阿寒の空は、
どこか深く、静かだった。
湖面に映る空の青と、ゆっくり揺れる水の気配は、
時間の流れさえも穏やかにしていたように思う。
初めて三姉妹で出かけた旅は、
少しの緊張と、それ以上の楽しさに満ちていた。
並んで歩いた湖畔の道や、
何気ない会話の一つひとつが、
今でも心に残っている。
そのとき出会ったまりもは、
小さな緑の球体で、
水の中に静かにたたずんでいた。
三人でのぞき込みながら、
「かわいいね」と笑い合った時間も、
旅の大切な一場面だった。
帰り際に選んだお土産のまりもは、
あのときの思い出をそのまま閉じ込めたような存在だった。
家に持ち帰り、時折のぞき込んでは、
少しずつ大きくなるのだろうと期待していた。
しかし年月が過ぎても、
その姿はほとんど変わらなかった。
それでも今になって思う。
あのまりもは、
成長しなかったのではなく、
あの旅の時間をそのまま守り続けてくれていたのだと。
三姉妹で過ごしたあの日の静けさと笑い声は、
変わらぬ形で、今も心の中に生きている。








