建設労働者は、長年石綿粉じんを沢山すい(輸入石綿の多くが、石綿建材に使われた)、石綿関連肺がんが起きています。ところが、お医者さんは、肺がんというとすぐタバコといいます。私もタバコを吸って肺がんになることは、否定しません。

 タバコを吸うと・吸わない人より10倍肺がんになる確率が高まり、石綿を吸うと・吸わない人より5倍危険が高まるということです。タバコと石綿・両方すうと、何倍でしょうか。10+5ではなく、10×5=50倍です。

 労災の考え方は、タバコをすっていたら、その肺がんを認定しないということではなく、両方で肺がんになったのだからということで認めます。単一原因説ではなく、複合原因説(共働原因説)なのです。


 外傷性脳損傷のため、精神機能障害と・身体性機能障害がおきます。精神機能障害とは、高次脳機能障害・発作性意識障害(てんかんなど)・心因反応(うつ状態など)です。

 ところが、労災事故・交通事故によって、外傷性脳損傷が起きたことを否定するため、脳損傷でなく・精神的なもの・心因性だと相手方が言ってくることがあります。

 しかし、身体性機能障害=脳神経まひ・運動知覚まひ・膀胱直腸障害の厳然たる検査結果は、心因性では説明できません。

 私は、心因性だと決め付ける論法は、建設労働者の肺がんをタバコのせいと片付ける考え方と似ていると思います。厚生労働省の障害等級認定基準は、前は外傷性神経症、今でも脳の器質的障害による精神障害を踏襲しており(不十分ですが)、神経診断学の結果を踏まえず、事故による外傷性脳損傷を否定する、あれか・これかの決め付けは、医学的に間違っていると思います。