モンテッソーリ教育 | ブラジルって、どんな国? (カンピーナス滞在日記)

ブラジルって、どんな国? (カンピーナス滞在日記)

2012年12月23日
ブラジル・カンピーナスでの生活が始まりました。
8才の息子と4才の娘の4人家族全員が、
地球の裏側でも、楽しく3年間過ごすことが目標です。
赴任準備から現地での生活・カルチャーショックを
綴っていきたいと思います。
2015年9月末、本帰国。

先日、EAC(カンピーナス・アメリカンスクール)の幼稚園部の

モンテッソーリ教育法の説明会に行ってきました。



19時開始星空。21時終了星空


ブラジル時間です(笑)お月様星お月様星



旦那さん1人で行ってもらってもよかったのですが、(私は車が運転できないので)

モンテッソーリって、"縦割りのクラス分けをしている"こと以外

私も何も知らなかったし、興味があったし、話を聞きたかったので

子供を連れて参加してもいいのか、学校に確認してみたりして。

託児の部屋を用意してくれることになり(言ってみるもんだねグッド!)、

夫婦で参加してきました。



マリア・モンテッソーリというイタリア人女性が創設した教育法。

教員は、モンテッソーリ教育のトレーニングをしっかり受けた人たちです。



モンテッソーリ教育を受けた有名人の中に、
アンネ・フランク、Amazon.comの創立者、googleの創立者、wikipediaの創設者
イギリス王室のウィリアム王子とヘンリー王子も目 いるんですね~。



説明会は、最初から最後まで、英語のみでした。感激!

アメリカンスクールなんだなぁ・・・と実感しました。

説明会は専らポル語が主のSant'Annaと、大きく違うところ・・・(苦笑)



さてさて、モンテッソーリ教育。縦割りクラスにすることで、下の子は上の子を見て学び、


上の子は下の子のお世話をすることを学んでいきます。


これは、日本でも聞いたことがあったので、知っていたことなのですが・・・



モンテッソーリでは、集団ではなく、個別活動をします。

個々が、それぞれ敏感期に合ったアクティビティに出会えるようにするためなんだとか。

年齢に拘らず個々のペースで

アクティビティのレベルを上げていくことが目的です。

それから、好奇心が自発的に現れるよう、

"自由な環境"を提供することを重視しているんだそうです。

子供自身が、やりたいアクティビティを選び、やらせてあげます。


コハルが、登園した初日に、

「EAC、めっちゃ自由!音譜最高!アップ

と言っていたのは、あながち間違っていなかったということでしょうか・・・(笑)




モンテッソーリのアクティビティは、


  ・日常生活の練習

  ・感覚教育

  ・算数教育

  ・言語教育  に分けられます。





・日常生活の練習



要は、"リアルな道具を使ったおままごと" なのですが、

道具を全て、実生活のミニチュアで質感も本物に近いものを使うことに拘っています。
道具全てが子供サイズのミニチュアで、とにかくステキ!

そしてふと、我が家にあるIKEAのおままごと道具たちは、

実はものすごくいい感じなんじゃないか?と思ったりしました。


そして、それぞれのアクティビティが"シンプル"になっていることで、

集中力を養っていくことができるのだそうです。


それぞれのアクティビティには、しっかりとした目的があります。

物を3本指でつかんで器から器へ移動させるアクティビティ、

木匙を3本指でつかんで細かい粒を救って器から器へ移動させるアクティビティ等は、

鉛筆を持つための準備なのだそうです。


素敵なピッチャーからグラスへ液体を注ぐアクティビティでは、

最初はガラス製品にそっくりなプラスチックから練習し、

上手にになれば本物の陶器やガラスにして、慎重さを養っていきます。

手を洗うアクティビティは、水道水をジャグに汲む→ボールに水を注ぎ入れる→

石鹸で手を荒う→ボールの中の水で手を濯ぐ→手を拭く→

汚れた水をバケツに移す→濡れたジャグやボールをタオルで拭く→バケツの水を捨てに行く。
一連のアクティビティが終わった時に、次の人が気持ちよく使えるように

水滴はキレイに拭いたり、使った道具は元通りの位置に片付けたり、

自分がやりたいアクティビティを他の子がやっている時は待つことを覚えることで、

社会性を身につけるんだそうです。


「女の子も男の子も同じことをするの?」というママの質問に対する答えは「Yes」。

赤ちゃんの人形をお風呂に入れたり、洋服を洗って干したりといったアクティビティは、

実は男の子が大好きなアクティビティなんだそうです。

お母さんがやっていることの真似事は、男の子も女の子も、みんな大好き。

お母さんが日々やっていることの真似事=実生活の練習になります。



・感覚教育


3歳から6歳の間に五感が著しく発達するため、
教具と呼ばれる五感を刺激する道具を使って遊びます。


子供が集中して作業している間は、先生はただ見守ります。

例え教具の使い方が間違っていても、先生が作業を中断させて口を挟むことは

絶対にしないんだそうです。

子供は自分で間違いに気付き、その間違いを正す力があるんだそうです。


視覚を刺激し、好奇心をかきたてるカラフル子供サイズの教具が、
教室の中に、カテゴリー毎に仕切られて並んでいました。

大きさ重さ感触など、全てに拘り、計算されて作られた教具は、

子供の五感を研ぎ澄ましていきます。

匂いを嗅いで瓶の中身を当てる嗅覚を刺激するものや、

全部白い粉だけど、指で触って舐めて味覚を刺激するようなものもあり、

「面白そう!やってみたい!」と、大人の私も好奇心をかき立てられました(笑)




・言語教育


アルファベットはフォニックス(Phonics)で教ることで、

知らない単語も発音できるようになります。

ABCD・・・は、「エィ、ビィ、スィー、ディー・・・」ではなく

「ェア、ブッ、クッ、ドゥッ・・・」というフォニックスで "のみ" 教えるんだそうです。


物や写真を見ながら、英単語を耳から覚えたら、今度は

アルファベットを自分で組み合わせて並べて、単語を作る、というアクティビティをするのですが、

例えば、子供が象さんぞうさん。elephant"elfunt"と並べたとしても、

それがその子の"耳から聞こえたアルファベット"なので、OK!なのだそうです。

スペルの間違いは、敢えてこの時点では修正しない、というのが拘りのようです。

(前の学校のSant'Annaでも同じことを言っていました。)


アルファベットを"書く"練習は、

ツルツルした板に、ザラザラした素材でアルファベットが書いてある教具を、まずは

人差し指でなぞることから始め、次に、均した砂の上に人差し指で書いてみる

という、指先で触って指先から刺激を受けながら覚えるという、感覚教育の一環

紙にペンで字を書く練習は、積極的にはしないんだそうです。




・算数教育


1、2、3・・・のQuantity="量"のイメージと

「ワン、トゥ・・・」の数え方="発音"を、教具を使って覚えることから始めます。

次に、それをNumber="数字"と結びつけて、数を覚えていきます。

1、2、3・・・と並んだボタンを見比べることで、奇数と偶数を覚えたり、

100まで数えられるようになったら、1が10個で10、10が10個で100み100が10個で1,000と

いうことも、木の立方体の教具を使って覚えていきます。

最終的には5、10、15、20・・・という5とびの数え方も自然に覚えていくんだそうです。



"モンテッソーリ=縦割り"だと思っていたのは大きな間違いで・・・

もっともっと奥が深くて、正直、説明を聞きながら感心しきりでした。



先生が実演してくれるアクティビティを、コハルがやっている姿を想像しては、

思わずジーンとしてしまいました。



参観日が楽しみです。。。