初めて台湾に行く前、あるテレビ番組を見て目が釘付けになった一品がありました。


それは鹹豆漿です。



高田純次さんがアジアをぷらぷらと歩く番組で紹介されていたそのスープ的なものは、見た目何だかよくわからないものではあったものの、一口食べて「美味い!」と顔をほころばせていた高田さんの様子を見る限り、絶対に美味しいものなのだろうと確信させられました。


あのスープは何というお店で食べられるんだろう…と調べてみると、台北にある「阜杭豆漿」というお店のものだという事が判明。


その数年後、ようやく台北に行く事が出来た私と夫は、滞在2日目の朝に早速そのお店を訪ねたのでありました。



長蛇の列に並ぶ事小一時間。ようやくカウンターにて注文です。

言葉が通じないと困るので、食べたいものを紙に書いて店員さんに見せるという戦法が見事成功!


ようやく憧れの阜杭豆漿の鹹豆漿にありつく事が出来たのでした。



そんな鹹豆漿をひと口啜ってみると、まさに「えっ!これ豆乳なの!?」と驚くような深い優しい味わいでありました。

味噌汁のように朝の身体に沁みる味であり、日本人の私たちにもスッと馴染める美味しさです。

何より驚いたのが豆乳がしっかりと固形分と水分に分かれていた事です。


プレーンである甜豆漿も注文していましたが、こちらも日本で飲む豆乳とは一味違います。

こちらは何と言うか、とにかく飲みやすい。

当時日本でよく言われていたような「豆臭さ」とは無縁であり、優しい甘みでいくらでも飲めそうな感じ。


…と言うのが私の鹹豆漿初体験記とでも言いましょうか。

とにかく美味しくて感動した事を覚えています。


そんな鹹豆漿を当然家でも楽しみたい!と帰国後早速レシピを検索して作り始める事になるのですが、ここまでの道の何と長かった事よ…。


変にこだわり屋(しかしすぐ飽きる)であるO型なので、いろんなレシピの鹹豆漿をいくつも試してみた(初めて台湾に行ったのは2013年7月だからそれ以来ずっと)のですが、どれも「わりと美味しいけど、やっぱり何か違う…」という仕上がりなのでした。


10年以上もそんな状態でありましたが、ようやく転機が訪れます。

それはこの夏に参加した、台湾人料理研究家のペギー・キュウさんの料理イベントでありました。



その時ペギー先生が最初に教えてくださったのは、やっぱり鹹豆漿でした。

台湾人は実はあんまり好きではない…との事でしたが(私も実際に台湾の人に何度かそう言われている)、日本人からは熱烈に支持されている鹹豆漿を外す事は出来ないな…とペギー先生は思われたに違いありません。

とは言え、やっぱり先生が作ってくださった鹹豆漿はとっても美味しかったのでした。


…うん?前置きが長過ぎる?


はい、すみません。ここまで全て前置きでした…。


この時ペギー先生が教えてくださった2つのコツで、私はようやくしっかり固まる鹹豆漿を作る事が出来るようになったのでした!!



わかるかな〜?

茶碗蒸しレベルでしっかりと固まりました!

固まった部分と汁の部分がしっかりと分かれています。


実は↑のイベント参加後すぐにも復習として作ってみたのですが…



記事には「ちゃんと固まった」と書いてはいますが、「やっぱり阜杭豆漿レベルまで固めるのは無理なんだろうな…」と思っていた私。


しかし、この時の作り方はペギー先生が教えてくださったコツの1つである「高い場所から熱々の豆乳を注ぐ」という事にびびってしまい(こぼすに決まってるから)、中途半端にしかやっていなかったのです。


*ちなみにもう1つのコツは「大豆固形分9%以上の成分無調整豆乳を使う」事。


という事で、今回は思いっきり高い位置から勢いよく熱々の豆乳を器に入れた調味料めがけてIN!!

これで完璧です。


いや、危ないから入れ始めは低い位置からにしてくださいね、やっぱり…。



あと、調味料(特に塩と酢)はきもーち多めにするとより固まりやすいと思います!



しかし、何で台湾の人はあんまり鹹豆漿が好きではないんでしょうね…?美味しいのになぁ。


*ペギー先生から聞いた理由の1つには絶句でした…。

すみません。ここには決して書けないような理由です。