「射程を遠くに」(続) | 御木白日のブログ

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学習院大学 仏文科卒業。大正大学大学院文学博士課程修了。
詩人活動をとおして世界の平和に貢献。


 正方形ABCDがあります。
 辺AB、辺BC、辺CD、辺DAの中点をそれぞれE点、F点、G点、H点とします。E点とG点、F点とH点をそれぞれ結び、その交点をI点とします。これによって、A点からI点まで9個の点ができました。
 そこで、問題です。4本の直線を一筆書きのように引くことによって、この9個の点すべてを通るようにするにはどのように線を引いたらよいでしょうか。
 AとBを結び(1本目)、BとCを結び(2本目)、そして、CとDを結び(3本目)、DとAを結び(4本目)、最後にAとCを結ぶと9個の点すべてを通ることになりますが、4本ではなく5本の直線になってしまいます。
 さあ、どうしたらよいでしょうか。
 正解は次のとおりです。

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 辺ABの延長線上に(BB’=AE=EB)となるようなB’点をとり、辺ADの延長線上に(DD’=AH=HD)となるようにD’点をとります。
 そして、AB’、B’D’、D’A、ACをそれぞれ結びますと、4本の直線でA点からI点までの9個の点すべてを通ることになります。
 辺ABの先にはるかB’点を見る、辺ADの先にはるかD’点を見る、これは「射程を遠くに」置くことの応用問題の一つと言えます。物事を「大枠でとらえる」と言い換えてもよいでしょう。
 目に見える正方形ABCDだけでなく、目には見えないB’点、D’点を直観する、イメージできるように、常に感性をみがくよう心がけることが人生を楽しくするコツでもあるのです。
 固定観念にとらわれることなく、自由に創意工夫しようと大きく物事をとらえて芸術することの大切さをわかっていただけると思います。