今からちょうど二週間前の事になります。
ノー天気な記事を書いている私には今から二週間後に何が起こるのか知る由もなかったのです。
この三日前、様子のおかしい愛猫のラクシュミをドクターの元へ連れていきました。
血液検査の結果腎臓が悪くなっているようでした。
腎臓は進行が早いよ、と言われましたが、もらった薬を飲ませるとたちまち症状が改善されたような様子でしたので安心していたのです。
猫の病気が発覚する以前から十一月五日から旅に出る予定でした。
薬を飲ませて様子が良かったので予定通り旅に出た私達はその間に猫の様態が悪くなる事など露とも考えませんでした。
旅から帰って見るとラクシュミの様子がおかしいのに気づきました。
でも最初はあまり深刻に考えておらず今思えば浅はかでした。
けれども二日目にはさすがにおかしいと考えるようになりました。
私達が帰ってきたのに人気のない作業場の椅子の上にうずくまっているばかりだったからです。
それによく見れば食事も出来ていないみたいでした。
三日目にドクターに診てもらいました が
その時にはもう駄目だろうといわれ
私達も覚悟を決めざるを得なかったのです。
旅に出るその日の朝まで普通に元気だったので
まさかこんな事になるなんて信じられません。
でも現実にはラクシュミとの否応なしの別れが待っていました。
旅から帰って七日間、ラクシュミとの濃厚な時間が過ぎ昨日の明け方に私の横で息を引き取りました。
最後の瞬間をしっかりと耳で聞き取りましたよ。
虫の知らせで目が覚めたのか分かりませんが、
ふと目覚めて傍らのラクシュミに触れるとまだ温かく微かに息が続いていました。
夜明け前の真っ暗な空間で耳を澄ますとラクシュミが息をするその小さな鼻息が聞こえます。
神経を研ぎ澄ませて猫の微かな息を聞いていると段々と呼吸が浅くなって来たのがわかりました。
もうすぐだな、と思っているといきなりパクっと空気を食べるかのような音が聞こえました。
それまでの微かな息から比べればそれはハッとするくらい大きな音でした。
数秒の間隔で七回、釣り上げられた魚が必死で息を吸おうとする様にパクッ、パクっと息を吸い、それから二秒ほど、短く声を上げもう一度パクっと一回息を吸ってそれから一切の呼吸が止まったのでした。
今は寂しさでいっぱいです☆