夫の病院は「最後の砦」な病院。


連日、他の町からお手上げもしくは設備不足で診きれない患者さんが送られてくる。




でも本当に亡くなる寸前の人はどこに行こうと亡くなってしまう。



病院DNR (Do not resuscitate) 心停止しても蘇生処置をしないで下さい。と前もって患者さんが署名する。呼吸器が含まれることもあり病院



昨夜DNRの93歳のおばあちゃんの家族がDNRをキャンセルしフルコードに変えた。ということがあり、パパが珍しく怒り心頭で帰宅ムキー


何が問題か?



1、本人が「早くお迎えが来て欲しい」と言うほど苦しかったし死が間近だった。

2、年齢と骨の状態。87歳のおばあちゃんに心臓マッサージすると肋骨が折れる確率が高い



家族にその旨を説明しても、
断固としてフルコード。




パパはおばあちゃんに「ごめんね。」と謝りフルコードに変えた。



結果、おばあちゃんの肋骨はボロボロに折れ心臓こそは動いてるけど、あんなの病院じゃなくて地獄だ。って言ってた。



面会に来てくれた家族をほっとさせたいから患者さんは元気に振舞い家族は期待を持つ。
愛情に満ちた家族ほど患者さんの負担が大きくなるような気がする。

あとは信じたくないけど、患者さんが年配の人だと年金を当てにした家族が肋骨ボロボロで呼吸器やら色んなチューブをした患者さんを、ただ息と心拍を続けるのみ生かし続けるようなケースもあるらしい。


もう悪魔としか言いようがない。




心からそう思っても


「絶対に良くなる!」
「末期でも治った人もいる!」


と本当の本当に末期の人に、そうやって励ますのは逆にプレッシャーになるのかなと思った。





私も実際、亡くなったチェロの先生に




「私も側で応援してるから。一緒に戦おうね」




って言ってた。




8ヶ月後の検診でガンがなくなってたから、その時も「やったね!勝ったね!」って喜んだのに


翌月に亡くなった。



今思えば変な励ましよりも「何か私に出来ることないかな?」だけのほうが良かったように思う。




応援は心で出来るし、お祈りだって密かに出来るから励ますのは告知された直後の一回だけで十分だったなと今になってそう思う。