エスプレッソの話 | The Milano Times

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ミラノから更新

日本でも長友選手が在籍するクラブとしてインテルの知名度は高くなったようですね。

 

世界的には同じミラノのクラブでも、本田選手の在籍するミランの方が知名度というかブランド力が高いようです。

 

どちらのクラブも世界的な有名クラブながら、ここ5年の成績だけでいえば、どちらも迷走中でかつての輝きを失っています。

 

クラブのオーナーが(両クラブとも)中国系となっているため、新体制、新組織で本格的に伝統的地位に復帰する意欲満々なのですが、なかなか勝てないのが現実。

 

それでも来季こそは(ダメなら来季こそは)と、地元のファンは応援しているところです。

 

さてインテルですが、今期も迷走が止まらず、とうとうクラブのワースト記録に並ぶ8試合連続勝ち星なしという事態に。

 

35年ぶりの快挙らしい。

 

ここ数年、長友選手、本田選手がミラノの両チームに所属していましたが、今期のオフで両選手とも放出されるだろうと報道されています。

 

ちょっと残念ですが、プロの世界は厳しいのであります。

 

おいらは長友選手には会ったことがあるけれど、本田選手には会ったことがありません。

 

そうしたら、我が家の次女が昨夜本田選手と会って写真も一緒に撮ってもらったらしい。

 

次回会うことがあれば、パパ用にサインももらっておいてくれと頼んでおきました。

 

さあ、移籍前に間に合うかどうか。

 

さて、イタリアのバール(フランス、スペイン、イギリスも)について、

“デイリー宝島社オンライン treasures(トレジャーズ)”のコラムに記事が出ています。

 

カフェの旅に出かけよう!(前編)[世界を旅するネコ 番外編なノダ!]

 

なんと若かりし日のヒロシの姿も掲載されています。考えてみればノロ(世界を旅するネコ)とも長い付き合いです。

 

まあ、ほとんど会うことはないんだけれど。

 

この記事には本場イタリアのエスプレッソはコーヒー飴であるという説が書かれています。

 

あえて否定はしませんが、ここでちょっとエスプレッソについて補足しておきます。

 

その昔、シリア、アラビア等でコーヒー豆を細かくして煮込んだような液体を薬として飲む習慣がありました。

 

まあ、カフェインが効けば元気になったような気がしたのは事実なんだと推測できます。

 

これがヨーロッパにも伝わり、やはり薬として飲まれていたようです。

 

その後、多分現在も伝わるトルコ式コーヒーのように、ローストして粉にしたコーヒー豆を小さい鍋に入れどろどろと煮込み、カップに移してその粉が底にたまった状態の上澄みの黒い液体部分だけ飲む文化がヨーロッパで普及しだすと、薬でなく嗜好品として飲まれるようになります。

 

そうすると次は、コーヒー豆をフィルターにかけて熱湯を通すことにより、底に溜まるどろどろのコーヒー豆がない状態の飲み物に進化します。

 

大体120年前、そのようにして飲まれていたコーヒーを、ミラノの発明家が常に沸騰しているボイラーを備え、すぐにコーヒー抽出できる機械を発明しました。すぐに出るのでエスプレッソ(エクスプレス)と呼ばれるようになります。

 

そして、今日でもイタリア製のエスプレッソマシーンで淹れるエスプレッソが世界でも最も洗練されたコーヒーの飲み方とされています。

 

そういう歴史的な文化基礎があるため、イタリア人はイタリアで飲むエスプレッソが世界一だと確信を持っています。

 

まあ、本家の作法に従って「これが一番おいしい」といわれる飲み方を継承しているのだから、当然と言えば当然な言い分ですよね。

 

エスプレッソマシーンの発明によりボイラー内の蒸気を利用して牛乳を温めることが出来るようになり、カプチーノ等もスタンダードに「すぐ飲める」メニューになり、イタリア式バールの文化が開花します。

 

このカプチーノの牛乳の温め方にもコツがあり、上手にカプチーノを淹れてくれるお店に当たると、同じ値段でも満足度はぐっと上がります。

 

この牛乳の温め方は、むしろマシーンでエスプレッソを淹れるよりも熟練した感覚が必要なため、イタリアでも常に当たりのお店に出会えるわけではありません。

 

まあ、日本でもめっちゃ美味しいアナゴのお寿司が食べられるお店もあれば、ほどほどのお店もあるのと同じだと考えてください。

 

おいらの知っているカプチーノが美味しいお店に日本から来た知人を連れて行く機会があれば、みんな「これホントにコーヒ―とミルクだけなの?」と、クリーミーな感じにびっくりします。

 

なんだかお前はイタリアのエスプレッソに肩入れし過ぎじゃないのかと疑う人がいるかもしれません。

 

実は縁があって、おいらもイタリア・メーカーのエスプレッソマシーンを小さい物(家庭用)から中くらい(ホテル用)、大きい物(バール用、自動販売機)と、色々とデザインして来たので、エスプレッソ愛は通常のイタリア人を凌ぐほどになっています。

 

ミラノ(まあ、他のイタリアの街にも)には、食事とかも出さないで、1日中カフェ(エスプレッソ)一本やりで営業しているバールというかトレファッツィオーネ(焙煎所)があります。

 

こういうお店にさっと立ち寄り、さっと注文してさっと飲んで出てくる数分が嬉しくなれば、必ずヤミツキになります。

 

物は試し、機会があればぜひイタリアでイタリア式にエスプレッソを頼んでみてください。やたらと濃いだけかと思いきや、そこには奥深く香り高い世界があなたを待っています。