九份を後にし、台北の寧夏路夜市に向かってもらう。
最初、友人達は初めての台北の夜だからより規模の大きい饒河街夜市にしようかと思ったが、きっと慣れない台北の湿度の高さなどにも疲れてらっしゃるだろうし、夜市とはどんな雰囲気かを見てもらうぐらいで良いだろうと判断したので、規模は小さめだが、美味しい食べ物の屋台が並び、地元の人にも我々観光客にも人気のある寧夏路夜市が良いだろう、との判断だった。
その後のスケジュールを考えると動線的にもここがベストのはずである。

まず、夜市に入る前に民生西路側のセブンイレブンに入り、お手洗いを済ませたり、お茶や水など飲みものを(必要ならば)購入しておいてもらう事にした。
台湾のセブンイレブンは店内に椅子やテーブルがあるのでそこでお手洗いの順番を待ったり、一休みしたりするのに便利である。
全員準備が完了したので、いざ夜市へ突入!

今や台北の夜市でも人気ナンバーワンと言って良いかと思う寧夏路夜市はこの日も平日ながら混み合っていた。
私は早速愛玉檸檬のドリンクを手に入れ、さて何を食べようかと思案した…が、その時「何この匂い!」との声が上がった。
「この匂い」の元はもちろん臭豆腐だったが、やはりこの蒸し暑い中初めて嗅ぐ臭豆腐の匂いはよほど強烈だったようだ。
匂いで体調を崩されたら大変だし、夜市は早々に退散する事にした。
寒い時ならまだしも、暑い時に初めてあの匂いを体験するのは確かにキツいと思う。
私も今でこそ匂い自体には慣れたが(でも食べられそうにない…)、やはり夏場に嗅ぐと一瞬具合が悪くなったりする。

夜市という場所も私は大好きだが、中年期以降の人間にとっては落ち着かないし、特に食べたいものも無いと思ったりするようなので(実は夫もそんな感じで、ちゃんとした店で食べたいと言ったりしてくる)、案内する時にはおまけ的な感じで行くようにして、メインの晩ごはんはどこか別の場所を考えておかねばならないなぁ、と反省する事しきりであった。

また再び民生西路に戻り、夜市の入り口辺りにあったフルーツの屋台で枝付きの新鮮なライチを購入した。
7月に入っていたからもう無いかも…と思っていたが、見つけられたから嬉しかった。
ホテルの冷蔵庫で冷やしてお風呂あがりに食べようっと!楽しみ!

私はライチとこの後のお楽しみで今日の晩ごはんはもう充分だが、他の方にはごはんを食べてもらわねばならない。
評判がわりと良い、角子虎水餃に入る事にした。
しかし、店内に入るともう閉店間際だった。
断られるかな…と思ったが、意外にも「どうぞ」と席に通してくれたので、小籠包や大根もちなどを注文。
先ほど購入したライチも味見してもらう。
しばらくすると、ホカホカの小籠包が運ばれて来た。
「美味しい!」と喜んで食べていらっしゃったので安心したが、小籠包を食べるならちゃんとお勧めのお店をご案内したかったから、またまた申し訳ない気持ちなる。

店を出て、私が台北で一番美味しいと思うマンゴーかき氷のお店二店のうち一店である「冰讃」へ(もう一軒は百果園)。
角子虎水餃からは目と鼻の先だ。
もう夜も遅い時間だが、まだまだ人で賑わっている。
新鮮なマンゴーが手に入る期間しかオープンしないこの店のファンは多い。
ただ、今回一押しの芒果雪花冰は氷自体がミルクで練乳もたっぷりかかっているため、乳製品が得意では無いIさんには食べてもらえなくて残念だ(しかし、あまり練乳のかかってないマンゴーを食べて「美味しい!」と仰られていたので安心した)。
これなら百果園にお連れするべきだったが、今回はその機会が無かったのがダブルで残念であった…。

今年もふわふわ雪花冰にジューシーマンゴーは健在!
プリンも美味しい!
*しかし、若干「?」と思った事はこちらに

冰讃を出たら、1日の締めにリクエストだった足裏マッサージへ!
友人達のホテルからわりと近い、24時間営業の「千里行」へタクシーで向かう。
車窓から眺めていると、南京東路沿いに日本の飲食店のチェーン店がものすごくたくさんあるので驚く。
くら寿司にやよい軒、モスバーガーに吉野家って…うちの近所か!?
しかし、松江南京駅周辺のこの辺りは美味しい食べ物屋さんが多いエリアなのである。
私も一度この辺りに滞在して食い倒れたいものだ。

千里行に着くと受付で「今ちょっといっぱいだから、少し待ってもらってもいいですか?」と流暢な日本語で訊かれる。
この後どこに行くわけでもなし、全く問題ないので快諾した。
この店には初めて来たが、大きくて立派な建物なので勝手に「何だか高そう…」と思っていた。
しかし、実際には他よりほんの少しだけ安かった。
中山〜松江南京〜行天宮辺りの日本人がよく滞在するエリアにはマッサージ店がたくさんあり、このように日本語は当たり前のように通じる(マッサージ師さんは片言の事が多いが)。
それが若干旅情を削ぐような気もしないでもない。
そんな時はこの辺りを外して行くと良いかもしれない。
肝心のマッサージだが、この日は「当たり」だった。
容赦なくグリグリされると次の日に響いたりするので、痛気持ち良い程度に弱めに揉まれるのが好きなのだ。
それで血行を良くしてもらってむくみが取れたなら、後は何も望まない。
あと、私はおばさんのマッサージ師さんとは相性が良くないから、出来たら男性の方が良い。
わりと恰幅の良い人で、尚且つ厚みのある手の持ち主ならパーフェクトだ。
おばさんは雑な事が多いし、力の弱さをカバーしようと力任せにマッサージしてくる人が多いから苦手なのである。
この日のマッサージ師さんは男性だったが、他のマッサージ師さん達とぺちゃくちゃお喋りしすぎな事以外は特に問題は無かった。

ちょっと辛口であるとは思うが、私も疲れた時などに足裏マッサージなどのマッサージに行くのは大好きなのだ。
しかし店によってというより、マッサージ師さんによっての合う・合わないの差が大き過ぎる(上手がどうかより合うか合わないかが重要)。
それならもう少し料金を上乗せしてスパ的なマッサージ店に行ってリラックスするか、治療系(観光客にはハードルが高いかも)の整体などの店に行く方が満足度は高いように思える。
後は自分に合うか合わないかは最初はわからないが評判の良い先生を指名して行く、などであろうか。

いつの間にか寝てしまうぐらい心地の良いマッサージをしてもらい、すっかりすっきりした足で店を出て友人達と別れた。
深夜に一人でタクシーに乗るのは避けたかったが、仕方ないのでタクシーを拾いホテルに戻った。
ようやく戻った部屋に早くもホッとし、シャワーを浴びて、ライチを枝から外し、皮を剥きまくって食べた。 
剥いてる最中から汁が溢れてくるほどジューシーなライチであった。
食べ終わったので歯を磨いてもう寝よう。

ようやく、長かったおばさん台北ひとり旅の第一日目の終了である。
次の日も楽しい一日になりますように。

冷凍のライチは真っ黒だが、新鮮な生のライチは赤くて綺麗。