宮城県石巻市『サンファン館』にある船…サン・ファン・バウティスタ号。

今から400年と少し前、仙台藩初代藩主・伊達政宗公が建造し、仙台藩士・支倉常長氏等を乗せてスペインやローマへ貿易の為に見事に航行した。
俗に言う『慶長遣欧使節』。

1993年に原寸大の復元船が建造され、お披露目の為に東京港・仙台港・気仙沼港まで実際に航海して大きな話題にもなった。

洋式の大型帆船で、エンジンもなく、しかも木造船という事で…世界でも非常に珍しい船でもある。

総工費、約15億円。
そのうち5億円は宮城県民からの寄付。

本当に、迫力があってカッコ良くて心から感動する。

僕が何を言いたいかと言うと。。。

この、素晴らしく復元されたサン・ファン・バウティスタ号。
ずーっと海水に停泊しているからか、船体の老朽化が激しいと…。
更に東日本大震災でも
大津波をまともに受けた。
かなりの打撃があったが、さすが頑丈な船だなぁ…何とか耐えた。

しかし、近年このサン・ファン・バウティスタ号を解体するという動きになっているという。
老朽化が目立つし、木造船故に木の腐敗が激しくなったからだと言われている。 

僕はその事をスペインで聞いた。
支倉常長氏が航海中に訪れたスペインのコリアデルリオ市で、現地の方が寂しそうに話してくれた。
以前も書いたが、コリアデルリオ市には支倉常長氏の銅像が立ち、親日の方々が沢山。
日本語のお店や看板も多い、
支倉常長氏と共にやってきた日本人の数名がコリアデルリオ市に残ったから、日本人の血が入った方が沢山いる。

そんな歴史ある船・サン・ファン・バウティスタ号の復元船を解体するって……。
解体して、そしてプラスチックで原寸の4分の1サイズの船を造ろうとしているらしい。。
いやいや、何だよそれマジで。
400年前の、当時の原寸大の木造船だから価値があって観光客が来るのであって…。

4分の1サイズで、しかもプラスチックで造った船を、果たして観光客はわざわざ石巻市まで見に行くのだろうか?

老朽化、腐敗している箇所を現代の技術で修復して、陸に上げて展示する事は不可能なのかな。

新しく、木造で原寸大のサン・ファン・バウティスタ号を造るには、もうその技術を持った大工さんはいないと聞く。
でも、そこは現代の技術でいくらでも修復出来るはず。

先日、サンファン館へ行って見て来たけど、外観からは全く老朽化も感じなかった。
きっと、船内や内側の材木が腐敗しているのだろう。
震災以降は入れなくなったけど、前は船の中に入って見る事も出来た。


今後、中に入れなくなっても良いから、老朽化している部分を修復し、是非とも残して欲しい。

解体だなんて寂しい事を考えずに、15億円かけて造った見事で貴重な木造船をもっと大切にして欲しい。
震災を乗り越えた船でもあるし。




解体に億単位、更にプラスチックの船を造るのに1億円以上かかると言われている。

そもそも、そんなにお金がかかるのなら、修復して陸に上げて土台を作って展示してくれたら嬉しいのになーと思う。

修復して…の方が更にお金がかかるのであれば、また募金を募ったり企業にお願いするとか。他にも色々と方法はある。
震災から8年、軌道に乗ってきた県内の企業だって沢山ある。

宮城県石巻市が誇る歴史的な観光地として、もう少しこのサン・ファン・バウティスタ号の『意味』を考えて改めて決断して頂きたい

石巻市の亀山市長も、非常に残念だとコメントしているし、我々サンドウィッチマンもみやぎ絆大使として、石巻観光大使として非常に残念に思います。


更に、伊達家の御大・仙台伊達家十八代当主・伊達泰宗さんとも先日お会いし、お話をお伺いしたところ、やはり猛烈に反対されておりました。

勿論、様々な意見があるのは承知していますが、何とか『解体』という決断だけは避けて頂きたいという願いを
込めて。
m(__)m