「君と僕はアカシックで同じ番号だよ」微笑みを浮かべながら、マイケルはサッチー亀井氏にそう声をかけたそうだ。
マイケルのいう「アカシック」とは、「アカシックレコード」のことで、元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念のことである。
アーカーシャ(虚空)あるいはアストラル光に過去のあらゆる出来事の痕跡が永久に刻み込まれているという考えに基づいていると解説されている。
「アカシックレコード」は、神智学協会の創始者ヘレナ・P・ブラヴァッキーが使ったのが最初とも、同会に所属し人智学を提唱したルドルフ・シュタイナーが作った言葉とも伝えられている。
インドの聖者アガスティアが残した、個人の運命に対する予言が書かれている「アガスティアの葉」というものがある。
あくまでも私見であるが、これはもしかしたら「アカシックレコード」の一部を抜き出したものかも知れない。
さて、これとは別に「エンジェルナンバー」と呼ばれる数字が、個人の日常生活へのアドバイスとして、2000年以降もてはやされている。
カリフォルニア出身の作家であり、ミディアム(霊能者)でもある、エンジェルセラピーの創始者として活躍したドリーン・バーチュー女史によって、「エンジェルナンバー」は世間に広まった。
数字に神秘的なパワーや意味が込められているという考え方自体は、決して新しいものではない。
以前にも、少し取り上げたが、ニューヨークで布教活動を展開しているファイブ・パーセンターズの【最高数学】においては、1から9までの数字と0に、独自の概念を付与し、信者に提示されている。
冒頭のマイケルの言葉も1990年代のものであるし、有名な「ゲマトリア数秘術」などはカバラの一部と古くからみなされている。
では何故、数字に何かしらかの意味を見出すといった古典的な「エンジェルナンバー」が世界的に広まり、人気を博したのか?
「エンジェル」そのものの不動の人気に便乗したのと、創始者のドリーン・バーチュー女史の天使を彷彿させる容姿に、その答えは見つかるだろう。
ただし、スピリチュアル好きな方は、もう既にご存知のことと思うが、ドリーン・バーチュー女史は2017年に、エンジェルセラピーを卒業なさったそうである。
現在では占いやオラクルカードを手放し、教会に通い、洗礼と同時に自ら構築した天使学そのものをばっさり切り捨てられたそうだ。
キリスト教の敬虔な信者として、これからの人生を歩んで行かれるという。
その流れでいくと、「エンジェルナンバー」もそのうち廃れてしまうのかも知れない。
が、また名称を変えた新たな数秘術が、いずれ流行するのかも知れない。
ところで、マイケル・ジャクソンとドリーン・バーチュー、プリンスにマドンナ、東京タワー、アルバム「Dangerous」、「悦楽の園」、サグラダ・ファミリアの魔法陣、太陰暦、ネブラ・ディスク、しし座流星群、イエス・キリスト、観音菩薩、弔上(とむらいあ)げ、ヨハネ・パウロ1世、国際連合の旗の地球、長嶋茂雄監督、推古天皇、フリーメイソン、NASA は、ある共通の数字を背負っている。
この数字の意味を「エンジェルナンバー」で調べようとすると、ふわっとした答えしか見つけることができない。
因みに「エンジェルナンバー」の言葉は、以下のものである。
『あなたの周りをアセンデッドマスターたちが取り囲んで、支えてくれています。あなたの祈りに応え、あなたに必要な導きを与えてくれています』
アセンデッドマスターとは、過去に人間として地球で生活し、時代や文化、宗教を超えて名を馳せた偉人や聖人のことと説明されている。
しかし、「エンジェルナンバー」としてではなく、数字そのものに注目すると、何やら危険な意味合いが浮かび上がってくるような……。
その魔数とは、11番目の半素数であり、13番目の回文数。
半素数とは、数学において、2つの素数の積で表される自然数(合成数)のことであり、回文数とは、14641のように逆から数字を並べても同じ数になるもののことである。
神秘学では人生の成功を祈願し、大事の成就のために、誕生日やイベント、人生や歴史の重要の節目に用いる数字。
十の位を反転させ、一の位と繋げると∞(無限)となる。
その聖なる魔数とは、「33」である。
猛暑が続いているので、少なからず怖い情報で背筋をぞくっとさせるのも、ナチュラルな涼みとして一興(いっきょう)であろうか。
それとも、否か……。
Thank you for the upload.