私のめざす医療・医学は、患者に学ぶことです。

 医学的知見や経験を、継承するというわけには行きません。

 本当の医学をつくるお医者さんは、きわめて少ない。先生から知識を学ぶ、と考えるのは間違いです。

 患者さんのからだから、虚心に教えてもらって、客観的事実を診断できます。


 人権にかかわる、医療者・福祉従事者は、患者を見さげることに陥りやすいです。

 たえず、患者に学ぶんだという気持ちで取り組まなければ、すぐ転落します。

 日本の近代では、韓国や中国の人を下に見て、欧米を上にみる癖があります。

 人間を、民族・国家という集団本位でなく、あくまで個人単位で考えれば、そういう差別は生じません。


 人間存在の目的は、何か? 存在すること自体かもしれません。

 お金は、手段です。脳の障害者になった母から、私は、貨幣自体は意味がないこと、人間が平等であることをしつけられたように思います。

 母は若いころ、ロシヤ革命詩人・マヤコフスキイを勉強していました。共産主義のためのたたかいにおけるマヤコフスキイという伝記を、翻訳していました。伝記の筆者は、詩人がスターリンに殺されたと後年主張しました。

 そういうわけで私はお金の計算が不得手で、車も運転しないから、交通事故損害賠償の相談は弁護士さんにしてくださいね。

 最後に、宮沢賢治のかしはばやしの夜に、面白いうたが出ているので、引用します。


 一とうしやうは 白金メタル

 二とうしやうは きんいろメタル

 三とうしやうは すゐぎんメタル

 四とうしやうは ニツケルメタル

 五とうしやうは とたんのメタル

 六とうしやうは にせがねメタル

 七とうしやうは なまりのメタル

 八とうしやうは ぶりきのメタル

 九とうしやうは マツチのメタル

 十とうしやうから百とうしやうまで

 あるやないやらわからぬメタル。