あの頃、布団に入り

静かになると

「死にたい」

そういう声が聞こえてた。


はじめは

「わたしが死にたいと思っている」と

思っていた。


その時間に泣きながら耐えていたあるとき、

気がついた。

その声が自分の気持ちじゃないってことに。

その声を自分で止めることができないし

なによりもわたしは自殺したいわけじゃないって

その時強く思った。

だからと言って、苦しさがなくなるわけじゃなかったけど、自分の気持ちじゃないとわかっただけで、少し救われたように思えた。


自動的に聞こえてくる声に

あるとき「明日死ねる」と

心のなかでつぶやいてみた。

別に死ぬ方法があったわけじゃない。

明日死ぬって本気で思えてたわけじゃない。

なにもなかった。

なんにも解決策なんてなかったけど

あんまりにも苦しいから、苦しまぎれに

明日死ねるからもう全部大丈夫だよって

ただただそう言ってみた。

『死にたい』「明日死ねる」

『死にたい』「明日死ねるよ」

『死にたい』「明日死ねるから大丈夫」…

そう繰り返していたら心がすーっと楽になって

息ができるようになった。

毎日それを繰り返した。

毎日生きて、その時間を繰り返した。

いつの間にか少しだけ眠れるようになっていった。



ずっと死にたい、と思ってはいけない、

と思ってた。

絶対に思ってはいけないことを

思ってる自分が受け入れられなかった。

死にたい、っていう気持ちに降参して

ただ心だけで受け入れてあげたら、

夜を乗り越えられるようになっていった。

今がどうであれ、もう大丈夫だよって

思ってなくても言ってあげたら

その瞬間は息ができるようになった。





結局わたしはわたし自身に受け入れてもらいたいだけなんだ。

何を思っても許してほしい。

何をしていても愛してほしい。

どんなわたしでも受け入れてほしい。

わたしから湧き上がるすべてを否定しないこと、

それだけで眠れるようになるのだから。



だけど病気のときは

それがとんでもなくむずかしい。

もともとむずかしいから病気になったのに

病気になってるときはもっとむずかしくなる。




だから無理せず

どうか今日あなたが少しでも楽に

身体を休めれますように。

祈っている人がここにひとりいます。


読んでくれてありがとう。