「境界線」中山七里 2020年



「護られなかった者たちへ」につらなる
「宮城県警シリーズ」
復興の闇と人々の祈りを描く
骨太ヒューマンミステリー。

あらすじ
7年前の東日本大震災による津波で
行方不明だった女性の遺体が発見された。
名前は笘篠奈津美。
彼女は前日まで生きていて、自殺と見られた。
突然の妻の訃報を受けた
宮城県警捜査一課警部、笘篠誠一郎は
さまざまな疑問と複雑な感情を胸に
遺体が待つ現場へ急行する。
しかし、そこで目にしたのはまったくの別人。
なぜ妻の名前は騙られてしまったのか?

運命が引いた"境界線"に翻弄される人々の
人生の岐路と、その先に待ち受ける未来とは…


個人情報の流出岐路と
自殺した女性の身元を探る笘篠。
未だ行方不明の妻。
探れば探るほど謎が深まり
苦しかった。

名前を持った人間として認識されるには
身体が存在するだけじゃ不十分なんだ。
記録と記憶の両方が要る。
そいつが存在するという公的な証明書
つまり戸籍を基に発行される各種証明書。
それからそいつを見たり
話したりしたことがあるという他人の記憶。
その二つがないとここに立って息をしていても
そいつは存在していないことになる。」
(一部抜粋)


笘篠の言葉にゾッとした!
わたしとしての確かな存在。
わたしがわたしであるという証明…
その証明の術が。

深い深すぎた!
読み進めるのも苦しいくらい。
けれど、没頭してしまう!
物語の行き着く先を見届けたくて!