文庫本 最後の証人 柚月裕子 | 当方見聞録


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文庫本 最後の証人 柚月裕子


「このミス」大賞シリーズ。

第7回の大賞受賞作者の最新作。

本の帯が大絶賛の嵐だったから、手に取った。表紙にも描いてあるけど、法廷サスペンス。


なぜこの小説がココまで絶賛されるのが判らない。

この程度の出来なら、他にもいっぱいある。法廷サスペンスなら、姉小路佑の朝日シリーズのほうが格段に上だろう。

帯に「素晴らしいキャラクター」って書いてあるけど、この程度のキャラが素晴らしいなんて、色んな本を読んだことがないんじゃないの、三省堂の小松崎さん。

作者の腕にも拠るんだけど、主人公の中年弁護士に深みがない。その相方の女性も物足りない。とことん正義を追求するキャラ設定はいいけど、清濁併せ呑む位のキャラにしとかないと深みが出ない。


物語のほうは、裁かれるのが島津だったのが驚き。上手く物語を紡いで、驚かされる展開だった。でもその後の展開は先が読めてしまった。

大賞受賞時の「ストーリーの予定調和」といわれた癖が抜けていないのか?

伏線の張り方も甘く、丸山刑事の家庭環境とか状況なんかは取って付けたよう。高瀬光司を警察から追い出した時に一喝した言葉に、もう少し伏線を持たせれば良かった。説明不足のため、この重要な言葉が生きてこない。


法廷サスペンスは主流の動きが少ない分、どこかで上手く転がさないと面白くない。

その点では、ストーリーは良かった。後はキャラクターと伏線の甘さ。


次作に期待の作家さんかな。