「護られなかった者たちへ」中山七里 2018年

(画像お借りしました)
あらすじ
仙台市の福祉保健事務課長三雲忠勝が
手足や口の自由を奪われた状態の
餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ
怨恨が理由とは考えにくい。
一方物盗りによる犯行の可能性も低く
捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見から遡ること数日
一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を
追っている。
男の目的は?
なぜ三雲はこんな無惨な殺され方をしたのか?
罪と罰…正義が交錯した先に
導き出されるのは、切なすぎる真実…
殺人事件をきっかけに
生活保護にスポットをあて、
その実態、裏の真実を詳細に記されている。
終始やるせなさが付きまとった。
心にチクチクと。
「公的な保護がなければ
その日の生活にも事欠く者たちがいる。
国の世話になる申し訳なさと
自身への不甲斐なさから
生活保護の申請を躊躇する。
生活保護の削減を命じられた公務員たちから
非情な扱いを受けても
彼ら彼女らは泣き寝入りするしかない。」
「護られた者たちと、
そうでなかった者たちの境界線は
いったいどこにあったのだろうか」
(一部抜粋)
護られるべき人が護られず
憤りを感じた。
しかし、福祉の職員も業務を忠実に行う。
上からの指示、圧力。。
その人たちもまた被害者だったのでは…
でも、でも、それでも…
もっとやり方、言い方、進め方があったのでは。
重くて深かった。
やるせなさや憤りも付きまとったけれど、
著者の中山さんの、
伝えたい!知ってほしい!
熱くて強いメッセージが放たれていた。
読みごたえのある骨太な小説だった。