台湾旅行中の楽しみといえば、台湾の美味しいものをいっぱい食べ歩く事!
しかし、残念ながら今は現地で美味しいものを食べ歩く事は出来ません…。

あぁ、寂しい。台湾に行きたい。

そんな気持ちになったら、この本のページをめくって今すぐ台湾へ飛んで行きませんか?


この本は台湾の地方の様々な料理・食文化を紹介したレシピの本です。


台湾の家庭料理のレシピ本はちらほら見かけるようになりましたが、この本では私たちが台湾で食べ歩く、台湾にいる時でないと食べられない、と思っていたまさに「あの味」を再現できるレシピがぎっしり掲載されています。

魯肉飯や鶏肉飯は日本の家庭でも作りやすいし、レシピも検索すればたくさん出てくるのですが(本書にも掲載)、まさか家で作ってみようなんて思ってなかった、「肉圓」や「羊肉爐」、「客家炒板條」「鍋焼意麺」「牛肉湯」…なんてものまで載っています。

これって本当にすごい!

↑好きだなぁ〜、台南の牛肉湯。

確かに調味料や食材など、レシピには日本で手に入りにくいものも載っているのですが、代用出来る場合は書いてありますし、手に入る場所(中華食材専門店がお近くに無くても、今はインターネットで見つかる事も多いかと)も書いてあるので、全く手に入らないという事も少ないと思います。
*ちなみに台湾の鶏排には地瓜粉が使われているらしいのですが、私は白玉粉を細かくしたもの(袋に入れて上から麺棒を転がすだけ)と片栗粉を適当に混ぜて使っています。

ところで、「台湾料理」とは一体何なのでしょうか?

台湾という国は、元々原住民が住んでいた島です(原住民もポリネシアから移住して来たとも言われています。もしくは逆という説も)。
そこに、大陸から漢民族(客家の人々も)が移住して来て、さらに日本統治時代には日本人も住み始めます。
戦後日本人は去りましたが、大陸から中国各地の人々が国民党と共にやって来ました。
それら台湾に過去・現在住んでいた人々によって、台湾の食文化は多様性を増したのです。

なので、台湾料理って何?と訊かれると「う〜ん…」と唸る事になってしまうのです。
特にいろんな地方から人が集まる台北では、あまりにも多種多様な料理が味わえるので、余計に「?」となってしまうのです。
という事で、著者口尾さんは「まだ知らない台湾の味」を求めて台湾の地方へと向かいます。
そこで出会った様々な食文化や味こそ、「台湾の味」と言えるのではないでしょうか。

今の台湾では、客家料理や、戦後台湾に入って来た大陸由来の眷村料理はもちろん、統治時代に伝わった日本の家庭料理であるおでん(黒輪)やいなり寿司なんかも、台湾で(多少)アレンジされ、根付いた台湾の料理と言っても差し支えがないのではないと思います。

↑眷村料理が美味しい陸光。
良かったらこちら(大好き!ごはんとおかずの台湾食堂)もお読みください。

それにしても、料理とは本当に偉大です。

「台湾に行きたい!」という願いを叶える事は今は出来なくても、その気持ちを慰めてくれ、味覚で旅する事を叶えてくれます。

私もついつい「台湾に行きたい!」と口に出して、泣きたくなったりしています。
そんな時にはこの本を開き、思い出の味がする大好きな料理を作って、食卓の上を台湾にして旅をしたいと思います。

↑大好きなこれも客家料理!
客家料理は日本人の口に合うものが多い気がします。
ご飯に合うおかずが多いの。

皆さまも「まだ知らない 台湾ローカル旅とレシピ」を読んで、テーブルの上を台湾にしてみませんか?