今回は山下マヌーさんの新刊「気になるハワイ・ネイバー」についてお話します。

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「ハワイ?台湾関係ないんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、実は私にとっては大いに関係があるのです。

私が初めて海外旅行に行ったのは29歳の時です。
どちらかと言えば遅い方ではないでしょうか。
若い頃は海外旅行どころか旅行どころじゃない状態が続いていたし、そんな状態だったので、自分の心の中にある「海外旅行」の箱は開けずに奥深くにしまい込んで、全く興味がないものとしていました。
そんな私が初めての海外、しかもハワイに行くことになったのは、結婚したからなのでした。
私は式を挙げたいとかそういう希望もなく、入籍だけで良いと思いましたが、夫は「せっかくだから新婚旅行にハワイに行って、そこで式を挙げよう」と言ってくれたのです。
それでハワイに行く事になり、手配もすぐに夫がしてくれ、無事にハワイへ旅立ったのでした。
初めての海外旅行、初めてのハワイはやっぱり最高に素晴らしかった…!
一気にハワイが好きになり、またハワイに行きたいと思ったのですが、旅行に掛かった費用を考えると「あれは一生に一度の事だったのかも…」と思い、ハワイに焦がれながらも、「もう行くことはないかも知れない」と思っていたのです。

そんな時、当時よく通っていた図書館で「せめてハワイの事が書いてある本でも読もう」と探している時に出会ったのが、山下マヌーさんの「お値打ちハワイ」だったのでした。
図書館の本だったから帯が外してあったので、とてもシンプルな装丁で(マヌーさんの本はほとんどが帯を外すと洋書風なシンプルな装丁になっている)、本の中をぱらぱら見てみると、写真は最初の方にいくつか載っているだけで、本文に添えられてるのは挿絵なのでした。
その本にただ事では無い何かを感じた私は、早速借りて帰り、夢中になって一気に読み、マヌーさんの文と牧野さんの挿画を通して想像するハワイにさらに夢中になりました。

その後マヌーさんの著書を片っ端から読み、私の旅のスタイルが受動的なものから能動的なものに完全に変わったのでした。
まず、それまでは普通の温泉旅行に行くのにも旅行代理店を通していたような私が、個人で何もかも手配する個人旅行をするようになったのです。
これを繰り返すうちに自分でも旅力がついたような気がします。
旅先での宿やレストランの英語での予約、行きにくい場所への旅、何もかも自分で勇気を出して動かないと、旅での感動は得られません。
そんな事を教えてくれたのもマヌーさんです。

新婚旅行で行ったハワイは挙式もするためだったので、それも費用に含まれたパッケージツアーになり、おまけに新婚旅行だからと席はビジネス、ホテルはハイアットでした。
しかも、オプショナルツアーも滞在中毎日日替わりで申し込んだので、ツアー料金総額は…今なら考えられない金額でした(今一番信じられないのは、それを全部夫が決めていた事かも!)。
マヌーさんの本を読むと「えっ、うそ!?そんなに違うの!?」と思う事の連続で、費用を賢く抑えるコツやお値打ちなお店がたくさん載っているのです。
ホテルも普通にガイドブックやツアーでは載ってないような(当時)ホテルも色々掲載されていて、私は完全に確信したのです。「これならまたハワイに行ける!」と…。

前置きがかなり長くなりましたが、今回の本題「気になるハワイ・ネイバー」です。
ハワイ諸島にはホノルルがあるオアフ島を始めとし、ハワイ島・マウイ島・カウアイ島・モロカイ島・ラナイ島(他にもありますが、今現在観光客は立ち入れない島なので省きます)の島々があり、どの島も非常に魅力的で行ってみたい島ばかりです。
だけど、ほとんどのハワイリピーターがオアフ島のみにしか行った事がないと言うのです。
かく言う私も、一度だけハワイ島に行った事があるぐらい。
マヌーさんを通して知り合ったハワイ好きな人たち(Facebook上にマヌーさんを中心とした旅好きな人たちのグループ、MTMというものがあり、私もその一員なのです)に「他の島には行かないのですか?」と訊いてみても「う〜ん、やっぱりオアフが好きだしね〜」「オアフの方が便利」という返事が返ってきました。
「ハワイ好き」「旅好き」という人々でもなかなかネイバー(オアフ島以外の島)に行くのを躊躇う人が多いのです(もちろん、頻繁にネイバーに出かける達人たちもいらっしゃいますが)。
だけど、マヌーさんのFacebookやInstagramを見ているとネイバーにも訪れてらっしゃって、私はそれを見るたびに「おっ、次はハワイ島の本かな!?」「マウイ島かな!?」などとわくわくしたのですが、なかなかその兆しはないのでした。
そこで待ちに待ってようやく今回の「気になるハワイ・ネイバー」です。

中身はぜひ手に取って読んで頂きたいのですが、各島の魅力をマヌーさん目線で紹介してあり、とても素晴らしい本でした。
大好きなハワイ島にもまた行きたいし、他の島にも絶対行こう!と決心しました。
あとがきに書かれていましたが、今回のこの「気になるハワイ・ネイバー」を出版されるまでに紆余曲折があったようで、「売れる本を出さねばならない」という出版社側との折り合いがなかなか着かなかったようなのです(売れる本=オアフ島が中心になった本)。
そして、20数年前に書かれた「ハワイ個人旅行丸得マニュアル」(大好きな本で、マヌーさんにサインをしてもらった大切な本です)を世に出される時にも「ツアー旅行が主流なのに、個人旅行の本なんて売れないのでは?」と出版されなかったかも知れなかった、というのを読んで「本当に出版されて良かったなぁ」と思いました。
この本が出版されてなかったら、もしかしたら未だにまだツアー旅行が主流だったのかも知れません(ツアー旅行が全くダメだというのではなく、自由度を重視した個人旅行という選択肢があって欲しいという事です)。

私が今現在で最後にハワイに行ったのが2013年の4月です。
その時に初めてのネイバー、ハワイ島に行ったのですが、それがハワイに行かなくなったネガティブな原因ではなく、「ハワイ島に行ったから、ハワイと新しい付き合い方が出来るようになった」のです。
それまでの私はある意味ハワイが好き過ぎて、毎年必ずハワイに行けなければ頭がおかしくなりそうだったし、一年のうちハワイに滞在している一週間だけが自分の人生の全て、のような気がしていたのです。
だけど、その時ハワイ島にいたたった4日間で、もっと自分の生活、人生、毎日を大事に過ごせるようなスイッチを押してもらったような不思議な感覚を覚えたのでした。
その時ハワイ島ではっきりと「これでしばらくハワイに行かなくても、私は大丈夫」と思ったのをはっきりと覚えています(そして、その同じ年の夏に台湾に初めて行き、今に至ってるという…)。
それからすでに4年経ちましたが、愛犬もシニアの域に入り、なるべくなら長期間ペットホテルに預けないようにしたいので、ネイバーへはしばらく行けそうにもありませんが、久々にハワイへ飛び、オアフ島でネイバーの空気を感じるような自然がいっぱいな場所でただ海を眺めてボーッとしたり、泳いだりしたい気持ちです。