何を発見したかと言うと、また面白そうな本なのです。
これが出会いと言うものなのね。
掃除の後、テレビの前においてあった雑誌をパラリと開きました。
図書館から除籍になった雑誌をもらってきたのは、もう半年も前のことです。
その記事だって、もらってきた時に読んでいるはずなのです。
なのにその時には何の興味も持たなかったのですね。
不思議でしょう。
それが今日、いきなり
伊原昭さんという人の本なのですが、半世紀を費やして完成させた本だそうです。
色に関する本です。
『日本文学色彩用語集成』全5巻。
「『万葉集から』から江戸後期の『浮世風呂』まで、古典文学に登場する色の表現をカードに書き写し、分類した。中略それを基に、単なる色名辞典ではなく、その色が古典の中にどんな形で使われているかを綿密に拾い上げた。」
また伊原さんの述懐としてこんな言葉もありました。
「色を表す言葉は、その国が培ってきた文化の反映なのに、銀鼠や、鴇色など、豊かな日本の色名がどんどん忘れられとぃるのです。」
彼女の本によると、平安時代日本では300種類以上の色の名前があったそうです。
その色を作るのに、約10種類の顔料を除いて、およそすべての色を植物から作っていたそうです。
他の国に見られるような鳥獣貝虫などはほとんど使われなかったというから驚きますね。
特に平安時代には「かさね」が女性の色彩センスを計る大事なポイントだったらしいですよ。
一着の袷の裏と表の布の色を変えて、重なったときに見える色を楽しむ当時の女性のファッションなのです
色に関するさまざまな考察など、とても興味深深です。
伊原さんの完結に当たっての言葉があるので、ぜひ呼んでみてください。
「 万物には形と「色」がある。
「色」という漢字には、人間にとって根元的な意義があるという。
文学の世界では、『源氏物語』(螢の巻)に語られているように、多くの作品に、さまざまなドラマが、そしてそこには多様な「色」が描かれている。五十年程前に、小著の序に高木市之助先生が「先人未到の道」と述べられたが、私は、この「色」をとりあげ、文学の本質を少しでも追求する手段としたい、と念願し続けている。
そのためには、基礎的資料が不可欠と考え、古典文学にみられる「色」を、正確に採録し収集し、文学史の年代順に大別し、『日本文学色彩用語集成』として刊行、本書「近世」をもって一往の終結をみることになった。その間に三十有余年を経たことは感慨無量である。
これまで考察してきたことから、文学に形象される「色」のあり方は、各々の時代性、その社会基盤、さらに作品の形態。作品の独自性、作者の個性等によって、いずれも異なる様相を呈している。
このことは、「色」のあり方から、文学の本質的諸構造を割出すことも可能と考えられ、今後、こうした面を究明される方が出られ、そのために、本書を資料的な面で役立てていただくことができたら、という私の微意を、ここにお汲みとりいただければ幸である。」
カラーセラピーなど、色彩を使ってヒーリングをされる方など、ぜひ読んでほしい。
私もすぐに注文を・・・・
でも高いのです。
28000円。
ちょっと無理かも。
こういうときには図書館に頼むというものです。
この 伊原さんという方、女性ですよ。
93歳でいまでもお元気らしいです。すばらしい
食欲をそそる本が続々と出てまいりました。
あとはいかに読む時間を作るか・・・・・それが問題?
チャンチャン。
皆さんよい夢を。。。。。おやすみなさい。
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