ケーキの切れない非行少年たち | 地球人なりきりスーツ

地球人なりきりスーツ

火星人である、うちの家族の通訳をしながら
地球人なりきりスーツを開発しつつ
小説やエッセイを書いています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケーキの切れない非行少年たち

宮口幸治

 

いじめ、性犯罪、殺人、児童虐待

その背後にあるものは認知のゆがみだ!と表紙に

書かれており、まるで幼児がやったような非行少年たちが

ケーキを三等分したつもりの図が描かれている。

 

内容は精神科医が受刑者たちをケアした内容が詳細に

紹介されており、そこには極めてショッキングな事実が

展開されている。

 

実はかねてから、受刑者やその家族の

発達凸凹当事者たちから、発達凸凹当事者は

かなりの数がいると聞いてはいた。

 

だが、筆者の長年の医療刑務所の臨床経験から、受刑者の

9割は、発達や知的障がいの当事者であると断言している。

 

だから実際に刑の執行が必要なのは1割程度との見立てだ。

 

残りの発達・知的障がいの当事者は刑期執行の前に治療や

教育などのケアが必要であると説かれている。

 

これは大変な問題だ。

 

また『認知のゆがみ』とは、目の前で起こっている事実を

正しく受けとめることができないということ。

 

ケーキを等分するには小学校高学年くらいの知性と指先の

器用さがあれば十分できることであろう。

 

だが表紙の図のようになってしまうということは、

ケーキを同じ大きさに分けて切るとい意味が、まったく

理解できていないということ。

 

だから犯罪を犯した少年たちは、自分が行ったことを

正しく認識できていない。

 

よって適正に反省ができない。

 

つまり、そういう認知力の不足している人にいきなり

留置所に入れて反省を促しても効果がないばかりか、

むしろ逆効果で有害ですらある。

 

凶悪な犯罪やキレると手に負えない少年たちの多くは

実際に面接すると、大人しくて明るく素直な印象の者が

多いらしい。

 

問題の解決は教育にある。

 

1日5分の認知機能アップのトレーニングを行うことで国内の犯罪を減らすことができると訴えている。