日本に帰ってきて、うれしいことの一つが本との出会いだ。

アルゼンチンでも、ボルヘスに限らず素晴らしい文学に触れる機会があったわけだが、日本語の本は友人がくれたり、母が送ってくれたり、公共機関の図書室から借りたり、と読みたい本の数は知れていた。

おまけにインターネットのせいもあって、だんだん本を読まなくなっていった。

 

疲れているときは特に、本よりYouTube動画のほうにいってしまう。

そんな中、私が大好きな執行草舟先生のチャンネルでは読書紹介の動画があって、そのおかげもあり、最近は読書に復帰している。

 

本との出会いというのは人との出会いと同じく、運命を感ずることが多々ある。

 

最近できた市の図書館で、「KADOMADO」がある。別名を門真市立文化創造図書館という。(https://kadomado.jp/)

とてもスタイリッシュでかっこいい図書館なのだが、文学に関していうとまだ蔵書が少ない。これから増やしていくとは思うのだが… 

今流行りの実用書や娯楽本が多いような気がした。

 

でも読書の習慣を再開したので、やはり文学や歴史ものが読みたい!

 

と思った私は、もちろん行く先々で本屋をのぞいた。

ところが、現在の本屋というのは、なんと文学があまり置かれていないのを発見。

やはり、実用書、娯楽本、雑誌、学習参考書を中心に小説は新しいものばかり。おまけに必ず漫画本が広いスペースをとっている。

 

興味ある本があったとしても、値段を見るとハードルが高すぎて、手がでない。

 

そこで、思いついたのが、古本屋である。

 

基本、自分は服もそうだが本は新しいものが好きだ。なんでも中古品より、新品がいい。

 

でもそうも言ってはいられない現実。

 

早速、インターネットで調べて近場の古本屋へ足を運んでみた。

京橋(大阪)駅近くの山内書店。

 

何気なく調べて何気なく行ってみた古書専門のお店。

 

な、なんと!

 

置いてある本を見始めた矢先に目に飛び込んできたのは、

 

「ベジャール・愛と死の祝祭」(河原晶子著)

 

憧れのベジャール、そしてその作品の中でも私の一番好きだった「EROS THANATOS(エロス・タナトス)」がタイトルになったベジャールについての本、それも写真付きだ。私は感動で震えてしまった。まるでその本が私を待っていてくれたような錯覚さえ覚えたといっていいだろう。いや、錯覚ではない。確かにこれは運命的な出会いなのだ。

 

そしてほかにも収穫はあった。

 

あの有名な小説「足摺岬」を書いた田宮虎彦を皆さんはご存じだろうか。あの著名な昭和の小説家の本が今なかなか手に入らないのだ。映画化までされたものもあるのに、今まず普通の本屋でもアマゾンでも手に入らない。その田宮虎彦の作品中、「霧の中」「落城」「絵本」や「足摺岬」を含む10作品が入った本がそこにはあったのだから、また驚いた。

 

結局、6冊購入した。

 

最後に、その中の一つ、若松英輔によるNHKテキスト「谷川俊太郎詩集」の中で見つけたお宝を紹介する。

 

谷川俊太郎もその詩に深い感銘を受けたという岩崎航(いわさきわたる)という詩人の五行詩だ。詩集「点滴ポール 生き抜くという旗印」から

 

乾かない

心であること

涙もまた

こころの

大地の潤いとなる

 

 

岩崎さんは筋ジストロフィーという試練を生きている詩人で、今を生きるいのちが彼の詩から伝わってくる。

 

生きていく中で避けては通れないこの涙、

人生における涙、

悲しみからだけではない

愛からくる涙

哀しみのこころ

せつないおもい

 

そう考えているうちに、

またタンゴにつながってしまった…