軍事技術、兵器 の妄想と裏話 -4ページ目

軍事技術、兵器 の妄想と裏話

軍事技術と兵器についての現状と動向などについて 一般の女性にも分かりやす様に解説したいと思っています。
妄想の話しだけでなく カタログや写真、動画なども載せ理解しやすくしたいとも考えています。

湾岸戦争時のフランスがそうらしい。 

地上部隊には、対空ミサイルや対空機関砲の防空システムでカバーされる。
そのミサイルなどの配置のベストソリューションをシミュレーションで求めている。

先の戦闘爆撃機の地上攻撃でシミュレーションしていたのと逆バージョンだ。

防空部隊は、与えられた任務にしたがって
1 任務分析をして
2 敵の可能行動(E/C)を見積もり
3 我の採りうる行動(O/C)を列挙して
4 2項と3項の組み合わせでシミュレーションして最適解を求める


この4項目を過去の軍では、優秀な作戦参謀が、演劇のシナリオよろしく、作文で分析していた。
しかし、フランスは、湾岸戦争時には、コンピュータシミュレーションを使っていたらしい。
(ラテン人 恐るべしである)

(レーダー覆域図、火器のカバー領域図、被害見積もりと防空効果)

デジタル地図、レーダー覆域図、各火器のカバー領域図などは、コンピュータで計算するのは当たり前のようになっているが、
E/CとO/Cの組み合わせで さらに敵航空機の高度、速度などのパラメーターを変化させてシミュレーションをするのはコンピューターの威力だ。
min-max(被害最少(min)、効果最大(max))理論で最適解を求める。

フランス人は、イタリアと同様のラテン系。
酒を好み、時間にラフな、のんびりとしたイメージがあるが、こんな事を知ると頭の良い国民だと感心させられる。
民航機は、フライト前にオペレイションセンターで気象データをもらい、フライトプランを作成する。
B747以降では、コクピットにあるフライトコンピュータにそのフライトプランをインプットして飛行をコントロールしている。

オホーツクでソ連空軍に撃墜された大韓航空機は、このフライトコンピュータのインプットを間違えたためにコースをずれソ連領空に侵入してしまったと言われている。

同様に戦闘爆撃機で地上を攻撃する場合もこの方式が使える。
湾岸戦争時では、これをやっていたのは、フランスと米国のみだと フランス人は自慢していた。

戦闘機の場合どうするのか・・・

1 攻撃目標を設定する
2 それを防衛している対空システムの配置を仮定する。
3 侵入ルート、高度、速度等を設定する。
4 2項と3項の彼我の状況でコンピュータ上でシミュレーションを実施し、攻撃成果、自機の損傷率とうを見積もる。
5 パラメータを変化させて4項のシミュレーションを繰り返し、攻撃の最適解を求める。
6 5項で得られた攻撃の最適解のフライトデータをメモリーデバイス(USBメモリーなど)に保存する。
7 戦闘機に搭乗して コクピットにあるコンピュータにメモリを差し込みデータを入力する。
8 離陸してフライトコンピュータで自動操縦させて 目標に侵入する。
7 HUDに示された攻撃目標を確認したら、その後は手動でファイヤーボタンを押す。

このためには、事前に攻撃地域の詳細な地図情報が、必要になるのだが、
米軍はもちろんだが、フランスもその地域のデジタル地図データを偵察衛星から入手していたようだ。

実は、逆の立場の『地上で重要な施設を警護する防空部隊』も、同様なシミュレーションを行っている国もある。
旧帝国陸軍の優秀な将校は、関東軍に配置になった。
満州でソ連の動きに備えていた。
ご存知のように 戦争末期にソ連が不可侵条約を破棄して満州に侵攻を開始すると
満州を守っていた関東軍は、撤退しながらもソ連軍の侵攻を抑えようとした。

そんな状況で起こった笑い話だ。

軍の学校で優秀な成績を修めた参謀殿が、侵攻速度の速いソ連軍を待ち構えて 防衛するのに
満州平野でこんもりと盛り上がって向かい合う二か所の高台に部隊を配置して 門を成す二本の門柱のように防御部隊を配置してソ連軍の進撃を止めようとした。

旧日本軍の戦術では、交通路を制する重要な地形(緊要地形)は、獲保しないで通過するなど考えられなかった。
だが、部隊が多量で厚みのある(縦深が深い)、かつ、重厚に装甲された部隊(機械化装甲部隊)のソ連地上軍は、攻撃速度を重視する機動作戦を得意としていたため
平原の小さな部隊など無視して あっという間に通過していった行った。

戦う気満々な優秀な参謀殿 その高台でソ連軍が足下を通過して行くのを見て一言

敵は、戦術を知らん!

唯我独尊の悲しい話でした。 

JSTARS : Joint Surveillance and Target Attack Radar System


米陸軍と空軍の共同プロジェクで開発された「監視と攻撃を統合したレーダーシステム」
機能は、航空機に搭載されたサイドルッキングレーダ―で監視し、目標を捕捉し、戦闘部隊を指揮統制する。

機首下部にフェイズド・アレイ・アンテナが搭載されている。
飛行中にこのアンテナを通じて得られたデータを処理して一枚の大きなレーダー図を作成する。
周辺の空軍と陸軍のデータリンクと遠隔地にある軍事分析センターからのデータを統合して監視地域の状況図を作成している。

上図は、実際にサイドルッキングレーダーで捉えた地上の図だ。
分解能が数mと高いので地図の様な図が得られる。


実戦配備は1996年9月だが、開発段階であった1991年の湾岸戦争に急きょ参加している。成果は、目覚ましいものがあった。

航空優勢も持たないイラク軍に対して
米軍は、航空優勢も持っている、かつ、史上初めてJSTARSを投入しているので上の図の様に戦場の様子をリアルタイムで見ている。
目が見えない暴れん坊(イラク軍)を重武装した警官(米軍)が取り囲んで叩きのめしている様なものだっただろう。

上の写真は、まさに湾岸戦争のときのレーダーで得られた図である。
フェイズド・アレイ・レーダーは、非常に細かく目標を捉えることができる。
したがって 得られたデータは、ご覧のように地図のようであり、そこにある移動物体、すなわち航空機とか車両は、ドップラー効果で移動中の目標として捕捉できる。

移動目標だけを表示したのが、下図である。


地図の上に赤い輝点として道路上にある車両が表示されている。

戦場では、敵味方、周辺に誰がどこにいるか分かっていることがまれであるが、
湾岸戦争時の米軍は、この様に詳細にリアルタイムで戦場の状況をつかんでいた。

イラクの部隊の動き、車両の流れなど 米軍は、山の上から見下ろしていたように見えていた。

こうなると、迂回、包囲、奇襲など各種戦術行動も思いのままであったろう。