夢という言葉には叶うという続きと、覚めるという続きがあります。どうやら私の夢は覚める時を迎えつつあります。
何度か「社会人がワーホリに行く」ことについての心構えを問われることがありました。
やっぱり、仕事を持つ人が1年~日本をあけるとなると、年齢的にも勇気がいることもありますよね。私も随分葛藤がありました。そこで、生の意見として残しておきたいと思います。
長いです。
―大卒後、社会人経験4年で退職
私は、病院スタッフとして働いていました。必死に頑張って取得した国家資格を使った仕事でした。有給はもらえず、休日出勤も多く、やりがいも感じられず、何のために働いているのかわからない毎日。一生のうちで仕事をしている時間のほうが長くなるのに、その仕事にやりがいを見いだせない。しかし、口を開けば愚痴ばかりの職場環境、奨学金の返済、加齢の進んでいく家族を抱え、毎日苦しみながら暮らしていました。このまま定年退職までここで過ごすのか。口をそろえて皆、「大学へ4年も行って、取得した資格を使わないわけにはいかない」。私もそう思っていました。
―学生の頃からの遠い夢
うちは裕福な家庭ではないので、学生留学なんて夢の又夢の話です。口にしたこともないと思います。ただ、小学生の頃から英語への憧れは強く、いつか英会話が出来ることを夢い見ていました。そこで出会ったのが、アメリカの帰国子女です。「なんで行けないの?」「行けばいいじゃん」と言われ、なんだこの人は!各家庭には事情があるのに、そんな簡単には行けないんだよ!とその時は何故か怒っていました。それから、ふとした時に、ずっと海外について考えるようになりました。ワーキングホリデーというプログラムを知った時、「働きながら海外に住めるなんて、私でも行けるかもしれない!!」と喜びました。そして気が付きました。やりたいことを考える前に、「やるべきこと」や「やらなければならない」ことを考えていたんだなと。「海外で生活する」ことのデメリットを考えて、ブレーキをかけていたのは自分でした。心底行こうと思えば、やろうと思えば、どうにかして出来るかもしれない。
―なぜ行かなければならないのか
ワーホリへ1年行くには、どうしても仕事を辞めなければなりません。私は辞めたくて仕方がなかったからいいんです。ただ、理想は寿退社でした。現実は心も体もボロボロ、時間もない、無駄に高くなるプライドや理想もあってか、なかなかいいご縁には巡り合えませんでした。このままでは、自分も好きになれないし、こんな自分を好きになってくれる人もいないかもしれない・・・環境を変えるきっかけを探していたんだと思います。
そんな時、また帰国子女さんと話す機会がありました。以前は、なんで行かないのかと言っていたくせに(笑)、「行って何がしたいの?」「何をするために行くの?」とこうきました。私はとくに取得したい資格やコースなどはなかったので、「海外で英語を使って生活をしてみたい。」たったそれだけでした。まだ国も決めていなかったので、ニュージーランドのファームで羊の毛を刈りたいな~と言うと、「千葉のパークで出来るじゃん。」とか、私の言うことは例えばネイティヴスピーカーと会話するとか、別に海外でなくても日本で出来ることであると気が付かされました。いや、もちろん同じではないです。しかし、明確な目標がないことが分かりました。私は、今の環境からどうしても離れたかったようです。
―帰国後の進路
日本の社会では「ワーキングホリデーで1年海外で生活していました。」と言っても風当たりは冷たいでしょう。「何してきたの?」これがまぁ当然の反応でしょう。私が人事担当でも質問すると思います。履歴書上の経験年数というのはやはり大切なので、最低3年、理想は5年はほしいところでした。しかし、家族のことや結婚出産再就職、金銭面など自分の人生設計を考えたうえで、早ければ早いことにこしたことはないなという結論に至り、仕事を辞めることにしました。
帰国後の進路はまだ考えていません。好きなことが仕事になればいいなと思う反面、好きなことがなんだか分からなかったので、この1年をかけてゆっくり考えてみるのもいいなと思い始めたのです。
―何を優先するか
失業して出国するまでのしばらくの間、やはり不安もありました。しかし、それ以上の期待と夢が叶う事への喜びに満ちていました。友達には海外生活を送る人はいなかったので、「仕事を辞めるのはもったいない」という視線も感じました。いい会社に長く務めて、収入の良い男性と結婚することが周りの理想のような気がしました。仕事柄、年配の方と接する機会がとても多かったのですが、良くも悪くも「若さへの嫉妬」のようなものはよく受けました。「若いから出来るんだ」といったようなことです。若さも大きいことではあります。しかし、年齢に関係なく夢を実現している人も多くいます。その時にやるかやらないか、要は自分次第です。誰でもなく自分の人生ですから。一歩踏み出した人にしか見えない景色があるとするなら見てみたい。冒険をしなければいけないわけでもありません。したければすればいい、それだけでした。
―実際、海外で過ごしてみて
当初はイギリスに行きたかったのですが、VISAに落選し、カナダを選びました。数年前の自分に報告できるなら胸を張って、私やったよ!と言いたいです。日本で過ごす数年より、貴重な1年を過ごしている自信があります。百聞は一見に如かずとはまさにこのことで、もちろんカルチャーショックもあるし楽しいことばかりではないかもしれません。でも、人生ってそんなものですよね。今まで「普通」だったことが、「そういう考え方」もあるよね、になったような気がします。帰国時にイギリスに寄って帰るために選んだHalifaxですが、結局イギリスには今回は行かないことになったし、何が起こるか分かりませんけど。結論としては、間違いなく来てよかったです。たとえ就職に困ったとしても、悔やむことはないと思います。アドバイスとしては、「何のために来たか」を明確にしておくことです。1つでもぶれない何かがあるといいです。私の場合は「海外で暮らす」ことと「英語を使って会話する」ことでした。
―最後に
いくらしたいことをしたくても、現実的には難しいこともあります。こっちに移住という選択肢もあるなら、また視野は広がったでしょうけど、残念ながら私は出来ません。今回の旅には終わりがあります。出来ないことや出来ることには少なからず周りの人間環境も影響してきます。応援してくれる大切な家族や友人、時には嫌な人でさえスパイスとして、関わってきたすべての人々に感謝しています。健康に生きているからこそ今ここにいられるんです。
行かないで後悔するくらいなら行って見て経験して後悔するほうがよっぽどいい。行くのも行かないのも自分の覚悟次第。あとはそれを選んだ自分を信じること。今はそう思います。
ここまでもし読んでくださったかたがいらっしゃいましたら、お付き合いありがとうございました(*^_^*)
これからワーホリに行かれるみなさん。Have fun!!and Good luck!!
やっぱり、仕事を持つ人が1年~日本をあけるとなると、年齢的にも勇気がいることもありますよね。私も随分葛藤がありました。そこで、生の意見として残しておきたいと思います。
長いです。
―大卒後、社会人経験4年で退職
私は、病院スタッフとして働いていました。必死に頑張って取得した国家資格を使った仕事でした。有給はもらえず、休日出勤も多く、やりがいも感じられず、何のために働いているのかわからない毎日。一生のうちで仕事をしている時間のほうが長くなるのに、その仕事にやりがいを見いだせない。しかし、口を開けば愚痴ばかりの職場環境、奨学金の返済、加齢の進んでいく家族を抱え、毎日苦しみながら暮らしていました。このまま定年退職までここで過ごすのか。口をそろえて皆、「大学へ4年も行って、取得した資格を使わないわけにはいかない」。私もそう思っていました。
―学生の頃からの遠い夢
うちは裕福な家庭ではないので、学生留学なんて夢の又夢の話です。口にしたこともないと思います。ただ、小学生の頃から英語への憧れは強く、いつか英会話が出来ることを夢い見ていました。そこで出会ったのが、アメリカの帰国子女です。「なんで行けないの?」「行けばいいじゃん」と言われ、なんだこの人は!各家庭には事情があるのに、そんな簡単には行けないんだよ!とその時は何故か怒っていました。それから、ふとした時に、ずっと海外について考えるようになりました。ワーキングホリデーというプログラムを知った時、「働きながら海外に住めるなんて、私でも行けるかもしれない!!」と喜びました。そして気が付きました。やりたいことを考える前に、「やるべきこと」や「やらなければならない」ことを考えていたんだなと。「海外で生活する」ことのデメリットを考えて、ブレーキをかけていたのは自分でした。心底行こうと思えば、やろうと思えば、どうにかして出来るかもしれない。
―なぜ行かなければならないのか
ワーホリへ1年行くには、どうしても仕事を辞めなければなりません。私は辞めたくて仕方がなかったからいいんです。ただ、理想は寿退社でした。現実は心も体もボロボロ、時間もない、無駄に高くなるプライドや理想もあってか、なかなかいいご縁には巡り合えませんでした。このままでは、自分も好きになれないし、こんな自分を好きになってくれる人もいないかもしれない・・・環境を変えるきっかけを探していたんだと思います。
そんな時、また帰国子女さんと話す機会がありました。以前は、なんで行かないのかと言っていたくせに(笑)、「行って何がしたいの?」「何をするために行くの?」とこうきました。私はとくに取得したい資格やコースなどはなかったので、「海外で英語を使って生活をしてみたい。」たったそれだけでした。まだ国も決めていなかったので、ニュージーランドのファームで羊の毛を刈りたいな~と言うと、「千葉のパークで出来るじゃん。」とか、私の言うことは例えばネイティヴスピーカーと会話するとか、別に海外でなくても日本で出来ることであると気が付かされました。いや、もちろん同じではないです。しかし、明確な目標がないことが分かりました。私は、今の環境からどうしても離れたかったようです。
―帰国後の進路
日本の社会では「ワーキングホリデーで1年海外で生活していました。」と言っても風当たりは冷たいでしょう。「何してきたの?」これがまぁ当然の反応でしょう。私が人事担当でも質問すると思います。履歴書上の経験年数というのはやはり大切なので、最低3年、理想は5年はほしいところでした。しかし、家族のことや結婚出産再就職、金銭面など自分の人生設計を考えたうえで、早ければ早いことにこしたことはないなという結論に至り、仕事を辞めることにしました。
帰国後の進路はまだ考えていません。好きなことが仕事になればいいなと思う反面、好きなことがなんだか分からなかったので、この1年をかけてゆっくり考えてみるのもいいなと思い始めたのです。
―何を優先するか
失業して出国するまでのしばらくの間、やはり不安もありました。しかし、それ以上の期待と夢が叶う事への喜びに満ちていました。友達には海外生活を送る人はいなかったので、「仕事を辞めるのはもったいない」という視線も感じました。いい会社に長く務めて、収入の良い男性と結婚することが周りの理想のような気がしました。仕事柄、年配の方と接する機会がとても多かったのですが、良くも悪くも「若さへの嫉妬」のようなものはよく受けました。「若いから出来るんだ」といったようなことです。若さも大きいことではあります。しかし、年齢に関係なく夢を実現している人も多くいます。その時にやるかやらないか、要は自分次第です。誰でもなく自分の人生ですから。一歩踏み出した人にしか見えない景色があるとするなら見てみたい。冒険をしなければいけないわけでもありません。したければすればいい、それだけでした。
―実際、海外で過ごしてみて
当初はイギリスに行きたかったのですが、VISAに落選し、カナダを選びました。数年前の自分に報告できるなら胸を張って、私やったよ!と言いたいです。日本で過ごす数年より、貴重な1年を過ごしている自信があります。百聞は一見に如かずとはまさにこのことで、もちろんカルチャーショックもあるし楽しいことばかりではないかもしれません。でも、人生ってそんなものですよね。今まで「普通」だったことが、「そういう考え方」もあるよね、になったような気がします。帰国時にイギリスに寄って帰るために選んだHalifaxですが、結局イギリスには今回は行かないことになったし、何が起こるか分かりませんけど。結論としては、間違いなく来てよかったです。たとえ就職に困ったとしても、悔やむことはないと思います。アドバイスとしては、「何のために来たか」を明確にしておくことです。1つでもぶれない何かがあるといいです。私の場合は「海外で暮らす」ことと「英語を使って会話する」ことでした。
―最後に
いくらしたいことをしたくても、現実的には難しいこともあります。こっちに移住という選択肢もあるなら、また視野は広がったでしょうけど、残念ながら私は出来ません。今回の旅には終わりがあります。出来ないことや出来ることには少なからず周りの人間環境も影響してきます。応援してくれる大切な家族や友人、時には嫌な人でさえスパイスとして、関わってきたすべての人々に感謝しています。健康に生きているからこそ今ここにいられるんです。
行かないで後悔するくらいなら行って見て経験して後悔するほうがよっぽどいい。行くのも行かないのも自分の覚悟次第。あとはそれを選んだ自分を信じること。今はそう思います。
ここまでもし読んでくださったかたがいらっしゃいましたら、お付き合いありがとうございました(*^_^*)
これからワーホリに行かれるみなさん。Have fun!!and Good luck!!

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