オウム雑感 | 酒井ミキオオフィシャルブログ「raintree」Powered by Ameba

オウム雑感

 オウム関連のニュースが流れると、あの時代を思い出します。1995年。この年は阪神淡路大震災があり、オウムの地下鉄サリン事件がありました。日本にとって、悪い意味で忘れがたい年です。

 

 当時、オウムやら何やら、様々なカルトと言われる集団が出現しては消え(もしくは分散)している時代でした。いや、それまでも多々あったとは思いますが、僕の目に映ったという意味で平成初期はそんな時代。

 

 90年代前半、朝まで生テレビやバラエティー番組に麻原(元死刑囚)&その他が出演していたのを覚えています。何だこいつら・・・気持ち悪い・・・というのが当時の印象。

 

 カルトにほぼ触れたことが無い少年だった僕や、ほとんどの同世代たちは似たような印象を持ったことでしょう(現在、様々な動画サイトで当時の動画を観ることが出来ます)。

 

 生で彼らを見たのは、オウムが衆院選に出た時でした。渋谷のスクランブル交差点などで演説を行なっていました。響き渡る「♫〜しょしょしょしょしょしょしょ しょーこー〜♫」という歌、そしてそれに合わせた振り付け。

 

 興味本位でしばらくの間眺めていましたが、演説内容は覚えていません。ただにこやかに踊っていた女性三人組が気になりました。「あの娘らは結構可愛い・・・」と少年の僕は思いました(笑)。

 

 当時、渋谷ではオウムの他にも様々な妙な方々(僕からすると)が立っていました。特に思い出すのは「最高ですか〜!」と雄叫びをあげる福○法○が率いる集団です。ほとんどの若者は無視するか、酔っ払いながら「最高でーす!」と言って通り過ぎていました。

 

 僕が住んでいた地区でも真理党の選挙ポスターが貼ってありました。今、調べたところ、秋山伸二という人が立候補していたようです。もちろんその人には投票しませんでしたが、意外と広範囲で立候補しているのだなと思いました。

 

 次に生で見たのは羽田空港です。地元へ帰るため飛行機に乗ろうと歩いていると、前に超ロン毛の大男(と僕には見えました)が歩いていました。後ろ姿でもわかる個性的なビジュアル。あ、麻原彰晃だ!とすぐ認識しました。

 

 例の紫っぽい宗教服を纏い、付き人らしき男に「こちらです!」と誘導されながら飛行機に乗り込む麻原。僕の真ん前を歩く大男・・・今調べたら身長は175センチでした。僕より低いけど大きく見えました。横幅があったからかな?

 麻原の真後ろを数十メートルほど歩きましたが、多少は目が見えていたのではないか?と感じました。1989年から全盲になったという説もありますが・・・うーん、どうなんでしょうね。ま、あくまでも僕の印象です。そして、そのまま同じ飛行機で北海道へ向かいました。

 

 その次がサリン事件です。ニュースから飛び込んでくる異様な風景にゾッとしました。え?日比谷線?千代田線?まじかよ! 馴染みの路線での悲劇。でも非現実感が僕を包んでいました。なかなか現実のものとは思えないのです。

 あの時間帯、日比谷線に乗ってたんだ!という友人や、サリン散布された直後の駅を猛スピードで通り過ぎた電車に乗っていた仕事仲間もいました。彼らの話にはリアリティーがありました。

 

 様々なメディアがオウム祭りになり、僕も比較的注視していました。一時期は数名の幹部のホーリーネームも言えました(ほぼ忘れましたが)。

 

 以前書きましたが、3rdシングル「something」のMVを撮った時、オウム関係者に間違われたことがありました。今考えると何故なんだ〜!と思いますが、早朝の環状七号線を数分間プチ封鎖して、ラジコンヘリコプターにカメラを積んで僕を空撮するということがありました。もちろんゲリラ撮影です。

 ラジコンヘリでオウムがサリンをばら撒くという噂が流れていた最中の暴挙です。そりゃ通報されるわな! ちなみに空撮は僕のアイディアではありません。

 歩道橋の上に佇む僕、そこへバラバラバラ!という大音響を響かせながらヘリが近く。空撮なので被写体の僕の周りにはスタッフは一人もいません。僕一人のシーンを撮りたいからです。

 テイクとテイクの合間、歩道橋に佇む僕に近づくコート姿の男ありけり。おもむろにコートの中から手帳を取り出し、僕に突きつける。「警察(公安)です、あなた何やってんの?・・・さ、撮影です」。ドラマのようなコントのような一瞬でした。

 

 撮影時、冬でした。その時の僕の出立ちは白を基調とした衣装、下はホワイトジーンズ、そして寒さ対策としてマネージャーから借りたスキー服にも似たエメラルドグリーンの厚めのコート。遠目から見ると完全にオウム服です。

 

 早朝にヘリコプター、そしてオウム服の男(僕)とくれば、一般市民は通報します。しかも環七止めてのゲリラ撮影って・・・お〜いスタッフ〜!絶対にやってはいけないことだって気づいてよ〜!って感じです。僕は気づきませんでしたが・・・。

 

 監督がこっぴどく叱られつつ(始末書を書いたようです)、その後のロケにも公安の車がついてくるという一日を過ごしました。誠にもって申し訳ございません。

 

 4thシングル「ずっとずっと抱きしめたい」のMVでは、何故か上九一色村の道を全速力で走るというシーンを撮影しました。上九一色村といえばサティアンです。麻原が逮捕されたのもサリンが生成されたのもサティアンです。

 

 その時に監督がロケハンして、イメージにぴったりな場所が上九一色村の一本道だったのです。サティアンからは少し離れた場所だったので映り込むことはありませんでしたが、移動中遠くからサティアンらしきものを見たような記憶があります。

 

 大阪へ行った時、どなたかが持っていた早川紀代秀(元死刑囚)の名刺をコピーさせてもらったことがあります。確かオウム出版代表みたいな名刺でした。

 

 教団ナンバー2と言われた重要人物でしたので、それを見た時「すいません!コピーさせてください!」と思わず言ってしまいました。飲みの場の話題に使える!という気軽な気持ちでした。

 

 ということで、もちろんいろんな人に見せました。どこへ行っても「すげーな!おい!」「すごいっしょ、この名刺(コピーだけど)!と大いに盛り上がりました。・・・まあそんなことをしているうちにボロボロになって、どこかへ消えてしまいましたが。

 

 振り返ると当時の彼らって若いんです。ほとんどが20〜30代なのです。当時の僕と同世代が多々いました。それがあのような事件を起こすとは・・・。

 確か重要幹部では最年少の井上嘉浩は逮捕当時25才、僕の一つ上でした。その後23年間を拘置所で過ごし、先日死刑が執行されました。人生のほぼ半分を拘置所で過ごしたということです。そして報道によるとその最後の言葉は「こんなことになるとは・・・」「まずはよし」だったそうです。

 

 マインドコントロール、洗脳の罠はどこにでも落ちています。別に宗教だけではないのです。悪徳商法、各種セミナー、その他様々なもの。人の弱さ、そして欲望につけ込むドス黒い罠が、些細な所に仕掛けてあります。どうかその罠に落ちないように。自分の人生の最終決定を他者に渡さないように。本当にそう願います。

 ということで雑感でした。もう少しで平成が終わります。一時代の区切りを感じます。

 

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2018.08.18 sat
別冊・天晴音楽会 ~ミキオの部室~

昼公演 ~カバーの部室~ open13:30/start14:00
アニソン含めた名曲カバーをやります。アニソンデイズで演奏した曲もやるかもしれない!?
パワポを入れて解説や想いを述べていきたいと思います。ちょいと講義風。

夜公演 ~オリジの部室~ open18:30/start19:00
オリジナル楽曲を中心に夏の夜を彩ります。バラードから拳アゲアゲまで、両極端な僕を凝視してください。そして誕生日(24日)間近なミキオを暗に陽に祝うのだ~!!


立ち見予約開始!若干数!

 昼公演(~カバーの部室~)
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