前回の滞在記はこちら↓


駅を出て、案内板の指示に従いタクシー乗り場へ。
運転手さんに紙に書いておいたホテルの住所を見せると、頷いてからスーツケースをトランクに入れてくれた。

タクシーは花蓮の市街地に向けて走り出す。
台湾東部最大の街なだけあって、駅前からして大きな街という印象だ。
市街地に出ると、台北でよく見かけるようなチェーン店(ドリンクスタンドやドラッグストアなど)や、日本にもあるこれまたチェーン店(マクドナルド、スターバックスなど)が一通りあるようだった。
もちろん、台湾と言えばのコンビニもそこかしこにある。
そして、花蓮に行ったら行ってみたいと思っていたあの店やこの店もしっかりと存在していた。
この辺りは翌日歩いてみる予定である。
もう、わくわくが止まらない。
そんな私を乗せたタクシーは10分ほどで今回滞在するホテル、ジャストスリープ花蓮中正館に到着した。

おお!本で読んだ通り歩道には大理石が敷き詰められている!さすが大理石の産地。

ホテルに入り、フロントでチェックイン。
フロントのスタッフさんに「レンタサイクルはある?」と訊いてみると、残念ながら無いとの事。
翌日は自転車で花蓮市街地を回ろうとしていたのだが…。まぁ、無いものは仕方ない。

がっかりしながらも、部屋に入ると嬉しいサプライズが!
何とアップグレードされていたのだ。
うきうきしながら荷を解いて、片付けてひと休みする事にした。
*ホテルについては後日「勝手に滞在先レポート!」にてご紹介します。

部屋の窓から見える、花蓮の街に夫も私も大興奮であった。
「真ん前に熱炒が!」「コンビニはあそこやな」「あれ何の店?」「こっち(見えない方向)に有名なワンタンのお店があるんやけど…」…などと、ひとしきり騒いだ後、夫はカウチに横になり(そこは私が横になろうと目をつけてたのに!)、テレビを点けた。

ちょっと!それじゃ家と同じやろ!っつーか代わってくれへん?

空がだんだん暗くなって来たので、そろそろホテルを出発する事にした。


台湾南部も南国感があるが、花蓮はさらに南国的な雰囲気があった。
そしてどこか異国的な情緒(台湾は私にとってはもちろん異国なのだが…)も感じる。

まずはホテルからほど近い場所にある、「花蓮文化創意産業園區 a-zone」を見学する事にした。
今や台湾中に点在する文創園區である。
さて、花蓮の文創園區はどんな感じなのだろう。


この花蓮文化創意産業園區は日本統治時代に造られた酒造工場をリノベーションしたものだそうだ。
中には花蓮の特産品などを扱うショップやカフェ、レストランがあるらしい。

この日は平日だったし、ただでさえ人口密度の低そうな花蓮であるので、園内にはあまり人がいなかったが、ギターの弾き語りをしていた人がめちゃくちゃ歌が上手くてびっくりした。
周りに人が少ないのがもったいないぐらいだ。
しばし、聴き惚れながら贅沢な時間を過ごした。

そう言えば、台湾東海岸には原住民がたくさん暮らしていると言う。
そして、原住民は歌やダンスが上手いという事を聞いた事がある。
園内のショップにも、原住民が作った「小米酒」や原住民について学べる本が売られていた。
*原住民という呼び名は台湾政府が公式に認定した名称。
日本人が使いがちな「先住民」という呼び名の方が台湾では「現在はいなくなってしまった人々」という意味であるそうなので、このブログ内でも台湾の原住民については「原住民」と書く事にしています。

わんこがセルフでお散歩(首輪を着けていた)。
統治時代の建物をリノベーションしたものなので、和な雰囲気。
トイレも和風かつモダン!
何て言うのだろう?映写機みたいに地面に映していた。お洒落!

では、そろそろ夜市へ行こうかという事で花蓮文化創意産業園區を出発!てくてく歩き始めた。

10分ほど歩くと、夜市の端っこらしきものが見えて来た。
この花蓮名物の1つである東大門夜市は、4つの通り(夜市)で構成された巨大な夜市なのだそうだ。
4つの通りは福町夜市・大陸各省一條街・原住民一條街・自強夜市である。
それぞれに個性があり、福町夜市は子供さんが喜びそうなゲームの屋台がたくさんある通り、大陸各省一條街には名前の通り中国系料理の屋台などが、原住民一條街にはもちろん原住民料理の屋台や、原住民カクテルの屋台がある。
そして元々地元で人気のあった自強夜市には、大人気の串焼きの屋台(この店は整理券を配るほど大人気!)など、元の自強夜市で人気だった店が入っているのだそうだ。
歩いてみると、台湾の他の地域の夜市とは全く雰囲気が違っている。
このブログ的にお勧めなのはやはり原住民一條街から自強夜市エリアである(美味しいもの中心エリアなので)。

さぁ、美味しいものをたくさん食べるぞ!

では、東大門夜市に突撃してみよう!


この辺りは福町夜市。
ゲームの屋台が多くて、子供も大人も夢中に!
食べ物の屋台はわりと一般的な食べ歩き出来る系のものが多い。


そして、原住民一條街に入ると早速原住民カクテルのお店が。
店内にはちゃんとメニューもあるので安心だ。
私はバーテンダーのお兄さんにお勧めを訊き、それを作ってもらった。
わかりやすい英語で聞いてくれるので(sweet or sour?みたいな感じで)、小米酒を使った美味しいカクテルを飲む事が出来た。ありがとう、お兄さん!


そしてお次は原住民料理を。
お店からはとてもいい匂いが!
優しそうなおじさんが呼び込みをしていたので呼び込まれてみる。
客席は何とこのお店の奥にあり、ゆっくり食べられる。


席に着くと出してくれた温かいお茶が嬉しい。


原住民料理と言えば、な竹筒飯と石板総合烤肉を注文。
お肉を玉ねぎ・ニラと炒めた、言わば肉野菜炒めだが、私が作るものとは一味も二味も違う。
この料理には原住民料理で使われる独特の香辛料「馬告」が使われていて、ピリッと爽やかな風味を出していた。
馬告とは山胡椒と言うものだそうで、確かに黒胡椒っぽいピリピリ感があるのだけど、どちらかと言えば山椒のような爽やかな風味とレモンのような香りがあるのが特徴だ。
昔祖母と山に山椒を摘みに行った事がある私は、どこかこの馬告の香りに懐かしさを感じた。
竹筒飯も美味しくて、夫と取り合うように食べてしまった。


美味しい原住民料理を食べた後、ある屋台の前でフリーズ!
前に台南の花園夜市で食べた、美味しいタイのバナナクレープが売っていたからである。
もちろん、速攻でお店のお姉さんに注文!
果たして、久々に食べるその味は以前食べたものと同様に甘くて美味しかった。
今度こそタイで食べてみたいもんである。


こうなったらもう止まらない!
普段夜市ではそんなに飲食しないのだが(本当よ)、目の前に現れた葱油餅に卵を入れた花蓮名物を注文。
そしてとうとう自強夜市エリアに突入!
「辛いの要る?」と訊かれたので「しゃおらー(小辣)」と答え、熱々の葱油餅を受け取った。
これって卵が半熟でぶちゅっと出てくるのだろうか?
お店の方もご親切に「ぶちゅっと」なった時の為にティッシュまで巻いて渡してくれた。

…が、しかし。
いい感じで火が通ってしまったようで、ぶちゅっとなるほど卵は半熟状態では無かった。
…ちょっとホッとした。


賑わう自強夜市エリアで、またまた気になる屋台発見!
今度はカクテルではなく、生ビールがある屋台だった。
ハイネケンやバドワイザーの生ビールも飲めるようだったが、それは日本でも飲める。
しかし、台湾ビールの生は珍しい。
今まで何回、メニューを見て「生があるって書いてある!」と夫と喜びながら注文しても、瓶に「生」とプリントされた台湾啤酒を持って来られた事だろうか…。
しかし、この店にはしっかりサーバーが置いてあるので間違いなく生の台湾ビールが飲めるのだ。

とりあえず「台湾ビールの生」を注文すると、店の奥の席に案内された。
店の奥を見てびっくりする。
何店舗か共通のスペースだったが、「ここはビアガーデンか!?」と思うほど広かったのである。

台湾の夜市と言えば、大抵賑わってるものだ。
だけど、時には人が多過ぎて、買った食べものをゆっくり食べられない。
だから気になる屋台はたくさんあるものの、結局何も食べない事が多いのである。
屋台料理は日本人としてはビール片手に食べたいような料理が多い。
でも、台湾の夜市はそれを許してくれない。
こちらとしても混み合う夜市で缶ビール片手にして、白い目で見られ、人混みに押されながら歩きたくはない。
しかし、ここ花蓮にこんな夜市パラダイスがあったのである。
思わず再びお店に戻って海老の串焼き(しかも天使の海老)を追加注文してしまった(もちろん美味しかった!)。
この出会いは私たち夫婦にとって本当に嬉しい事だった。
*高雄の六合夜市も自由に使えるテーブルと椅子が並んでいるので料理と一緒にビールを飲みやすい。

そろそろ帰ろうかと席を立ち、ぶらぶら歩いていると、何かショーのようなものをやっている場所があったので立ち寄ってみた。
何と、原住民のダンスショーをやっているではないか!
花蓮に到着してまだ数時間しか経ってないのに、すっかり原住民に夢中な私である。
それにしても何という盛りだくさんな夜市なのだろう。
少し雰囲気は異なるが、現在のように立派なビルが建つ前のハワイのインターナショナルマーケットプレイスを思い出した。
私はあそこが大好きだったのだ。
原住民とハワイアン。やっぱり大好きな台湾とハワイはどこか共通点がある気がしてならない。
その事を翌日さらに実感する事になるのだが、とりあえず初日はここでおしまい。