☆                                    ☆

 

《蝶の道行(ちょうのみちゆき)》

 

1784年1月大坂中(なか)の芝居初演の『傾城倭荘子(けいせいやまとそうじ)』の道行景事(けいごと)としてつくられたもの。

 

歌舞伎(かぶき)舞踊。

義太夫節(ぎだゆうぶし)。

並木五瓶(なみきごへい)作。

 

原作は三十三間堂通し矢の話に、京の岡崎に起きた妹殺しの事件を加えて脚色した六幕の時代物で、恋仲の助国(すけくに)と小槇(こまき)が北畠・桃井両家の御家騒動の犠牲となり、主家の若殿や息女の身替わりとなって死ぬが、2人は花に飛び交う蝶をうらやんでいたので、死後、その蝶になって秋の花園で道行をするという筋(すじ)。

 

明治以後絶えていたのを、昭和31年(1956年)に歌舞伎に取り上げられ、その後、新しい振付け・演出も考えられて、一般の舞踊会でも多く上演されている。

 

 

『蝶の道行』 あらすじ

 

ここは様々な季節の花が咲き乱れる不思議な野辺。

夢か現かも知れぬ世界。

 

そこへ仲睦まじい番の蝶が飛んで来て、花々と群れ遊び始める。

 

やがて蝶は人間に姿を変えた。

男の名は佐国(すけくに)。

大和(奈良県)に住む、花を愛する青年だ。

 

女の方は小槇。

佐国と心を同じくし、花を愛し蝶に憧れた娘。

 

二人は恋人同士なのだが、何故か蝶となり、夢うつつの世界へ迷い込んでしまったのだ。

 

何故そんなことになったのか?

それは彼らが相手を恋慕い死んでしまったからである。

 

仏教では愛に迷って命を落とした者は畜生(動物)に生まれ変わる運命なのだ。

 

そしてここは、この世からあの世へ向かう途中の野辺なのである。

 

いつか一緒に田を耕して暮らせたらと、ささやかな夢を見て。

 

来世でも結ばれようと誓い合った若い二人が死んだ理由は何だったのか。

 

それではここで冥土までの道すがら、二人の出会いから今日までを簡単に振り返ってみることに致しましょう。

 

祭りの日のことだった。

 

小槇の振袖が佐国の刀に引っかかったのが馴初めで、小槇から佐国へ人づてに手紙を渡した。

 

佐国も小槇をひたすらに想っていたので、すぐに返事を書いたのだった

 

そして程なく二人は結ばれた。

 

さて、ここまで幸せな二人だったが、お互いの家族が「お家騒動(政権争い)」に巻き込まれたせいで、状況が一変してしまう。

 

佐国の父と小槇の兄は同じ主君に仕えていたのだが、ある事件により主家は断絶。

二人の家も意見が食い違い絶縁状態に。

 

当然、二人も離れ離れになったのだが、妹と佐国の仲を知っていた小槇を不憫に思い、佐国の父のもとへ出向いて妹を佐国の嫁にして欲しいと願い出る。

 

しかし佐国の父は、貧しくて不調法な小槇を大事な倅の嫁には出来ないと言ってその願いを拒む。

それを知った小槇は、佐国と一緒になれないのなら、いっそ殺して、と兄にすがりつくのだった。

 

あまりにも唐突な小槇の爆弾発言だが、それには訳があった。

実は小槇の兄は敵に命を狙われているかつての主君とその恋人を匿っているのだが、その恋人の顔が小槇そっくりなのだ。

 

そこで小槇は、自分の首を身代わりにして追っ手の目をごまかすのに使って、と言ったのである。

 

後に残された佐国は小槇の後を追って自害した。

 

極端な展開が続くが、この流れは歌舞伎ではわりと「よくあること」。

 

息子の死を目の当たりにして、佐国の父は自らの行動を後悔した。

 

二人の気持ちを無駄にしないためにも小槇の兄と協力して旧主を救うと誓い、せめてもの償いにと二人の首を並べて祝言の真似事をする。

 

生前の楽しい思い出に浸っていた二人も丁度良く地獄に到着する。

 

着いて早々、地獄の炎に身を焼かれる二人。

生前に悪いことをしたら償わなくてはならない。

 

人助けのために死んだとは言え、仏教では愛に迷って命を落とした者は畜生(動物)に生まれ変わる運命が待ち構えている。

 

蝶の姿に戻りながらも相手を求めて懸命に羽ばたく二人だったがやがて折り重なるようにして息絶えるのだった。

 

 

 

━ 蝶の道行 コトバンク 一部抜粋 ━

━ 蝶の道行 かぶきの攻略本 一部抜粋 ━

 

 

 

秋になったと思ったら、早くも初雪のニュースが。

 

日本の秋は今年も駆け足状態のようである。

 

気温の寒暖差が激しいので体調を万全に保つことも一苦労である。

 

暖かい服装だけでなく、温かい食べ物や飲み物で体の内側からあたためて、皆様にもこれからの季節を乗り越えていって頂ければと切に願うばかりである。

 

 

さて、前回の『胡蝶の夢』 に引き続き、今回もテーマは『蝶』

 

いつだったか、子供時代に日本舞踊を習っていたことをブログに記したことがあるが、その年数が通算10年程だったので、踊りたくても踊ることのなかった演目が私にはかなりある。

 

今さら再度習って舞台に立つこともないのだが、踊りたくても踊ることのなかった演目には特別な思い入れがある。

 

そんな特別な思い入れがある演目の一つが『蝶の道行』なのである。

 

『蝶の道行』略して『蝶道(ちょうみち)』

 

今でもテレビや書籍、YouTubeなどで見かけるとついつい手を止めて見てしまう。

 

そして野辺に舞う二頭の蝶を見かけても、瞬時に『蝶道』を思い浮かべてしまう癖がある。

 

 

実は前回のブログでは『胡蝶の夢』をテーマとして書いたのだが、その動機となったのは散歩中に見かけて動画を撮った二頭の蝶の舞い遊ぶ様子である。

 

二頭の蝶を撮りながら、これが正真正銘の『蝶道』だわと思った。

 

そこで蝶に関することわざというか故事成語と言ってすぐに頭に過るのは『胡蝶の夢』ということで、急ぎ調べて書き進めたのであった。

 

すると『蝶の道行』は江戸時代当時に現実に起きた事件だけではなく、『胡蝶の夢』も下敷きにしていることを知ることが出来た。

 

『蝶の道行』が収録されている芝居の題名に注目して欲しい。

 

『傾城倭荘子(けいせいやまとそうじ)』

 

「荘子(そうじ)」とは中国に実在した思想家・荘子(そうし)のこと。

 

荘子の有名な説話『胡蝶の夢』のイメージ、「夢の中で蝶になった。目を覚ましたら荘子だった。これは人間の荘子が蝶の夢を見ていたのか?それとも私は本当は蝶で、人間の荘子になった夢を見ているのか?私にはわからないが、どちらにせよ私は私だ」という世界観を利用したのが『傾城倭荘子』というわけである。

 

 

道理で『蝶の道行』を見ると必然的に『胡蝶の夢』を思い浮かべてしまったのだ。

 

 

同様に、連想ゲームではないが蝶に関する、しかも、『胡蝶の夢』のような『蝶の道行』のような世界観の歌がマイケルの楽曲にもあったことが心に引っ掛かる。

 

それは2001年マイケルが自ら手掛けた最後のスタジオ・アルバム『Invincible』に収録された「Butterflies

 

Butterfly という単数ではなくButterflies という複数であることも、注目に値するかもしれない。

 

ただし作詞作曲はアンドレ・ハリスとマーシャ・アンブロージアスである。

 

この楽曲はイングランド出身のデュオ、フロエトリーの曲だった。

 

マイケルの友人でレコード会社重役のジョン・マクレインが上記のフロエトリーをマイケルに紹介して、いくつかデモを聴いた後にマイケルが選んだのが「Butterflies」だった。

 

「ここの音はこれでいいかな?どう思う?これで、君たちの狙いどおりになる?」

 

マイケルはスタジオでアンブロージアスとの共同作業中、作詞作曲者たちの意見を何度も丁寧に聞いて仕上げたそうだ。

 

 

マイケル版の『蝶の道行』とも言える「Butterflies」

 

秋の夜長にお薦めの楽曲である。

 

 

 

二頭の蝶が戯れているのを確認して頂けると嬉しいです。

ダウンダウンダウン

 

 
 

 

 

 

 
 
 

 

現在「獅子吼の女」として、yoor オンラインサロンにおいて『マイケル・ジャクソン ラボ』を開設させて頂いている。

 

インタビュー記事を一読していただけると嬉しい限りだ。

 

オンラインサロンでは、マイケルの作品解説を通してマイケルの隠された芸道論(修行法・心得・演技論・演出論・歴史・美学)を明かしていく。

 

現在は「ビハインド・ザ・マスク」の解説をちょっとお休みして、「マイケルと学ぶ美術のいろは」に取り組んでいる。

 

美術を鑑賞するときに、基礎知識があると、あら不思議、秘められたもしくは封印された画家のメッセージが次々と浮かび上がってくる。

 

実はこの知識があるのとないのとでは雲泥の差。

 

マイケルの様々な作品を題材に、マイケルの真意を汲み取っていく。

 

きっとマイケルの構築した世界の美しさに圧倒されるはずです。

 

そんな新たな世界に誘い、日々の生活に潤いを授けてくれる、世界一いや宇宙一のエンターテイナーのマイケルにまずは感謝をしたい。

 

誰よりも優しくて誠実なマイケル、本当にありがとう。

 

※12月末よりX(旧Twitter)のアカウントがなくても新規登録やログインできるようになりました。

つまり、メールアドレス・Google・Facebookでも新規登録やログインができるそうです。

オンラインサロンに是非遊びにいらしてくださいね。

 

 

 

 

 

Thank you for the upload.

 

 

宝石紫宝石赤宝石白宝石ブルー宝石緑宝石紫宝石赤宝石白宝石ブルー宝石緑

 

 

ベルベルベルMJセミナー(旧MOUSA お話会)ベルベルベル

 

11月5日(日)

 

14時から17時

 

「マイケルと仏教と」

 

参加費 ドリンク代金込み

10000円(大人)

 5000円(子供)

 

参加者が6人以上の場合は

参加費を割引させて頂きます

 

会場:銀座某所

 

お申し込みお問い合わせは

MOUSA の会(gmail)

あるいは

ブログのメッセージ宛に

開催日前日迄

 

mousa20200829☆gmail.com

(☆印を@に変えてください)

 

 

☆                                    ☆