10月初旬に4連休があることが判明し、早速縦走計画を練ることにしたが、結局、最終日を予備日としたので二泊三日の山行となる。
「さて、どこに行こうか」
普段は、あそこに行きたい、今度はここに登ろうと考えている癖に、いざとなると悩むのは何故だろうか。
今、高い山は紅葉のシーズンだろうから、涸沢の紅葉が見たいな、と思ったが、あそこは常に激混みだ。うーむ、どうしようと「槍ヶ岳・穂高岳の地図」を見ていると、
「西穂高」「ジャンダルム」の単語が目に入った。
「ジャンダルム」
三大キレット(※)と言われる難所の他に、西穂高岳~奥穂高岳の破線ルートがある。
※三大キレット…北アルプスにある難所。
・八峰キレット(鹿島槍ヶ岳~キレット小屋)
・大キレット(南岳山荘~飛騨泣き)
・不帰キレット(天狗山荘~唐松岳)
以前から行ってみたい、と思っていたし、まあいいか、てな感じで行きと帰りのバスの予約をした。
西穂山荘から次の宿泊地・穂高岳山荘までコースタイムで10時間。長いが、夜明け前に出れば大丈夫か、と当初は考えていた。
ところが…
天気予報が変わり、2日目の午後、つまりジャンダルムの稜線上で雨雲を迎える事になるのだ。
といっても、予報によれば降ったり止んだりのレベルらしい。これがいっそのことどしゃ降りとか台風レベルなら諦めもつくが…
少し迷ったが、現地で様子見で、もしひどいようなら天狗のコルから岳沢小屋にエスケープしよう、と思い決行することにした。
これまでにいろんな山に行ったが、今回ほど長い破線ルートは初めてである。しかも、雨という欲しくないおまけが付いている。
今までの中で、最大の挑戦が始まろうとしていた。
グイグイご飯が進む。
コースタイムに破線ルート、雨模様という悪条件…挑戦精神をかき立てられると同時に心にも暗雲が立ち込め始めていた…(続く)