パンミレ(第6章)2番目のゲスト様 | ミレディ strange novel

ミレディ strange novel

奇妙な小説を求めて・・・

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~パンドラプランナーのミレディです~
          (パンミレ)

●小説詳細一覧●

https://ameblo.jp/milady20230910/entry-12815900767.html
 

 

♪Step♪KARA(小説メイン)



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ミレディは、支配人室でPCを見ていた。

(紀香様、ピアニストを目指すみたいね。

お父様の会社を利用するのね。

紀香様には、これからも理想の世界で


楽しんで欲しいわ。

でも、紀香様はもう復讐はしないのかしら。


憎みべき人がいないから・・・。

いいえ、いるわ。


父親の順平さん・・・。

憎んではないけど、愛情もない・・・。

邪魔になればきっと・・・


順平さんも消すでしょうね。

紀香様ならやるわ・・・)



ミレディはPCを閉じた。

そして、窓から花園を眺めた。


(今日も雨ね・・・、晴れた日の

花園がとても綺麗なのに・・・。




あの日もたしか・・・、雨の日だったらしいわ・・・)


ミレディは、本棚から一冊の資料を取り出した。


(ミレディ・シャルロット・・・、欧州から日本に渡った

勇敢な女性・・・。


愛するガブリエルと日本に渡った・・・。

そして、キリシタンとして布教活動をしていた・・・。

ガブリエルとの間に娘ネイチェルを授かり、


貧しいながらも、幸せに暮らしていた・・・。

なのに・・・)


ミレディは、涙を流した。

(当時の権力者によって・・・。

夫ガブリエルが射殺された。


ガブリエルは、妻ミレディと

娘ネイチェルを庇った・・・。



ミレディは、娘ネイチェルと共に

ここ小田原にやって来た・・・

だけど、災難はまた続いた・・・)



ミレディは、資料を閉じ

本棚に戻した。


(今日は休みだわ・・・

皆もそれぞれ休みを満喫して

いるみたいだし・・・。

私もあとでアリスを誘って


昼食に行こうかしら・・・)



 

その頃、パンプラ見習いの沙紀と

事務員の美鈴は

一緒に喫茶店にいた。


「ねえ?沙紀ちゃんのお義母さんって

今も入院しているの?」

「そうだよ、身体が弱いから・・・」


「そうなんだ、大変だね」

「うん、でも私を大事に育てて


くれた人だからね」

「あ、そうか、里親なんだよね」

「うん、実の親よりずっと優しいよ。


血は繋がっていないけど、

心は繋がっているよ」


「素敵だね、心が繋がっていれば

それが実の親子だよ。


血縁なんて関係ないわ」


「美鈴ちゃんの両親は優しいの?」

「私の実父はわからないわ、


会った事ないから。

 

実母には、少しだけ育てれたわ。

 

その後は、叔父に育てられたから」

「そうなんだ、いろいろ複雑なんだね。

でも、その叔父さんは美鈴ちゃんに

優しいでしょう?」


「まあ、性格はおっとりしているけど、

私は大っ嫌いよ、あんな奴」


「え?嫌いなの?」

「ええ、あいつのせいで

私は実母と義理母の2人を


失ったわ」

「そうなんだ、そう言えば


美鈴ちゃんの実母は

元バイオリニストなんでしょ?」


「ええ、バイオリンが本当に

上手かったわ・・・、天才だった・・・」

「そうなんだ、凄いね、


だから美鈴ちゃんもバイオリンが

上手いんだね」


「うん・・・」

「どうしたの?美鈴ちゃん?」


「ううん、なんでもない。

ごめん、沙紀ちゃん。

私ちょっとトイレに行くね」


「うん」

美鈴はトイレに向かった。

そして、美鈴は洗面台の

鏡を見つめた。

美鈴は険しい表情になった。

(あいつ、貴之・・・

鹿川貴之・・・、あいつだけは

絶対に許さない・・・。

私の実母を殺し、そして優しかった


義理母まで殺した。

だから、絶対に許さない・・・。

いつか、必ず復讐してやる!


覚悟して!鹿川貴之!)

「ドン!」

美鈴は拳で洗面台を

強く叩いだ。







一方、パンプラの尚輝と

プログラマーの義武は

横浜市内のとある

レストランに来ていた。


 

「上手い!ここのステーキ

本当に上手い!


どうだ尚輝?ステーキ上手いだろう?」

「そうだな、肉が柔らかくて上手いな。


それにしても義武、お前よくこんな

レストラン知っているな?」


「大学時代の友人から教えて

貰ったんだよ。

それで時々来るんだよ」



そのとき、ウェイトレスが

料理を持って来た。

「お客様、お待たせしました。

サラダでございます」


「あ、ありがとう」

ウェイトレスはサラダを置いた。

「どうぞごゆっくり」

ウェイトレスはカウンターに

戻った。

尚輝と義武はウェイトレスを

ずっと見ていた。

「あのウェイトレスの子、

可愛いだろう?莉子ちゃんって


言うんだよ」

「義武、お前名前まで調べたのかよ」


「当たり前だろう、だって可愛いから。

それに、あのポニーテールの髪型と

ミニスカートもたまらないだろう。


足も綺麗だし。

まさに60年代~70年代のアメリカって


感じだろう」

「確かにそうだな、店内も当時のアメリカって

感じだな。


でも、若い客って俺達だけだな。

あとは中高年層の客だけだ」


「そりゃそうだろう、中高年にとって

オールディーズは青春だからな」




 

 

そのとき、店の奥から中年男性が

やって来た。


「莉子ちゃん、スープとライス頼む」

「はい、かしこまりました、店長」


中年男性は、暗い表情で

 

頭を抱えていた。


「尚輝、あの中年男性が

この店の店長らしいぞ」

「なんか暗そうな人だな」

「前の店長から店の経営を


任されたらしい。

前職はサラリーマンだったらしいぜ」


「そうなんだ、サラリーマンから

レストラン経営者か・・・」

「数年前に息子さんと


奥さんを亡くしたらしい。

それから娘と2人暮らしだそうだ。

でも、娘と上手くいかず


娘が家を出てからは、

1人暮らしらしいぞ、尚輝」


「義武、お前物知りだな。

まるで探偵みたいだぞ」


「ここの店は、中高年層が多く、

しかも訳アリの人が多いんだ。


ほら、あそこに老年男性がいるだろう?

 

あの人は羽田さんって言うんだ。

羽田さんは常連客で警備の仕事をしている。


かつて、ある女を好きになって結婚まで

考えていたが、お互いにやりたい事があり


結局結婚はしなかったそうだ。

羽田さんは、ミュージシャンに


なりたかったが、結局なれず

平凡なサラリーマンだった。


この店によく来るのは、昔好きだった

女と再会する為らしい・・・」

「へぇ~、そうなんだ・・・」


「あと、あそこに座っている中年女性も

この店の常連客だ。

 

あの人は若山さんって言うんだ。

ずっと無職で、老人ホームにいる母親の貯金と

 

年金を頼って生活している。

さらに独身で、今まで20年以上も婚活やっている

らしいが、結局いい人には恵まれなかった。


だから、いつも男の悪口を言っているんだ。

哀れなおばさんだよな」


「っていうか、そこまで詳しく解説が出来る

お前の方が凄いよ、義武」

「俺、意外と人間洞察好きだからな」



そのとき、ウェイトレスはサラダと

ライスを中年男性の席に持って来た。


「店長、お待たせしました。

サラダとライスです」

「ありがとう、莉子ちゃん」

「店長?大丈夫ですか?


顔色悪いですよ」

「うん・・・、心配かけてごめん。


莉子ちゃんには本当によく頑張って

くれているよ、ありがとう」


「そんな、私この店好きですから」

「そう言ってくれるとありがたい。

それと、英明君も本当によく


頑張ってくれているよ。

莉子ちゃんと英明君がいるから


この店は存在するようなものだ。

僕は店長として・・・、本当に駄目だ・・・」


「そんな事言わないでくださいよ、店長。

店長がいたから、このお店はここまで

やって来れたんです。


きっと、前の店長さんだって

今頃天国で喜んでいますよ」


「ああ、ニコラスさんか・・・。

そうだね、僕はニコラスさんに

頼まれて店長になったんだ。


もっと頑張らないとね」

「はい、頑張ってください。

私と英明も一緒に頑張りますので」


「ありがとう、莉子ちゃん」

「あ、それより店長?

店長は明日行くところがあるんですよね?」

「あ、そうだった、ある場所に行こうと


思っているんだ。

悪いけど、明日お店を頼むよ、莉子ちゃん」


「はい、お任せください」


ウェイトレスの莉子はカウンターに戻った。

(莉子ちゃん、本当に優しくていい子だ。

今時珍しいな。


今の若者は、俺の様な中年男を

白い目で見るのに・・・。

莉子ちゃんは優しい子だ。


以前同じウェイトレスとして働いていた

望ちゃんみたいだ。


望ちゃんも可愛く優しい子だった・・・。

今頃どうしているのかな?


きっと子供を授かりお母さんに

なっているだろうなぁ・・・)




そのとき、中年女性の若山が

店内に設置されている

ジュークボックスにお金を入れた。






♪オンリー・ユー♪プラターズ(効果音)

 




若山は席の戻り、

リクエストした曲を

目を閉じながら聞いていた。


「尚輝、あのおばさん、この曲が好きなんだ。

よくこの曲をリクエストするよ。

オンリーユー・・・

頭の中で理想の男を想像して


その男に恋しているんだ。

つまり現実逃避ってやつさ。

20年も婚活して男がいないからな。

本当にお気の毒だよ・・・」


「そうだな・・・、義武」






そして翌日。

レッドローズ・パンドラでは。


「尚輝君、今日午後から

男性のお客様が来店するわ。

貴方が担当してね。

沙紀ちゃんの研修は私がやるわ」


「はい、わかりました、ミレディさん」

(やった、久しぶりのパンプラの

仕事だ。

今までずっと沙紀ちゃんの


研修だったからな。

よし!頑張るぞ!」




尚輝のところに義武がやって来た。

「尚輝、今回のお客様はお前が

担当するのか?」

「ああ、今ミレディさんから


依頼があったよ」

「そうか、それじゃ俺がお客様の


理想の世界のデータを

WS言語に変換するよ」


「わかった、義武」




その時、レッドローズ・パンドラ付近に

1人の中年男性がいた。

(ここがネットに載っていた

理想の世界に行ける会社・・・。

レッドローズ・パンドラ・・・。


大きな庭がある・・・)




オフィスでは。

事務員の美鈴がPCで

中年男性の姿を見ていた。


(あ、お客様だわ・・・)


「尚輝さん、今日のお客様が

来店されました」


「わかった、ありがとう美鈴ちゃん」


尚輝はオフィスを出て

お客様を出迎えた。


 

 

「いらっしゃいませ、お客様。

ようこそレッドローズ・パンドラへ!」

「あ!はい・・・」


中年男性は深くお辞儀した。

そのとき、尚輝は中年男性を見て

驚いた。


「あ!貴方様は!?」

「え?」


(この男性?昨日義武と一緒に

横浜市内にあるレストランに

居た人・・・。

レストラン・オールディーズ・・・。

 

店長さん・・・。

この人が僕の担当のお客様・・・?)



その時、花園内にBGMが流れた。


♪The Rose♪ベット・ミドラー(効果音)

 

 

 

 

♪ウィンターマジック♪KARA(挿入曲)

 

 

 

Next time continue・・・
 

 

 

 

♪electric boy♪KARA(小説サブ)





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