前回の福岡滞在記はこちらからどうぞ!


朝から移動しっぱなしだったので疲れていたし、ひと眠りしたいところではあったが、もうお腹が空いたという夫が「18時には出るぞ」と圧を掛けて来る。

あぁ、もうわかったよ!と気合を入れて18時過ぎにホテルを出発。


三たび祇園駅から地下鉄空港線に乗り、3つ目の赤坂駅で降りた。


博多最初の夜にまず向かったのは、約30年もの間(たぶん大袈裟じゃない)行ってみたいと思っていた店だった。

そこも例に漏れず(私の福岡の食の知識の約95%はクッキングパパ由来)、クッキングパパに登場した事があり、しかも10年ほど前にはあの「酒場放浪記」で吉田類さんが訪れた酒場でもあった。


↑番組のオープニングで類さんが登場したのが赤坂駅のちょうどこの辺り。


↑今も時々TBSチャンネル2(CS)で放送されてます!


玄界灘の美味しい海鮮を食べられるお店として、またあるユニークなシステムがあるお店として「クッキングパパ」&「酒場放浪記」に登場したお店の名前は「第三共進丸」。

約30年前に初めて知った時はお酒を飲める歳では無かったのだが、新鮮で美味しそうな海鮮を食べられる居酒屋として「いつか行ってみたい」と心に刻まれた。


そんな第三共進丸へは赤坂駅から約15分歩き、到着。


↑渋い!


緊張しながら戸を開けると、まだ早めの時間だったからか私たちが一番乗りであった。


若干コミュニケーション能力に難ありな私たちなので、「すでに常連客で激しく盛り上がっていたりしていたらどうしよう…」という不安があったが、そこはクリア。


さて、何を注文しよう?


↑関西では見かけない料理も。

↑先程触れた「あるユニークなシステム」とはこちら!

何と焼酎を一杯100円で飲めるのである(しかも何杯飲んだかは自己申告制)。

ただ一杯目からこのシステムを使うと言うのもちょっぴりアレなので、とりあえず生ビール!

↑ビールはあっという間に飲み干してしまったので、2杯目に頼んだ「九州レモン」なる九州限定のレモンサワー。美味しかった!


お店のご主人(このお店では「船長」と呼ばれているようである)に「何かお勧めはありますか?」と訊き、お勧めを何点か出してもらう事にした。

*実は酒場放浪記にも登場した「イカの活け造り」を食べたかったのだが、この日は無いらしかった…。

やはりこういう特別に食べたいものがある場合は面倒くさがらずに電話を入れるなどした方が良かったね、と夫と言い合う。次回は必ず!


という事で出していただいたおすすめ料理(&食べたくて注文した料理)はこちら!


↑これ、めちゃくちゃ美味しかった!

船長さん手作りの「漁師かまぼこ」。

普通のかまぼことは全然違う!

手作りなので温かく、何て言うか…口の中で魚介類が力強く踊り出すような一品(語彙力…)。


ちょっぴり見えにくいが、貝割れ大根が添えられた赤いものは「メンタイカラスミ」。

何と、明太子をカラスミ仕立てにしたもので、味も食感も本当にカラスミ!でびっくりした。

おそらく明太子を干して作ったものだと思われる。魚卵好きの私の心を掴んで離さなかった。

↑雑魚シューマイ。

こちらも船長さんオリジナルメニューである。

揚げてあるがあっさり食べられて、まさに「こんなの100個だって食えるっての!」な一品。

↑これまた普通のニラ玉とは一味違う「タコニラ玉」。

↑数の子(手前)と酢もつ。

さっぱり感が嬉しい酢もつ!

そして、やっぱり魚卵。お正月にあんなに数の子食べたくせに…。

*回転寿司でも回って来たら絶対取る、数の子。

↑お刺身盛り合わせ。

どれも新鮮そのもの!幸せな一皿。

何てったってタコなんて動いていたのだから!

思わず韓国気分。

↑そして、これを食べずには帰れない「ゴマサバ」。

「ゴマサバ」って種類の鯖がいるのかと思いきや、胡麻をまぶしたサバだったとは!

新鮮なサバが美味すぎる一品。

↑何だか気になったので注文した「アラカブの煮付」。

クッキングパパにも時々登場した「アラカブ」なる魚は、実はカサゴ。

注文すると船長さんは「1500円ですが」と値段の確認をしてくれた。良心的!

大阪だったらそのまま出されてるな…。

そんなアラカブ、ふっくらした白身で船長の味付けも濃過ぎず薄過ぎずちょうど良い感じ。絶品!


美味しい料理に箸も全く止まらず、それに合わせてお酒もどんどん進んでしまう。


という事で例のシステムを発動してもらう事にした。

そう、「焼酎1杯100円(自己申告)」である!


↑ずらっと並べられた焼酎。

関西では見た事がないものも。

試せるだけ試したいではないか!


まず、このシステムを利用したいと告げると水割りかお湯割りのどちらが良いか訊かれるので、好きな方を言うと(今回は水割りに)、氷と水のセット(もしくはお湯)を持って来てくれるので、↑の焼酎コーナーから好きな焼酎を瓶ごと持って来て自分で好きな濃さ(当然めっちゃ濃くするのも可)に割って飲めば良い。


私たちは何とか飲んだ杯数を覚えていたが(ちなみに2人で12杯)、大抵の場合は「大体」らしい…。

焼酎だもんなぁ。


後から来店されたお仕事帰りの男性2人組に私たちの跡を引き継いでもらい、そろそろ退散する事にした(そのまま飲み続けていると本当にとんでもない事になりそうだったし)。


私がここにずっと来たかったことなどを言うと、「クッキングパパ」の単行本を持って来てくださったり、うえやまとち先生(クッキングパパ作者の)が書かれたお店のルポ漫画を見たり(カウンターの所に置いてあった)して、とても楽しく過ごす事ができた第三共進丸であった。

適度に放っておいてくれるのも私たちみたいなシャイ人間(本当だってば)にはありがたい。


それにしても…やっぱり九州の魚は美味しい!


子供の頃、魚はあまり好きではなかったが、当時本当にお世話になった近所の熊本出身のおばさん(親戚のおばさん以上によく面倒を見てくれた)がある年の夏に熊本のご実家に連れて行って下さり、そこで初めて心の底から美味しいと思える魚を食べさせてくれたのだった。

そしてこの夜、あの夏の日と同じぐらい心の底から美味しいと思える魚を食べる事が出来た。


大人になった今ではもう魚は普通に好物であるが、やはりあの夏食べた魚を超えるものにはなかなか出会えなかったのだ。


さぁ、まだまだ美味しいものに出会えそうな予感がする。

やって来たタクシーに手を上げ、「○○へ行ってください」と告げた。


○○とは…?次回に続こう。