前回の台湾滞在記はこちら↓


忠孝復興駅周辺に到着した私は、約5分ほどの道のりを歩き、2016〜2017年の年越しの日に滞在して以来(詳しくは台湾滞在記2016.12.31①長い1日の始まりにて!)のHOME HOTEL大安に到着。
すごく素敵なHOME HOTEL大安なのだが、前回は1泊しか出来ず、おまけに翌朝は前夜の台北101の年越し花火でくたくたに疲れ切っていたのでなかなか起きられず、また起きた途端チェックアウトという、素敵なホテルに失礼過ぎ、残念過ぎな滞在だったのだ。
なので今回、贅沢にもこのひとり旅の基地をここにしてみる事にした。
駅からも近く、また同じ建物の1階に交番(って台湾でも言うのかな)もある頼もしきHOME HOTEL大安なので、今回のような女性のひとり旅にはぴったりかもしれない。
おまけにコンビニ(ファミリーマート)も行きつけのスパ(普段は中山店に行ってるが)も徒歩で1分以内という便利さなのである。

早速5階のフロントへ行き、チェックインしたい旨を伝え、名前を言いながらパスポートを渡した。
もう今時はいちいちバウチャーをプリントアウトしたものはいらないのだ(とは言え、自分用にプリントアウトしておいても良いと思う)。
ホテルのスタッフ嬢は私の滞在を確認すると、にっこり笑いながら、「もうお部屋をご用意できますよ。
あと、お部屋のアップグレードもさせて頂きました」と告げた。
超おしゃれなフロント中に聞こえるような声で「さんきゅー!!」「謝謝!!!」とお礼を言って、ルームキーを受け取った。
フロントと同フロアの5階の部屋だった。

↑「台湾のわが家」をテーマにしたHOME HOTELはMIT(メイドイン台湾)である事や、台湾原住民をモチーフにしたデザインをホテルのあちこちに取り入れている。
この部屋番号の札も原住民の数字記号があしらわれている。
*ホテルに関しては後日別記事(勝手に滞在先レポート)にて詳しく書きます。

朝早くからの移動で疲れ切っていたので、部屋を片付けたり、スマートフォンを充電したりしてだらだら過ごしてしまう。
夫と一緒なら、「早く行こう」とうるさくせっつかれるので重い腰を上げざるを得ないが、ひとりである。ひとりなのである!
思う存分1時間以上だらだらし、お腹が空いてきた(欲望の赴くまま…)のでようやく出発する事にした。

ホテルがある復興南路の大通りから路地に入り、大体の目的地に向かって歩いた(いつも道を間違う原因)。
「へぇ〜、こんな店があるのか。雲南泰料理?食べてみたい!」「焼肉居酒屋乾杯…前に高雄で入ったな」などと、好奇心のアンテナを360°全てに向けてキョロキョロしながら歩いた(危ないっつーの)。

↑表通りは大都会台北といった様相だが、一歩道を中に入れば花や緑がたくさん。

…とここであるお店を発見した。


大好きな騷豆花である。
昨年も9月に台北旅行に来た際に訪れ、美味しいフルーツ豆花を堪能した。
このお店の前を素通り出来るわけがない。
お店の扉を開け、你好!というと店員さんもにっこりして你好、と返してくれ、席へと案内してくれる。
メニューを渡されたので、席でじっくり考え、カウンターで注文と会計を済ませた。

そして、再び座って待っているとやって来たのは…


バナナ豆花!

昨年来た時に食べたのはマンゴー&西瓜豆花だったが、この日の台北はいかにも秋の始めといった天気で、薄曇りしていて風もあり、時折肌寒いぐらいだった。
これなら昨日の大阪の方が暑いぐらいだ。
だから、さすがにもうマンゴーという気分にはなれず、さりとて冬限定のいちご豆花はまだ時期ではない。
すると、メニューに仲間入りしたというバナナ豆花が目についたので注文してみた。

ぷるぷるした豆花と氷とバナナを口に運ぶ。
とても美味しい。美味しいけど…寒い!
そうだった。この店はエアコンが効き過ぎていて寒いぐらいなのだった…。
豆花を味わいつつもなるべく急いで美味しく食べ、「謝謝!」と店を出た。
またいちご豆花の季節に来たいなぁ。

再び忠孝東路に出る。
まっすぐ忠孝敦化駅の方に向かうと目的の商業施設が見えて来た。


頂好名店城である。

今までこの付近にあまり来た事がなかった。「頂好名店城」という名前こそ何となく知ってはいたが…。
なかなかの昭和的なビルの雰囲気に一瞬怯むが、意を決して目の前にある階段で地下に下りた。

今回の旅行前に、この頂好名店城にある、あるお店をある方から教えて頂いた。
ある方とは「オモシロはみだし台湾さんぽ」「もっとオモシロはみだし台湾さんぽ」の著者である奥谷道草さんである。
私がこのブログで「間に合った!台湾本ざっくりレビュー」という記事を書いた時に、偶然拙ブログを目にされた奥谷さんが、わざわざ「本に載せた店が現在一時休業中である」という事をコメントしてくださり、それ以来時折メッセージを送らせて頂いたりしているのである。
そんな私の無礼なメッセージに対してもいろんな事を教えて下さる、優しき台湾街歩きの達人でいらっしゃるのだ。

今回も「オモシロはみだし台湾さんぽ」に載っているあるお店に行こうと思ってます、というメッセージを送った事から、最近そのお店の形態が変わってしまった事を、そしてその代わりにめっちゃ行きたくなるお店をいくつも教えてくださったのである。
今回の旅の間に、そんな「達人セレクト」のお店(どれも間違いない!)にいくつか行ったので、皆さまにもぜひご紹介したいと思う。
*ちなみに2019年10月29日には、奥谷さんが手掛けられた「散歩の達人 台湾さんぽ(旅の手帖MOOK)」が発売されます!楽しみ!

さぁ、話は戻って頂好名店城である。
地下はフードコートになっていて、その中でも断トツで人気があるのが教えてもらった「頂好紫琳蒸餃」であった。

↑この蒸籠の数!ひっきりなしに餃子を包む料理人たちを見ただけでこのお店が美味しいとわかる。

圧倒され、ふらふら…とお店に近寄って行くと、店員さんが「中で食べる?持ち帰り?」と訊いてくれ、「内用(ネイヨン)」と答え椅子を指差すと、すぐに席に案内してくれた。
注文表もすぐに持って来てくれたので、どれどれ…と見てみると、なるほどどれも美味しそう!
蒸し餃子と酸辣湯に印をつけて数を書き込み、先程の店員さんに渡した。

すると、私が座っていた4人がけの席に同世代と思われる男性が座った。相席である。
その男性は注文するとすぐにレンゲやお箸を取りに行ったので、私も真似をして取りに行った。
ふんふん、餃子のタレもそこで作って持って行くわけね。
そして席に戻るとまずは酸辣湯がやって来た。

↑この酸辣湯を見て「あ〜ハイハイ、この店絶対美味しいわ」と再び確信した。
なぜか?具がめちゃくちゃ綺麗に切り揃えられていて美しいからである。
丁寧に作られた事が一目でわかる。そんな酸辣湯を出すお店が不味いわけない。

そして相席の男性には鍋貼(焼き餃子)。
うわっ、やばい!鍋貼も美味しそう!
この人が夫やったら一個味見させてもらえるのに…。

当然その人は夫ではないので「一個ちょーだい」と言えるはずもなく、酸辣湯を啜った。やはり美味い!
酸味が食欲を刺激してくれ、疲れを癒してくれる。
そして香菜の風味も良いアクセントになっている。
そのまま夢中で酸辣湯を食べまくり(具がしゃきしゃき!)、蒸し餃子が登場する前に食べ終えてしまった…。

「まさか、私の蒸し餃子忘れられてないよね?」とちょっと思ってしまうぐらいの間があって、ようやく蒸し餃子がやって来た。


どれどれ、とむっちりした蒸し餃子をお箸で掴み、タレの入った小皿へ…と運ぶ途中でビシャッとタレに落としてしまう。
服の柄のおかげでこぼした事はあまりわからないが、私自身が酢醤油臭くなってしまった…。

気を取り直してようやく蒸し餃子を口に運ぶ。
むちむちした皮の食感が唇に心地良く、歯で餃子を噛み切ると肉汁がじゅわっ…!
最初運ばれて来た蒸籠を見た瞬間、「うわっ、多い!全部食べられるやろか…」と思ったが、この美味しさなら余裕である。
やっぱり台湾では小籠包より蒸し餃子(or水餃子)なのだ。
嘘だと思うなら食べ比べてみて欲しい。
きっと、「小籠包が一番美味しいと思ってたけど…蒸し餃子もめっちゃ美味しいね!」と言ってもらえるはずである。
あと、小籠包レストランより蒸し餃子や水餃子のお店の方が地元の人で賑わっているのがわかると思う。

人懐っこい店員さんたちに会計をしてもらい、とても美味しかった事を伝えて店を後にした。
これは絶対再訪せねば!
次は鍋貼も食べようっと、と思いながら忠孝東路を忠孝敦化駅に向かっててくてくと歩いた。

↑やたらといろんな場所にマツモトキヨシが出来ていた。