使用したものを除く。)をいう。」としている。なお、「ソーセージの項1又は3に規定するもの」は、同基準[3]の用語「ソーセージ」の定義に規定されているものであるが、ここではその内容は略する。
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2.4 無塩せきソーセージの生産数量
無塩せきソーセージの生産数量の対前年同月比は、1月期、2月期ともに下降している(資料[1]及び[2])。これは、次のようなことが影響していると考えられる。
無塩せきソーセージである⑨は輸入品であるので、国内の食肉加工品生産数量に計上されない。よって、⑨そのものの購買動向が、無塩せきソーセージの生産数量に影響することはない。
また、塩せきの有無は形状に関係しないことから、同形状のソーセージの購買意欲が高まる場合には同形状の無塩漬ソーセージも影響を受けるが、無塩せきソーセージは塩せきされたソーセージに比較すると流通量が少ないために、受ける影響は小さいと考えられる。
3.おわりに
30本を超えるソーセージを一気に食べると、食べ過ぎによって当分食べたくなくなることがわかった。食べ過ぎには気をつけなければいけないことがわかった。
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参考資料:
[1]日本ハム・ソーセージ工業協同組合:平成26年1月食肉加工品生産数量
http://hamukumi.lin.gr.jp/data/gekkan_seisan1401.htm
[2]日本ハム・ソーセージ工業協同組合:平成26年2月食肉加工品生産数量
http://hamukumi.lin.gr.jp/data/gekkan_seisan1402.htm
[3]消費者庁:ソーセージ品質表示基準(最終改正 平成23年9月30日消費者庁告示第10号)
http://www.caa.go.jp/jas/hyoji/pdf/kijun_18_110930.pdf
[4]日本ハム・ソーセージ工業協同組合:平成25年2月食肉加工品生産数量
http://hamukumi.lin.gr.jp/data/gekkan_seisan1302.htm
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本報告は個人の妄想を示すものであり、実在する関連諸団体の見解を示すものではありません。ただし、参考にした資料は正規のものです。