日常とは異なる、ハレの場に出会える街、Hareza(ハレザ)池袋に
非日常の極みともいえる、「吸血種」のドラマを観にいってきました。
ハレザ池袋は2019年コロナ蔓延の直前に柿落とし公演を観て、今年の夏に「GREAT PRETENDER」を観て、今回で3回目。
劇場は素晴らしいけれど、周りが・・・・
演目は、
「ヴェラキッカ」
そもそも「TRUMP」シリーズを知らず、公式HPのイントロダクションを読んでも、難しい表現が並んでいて、いまひとつ理解できないまま、
ただ綺麗なヴィジュアルと、主演の美弥るりかさんの演技・歌・ダンスを観たいという動機だけでチケットを購入して行きました。
今日観劇してから、イントロダクションを読み直してみると、
やっとちょっと理解できるようになりました。
そして、
"「ヴェラキッカ」という一族を通して、「人の想い」を奇怪かつ情念深い物語で描き出していきます。"
この一文に全てが凝縮されていると思いました。
宝塚歌劇のように舞台背景や装置が目まぐるしく変わるわけでなく、
衣装も主役の美弥さん以外はほぼずっと同じ衣装でしたが、
照明の光を駆使し、舞台が美しく演出されて、見飽きることはありませんでした。
若い頃に観たミュージカルは、海外の有名な出し物で、壮年期の方々が活躍されるイメージでしたが、今頃はオリジナルの演目で若い俳優さんたちが大活躍されていますよね。
感覚も新しく、観ている自分も何か新しいものをインストールされたような気分になります。
人の想い、それも「愛」がテーマ。
観ている間、愛するのと愛されるのと、どちらが幸せなのだろうとか、
愛がまったくなくて、生きていけるのだろうか、とか、
愛するが故に傷つけてしまうことは仕方ないのか?
避けられるのか?とか、、、
ちょうど、昨晩、かつてとても仲良くしていたひととの久しぶりのやりとりで、
過去の感情の行き違いや、それによる記憶の相違によって、起こった出来事の意味づけが、
それぞれでまったく違っていたことに愕然としたばかりで、
なんだかとっても、私にとってタイムリーなストーリー展開に、つい、、、、
泣いてしまいました・・・(まさか泣くとは)
吸血種といえば、古いヨーロッパのイメージですが、
この話はどちらかというと、バーチャル世界、メタバースとか、ムーンショットとか、
未来世界を想像させるものでした。
肉体を超越した想い、そして、どのような時代にあっても愛は普遍であり、
ひとは死んでも愛や思い出は残り続けるのか・・・・
上質な短編の小説をひとつ読んだような後味を大事に体の中心に抱え、
池袋の雑踏で気持ちを削がれないように気をつけながら帰途につきました。