アルキメデス | 酒井ミキオオフィシャルブログ「raintree」Powered by Ameba

アルキメデス

 歩く人、多いです。俗に言うウォーキングってやつ。年齢的なものもありますが、自分含め周りでは健康の話題に事欠きません。「今日は何キロ歩いた」「どこそこをコースにしている」「関節にくる」・・・皆さん頑張っています。

 春も本格化し、暖かい日々がやってきました。歩くにはピッタリな季節。近所の遊歩道ではアルキメデス達とすれ違いの日々です。先日も僕の好きなアーティストが僕の前でアルキメデス。ちょいと嬉しかったりして(笑)。

 僕はといえば先日、とある公共機関への往復6キロを歩破しました。約60分の旅。僕にしてみればかなりの長距離。運動した気分になってE気持ち。にわかアルキメデスです。

 歩くテンポでメロディーを作ってみるのは良い事。デビュー曲なんかはまさに歩いている最中に浮かんだメロ。歩く行為は脳を刺激するようです。

 歩く行為は物理的なものだけじゃない。我々は、まさに人生を歩いているわけです。誰もが素敵なアルキメデス。

 で、本日、その歩行距離がハンパないミュージシャンのドキュメント映画を観てきました。御年94歳、生涯現役歌手の田端義夫さんの映画を。その名も「オース!バタヤン

 戦前、戦中、戦後と、一人の大衆歌手として日本を見続けてきた歴史の証人のような方。エレキギターをハイポジションで持って人生歌を歌うその姿に日本人は元気づけられてきたのでしょう。明るさ、ひょうきんさを兼ね備えつつも哀愁感タップリという彼、人を惹きつけます。

 凄いのは当時のキーを歌い続けられること。年齢を重ねれば高音が厳しくなっていくものなんだけど、ポリシーとして当時のキーをキープする。山下達郎さんにも通じるプライドですね。

 そして何十年と使い続けている古びたギター。メンテはやっていると思うけど、見た目はなかなかボロ・・・いや、アンティーク感バリバリ。しかしバタヤン(田端義夫さん)の声にピッタリの音色を響かせます。

 映画を観ていると、音楽性云々というよりも人間性に惹かれます。愛されるキャラを持っています。きっと周りは彼を支えたくなるのでしょうね。

 女性が大好きという彼は数々の浮名を流してきたようです。でも結果的に色々許されちゃってるみたい。キャラ勝ちということでしょうか(笑)。

 デビューして70数年、その歩みは紆余曲折あったことでしょう。だからこそ奏でられる音がある。だからこそ歌える歌がある。アルキメデス、そしてミュージシャンの大先輩として益々の活躍を期待したいと思います。100歳でも現役歌手!という世界記録を目指して欲しい。

 さあ我々も歩きましょう!素晴らしい未来へ向かって。