「city N23」

私の作品紹介です。　（考えた末に、他ブログでのように第○回とはせずに更新していこうと思います。）

新旧問わず、私の作品をエピソードなどと共に紹介します。

今日は、現在豊田市美術館で開催中の「Toyota Art Competition」に入選した作品をご紹介♪

展覧会は今週末28日までです!!　（入場無料）

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　　　　　　　　　　　「city N23」

2009年制作　素材：キャンバス・油彩・アルキド樹脂絵具　サイズ：182×91cm

去年、私は久々に街を描きたい衝動に駆られた。

５年ほど前までは、街を俯瞰したような構図を好んでモチーフにしていた。

天候や季節や時間で変化する街の様相と、そこに暮らす人の息遣いのようなものに興味をそそられ（でも人は描きませんが）、どこまでも続く家々の屋根やマンションや神社の緑や電車などを描いていた。

いつしか、街に差す刻々と変化する雲の影や、雲の下に降る雨がかたまりとなって見える様子など、自然現象が見せる一瞬の存在に、より興味が移行していき、その後はそういった現象だけをモチーフにした作品を制作していた。

それが突然、街を、それも今の私を作るきっかけになった街を描きたい、と思ったのだ。

タイトルのNは、親の転勤で一時の仮住まいのつもりで住み始めたのに、いつのまにか拠点になっていた街、名古屋の頭文字である。

くねくねと生き物のように続いていく道や建ち並ぶ家々、どこまでも遠くに広がっていく世界を表現したかった。

日々変わらないようでいて、その姿はたとえば季節や時刻、そして何よりも私の心の持ち方一つで変幻自在に変化する。風景が見せる一瞬の姿を私は画面に留めたい。

　　　　　　　（2010年2月3日の「寄り道blog」(so-netブログ）掲載文を少し編集）

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