国会では連日TPP関連の議論がなされていますが…


そこで政府からよく出てくる言葉が「攻める農業」です!




農家が高付加価値の商品作物を作り、


それを海外に輸出することで儲けましょう!という…


一見説得力のあるロジックをさかんに提唱しています!


この攻める農業について、


世界大戦前の白人がアジアに対して植民地化してプランテーションを作った事例になぞらえて検証してみましょう!  


プランテーションは農業の商業化政策の一貫であり、


儲ける農業に特化するやり方です。


例えばマレーシアでは小麦の生産地を潰してゴムの生産をさせ、


それをアメリカデトロイトの自動車産業に売って大儲けをしましたし…


インドネシアではコメの生産地を潰して砂糖の生産をさせ、


それを輸出して大儲けしました。


商売として価値の高いものだけを作り、


植民地で働かされている農民の食料生産を削っている訳ですから、


何らかの原因で、たとえそれが小規模であっても、


飢饉が生じれば多くの農民が餓死してしまうという悲惨な状態になってしまいました。


「攻める農業」の対象となるものは通常、高付加価値の果物や特殊な野菜などであって、


ひとたび日本に食料危機が襲来したときに日本人の命と健康を守るものではありません。


攻める農業という甘い罠は、


日本人の食の安全保障とは乖離していると言わざるを得ないです。


食料自給率が先進国最低の39%しかない日本にとって第1にやらねばならないことは、


攻める農業政策中心の考え方ではなく、


自給力アップという、「強い農業」政策なのではないでしょうか?


強い農業とは儲かれば何でもありという企業的考え方ではなく、


「どんなことがあっても日本人を飢えさせない!」という…


食の安全保障的な考え方に基づくものになります!


日本の外に向けた商業農産物の提供ではなく、


日本の内側に向けた…


コメや大豆などの必須穀物などの提供であり…


日本人が生きていくのに必要な本来的な食の需要を満たすもことなのです!


TPPは食に対しても徹底した貿易自由化を求めていくのであって…


自由競争の土俵に引きずり出すことが前提となります!


どこまで政府が規制可能できるのかどうかが問われますが…


TPP導入に勘案して種々の法律改正をしている状況を見れば…


自らの手によってグローバル化を推進しているばかりです!


このまま2000ページ以上もの英文の和訳が出ないまま、


英文を訳せないマジョリティの国民をそのままにしている状態で…


表に出る言葉だけでしか判断できない私たちは…


海外からの怒涛のように押し寄せてくる投資家や大企業から


自分たちの主権を守っていけばよいのでしょうか?


少なくとも容易に批准されることだけはないように、


注意深く監視していく必要があると思います。