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先日、中堅の出版社である秀和システムが、事実上の倒産というニュースが
流れました。
私の中で、秀和システムさんって良い出版社のイメージです。
でも、当然ながら中のことはわかりません。
今回の件は、「もう出版社としてやっていけないから、他の出版社にうちを
丸ごと買ってほしい」という依頼ですね。
「秀和システム」という出版社が、この世から無くなってしまうのは避けたい
ところなんでしょう。
私もブックライターとしてお世話になった出版社でもあるので、この後、どう
なっていくのかを見守りたいと思っています。
出版業界に20年以上いて、「出版社が倒産」というニュースは、幾度となく
聞いてきました。
まず私自身は4冊の本を出版させてもらっていますが、1冊目を出した出版社、
2冊目と3冊目の本を出版した出版社も倒産しました。
※2社、倒産しているという意味です
幸いどれも印税をいただいた後だったので、お金に関しては大変なことには
なりませんでしたが、全て絶版になってしまったので、もう手に入りません。
ブックライターとしてお世話になっていた出版社も、インタビューの途中や、
執筆の途中で倒産のニュースを聞いたこともあります。
編集さんが、泣きながら電話をしてこられたこともありました。
※一緒に泣きました
知り合いの著者も、本は出たけど印税をもらう前に倒産になって、そのまま
泣き寝入り、というパターンも。
著者もかわいそうですが、大変なのは出版社の社員である編集者のみなさん
ですよね。
大半は、倒産のニュースを急に知らされるわけです。
うすうす勘づいていたり、噂になっていた場合もあるかもしれないですが、
私の知る限りでは、ほぼ青天の霹靂だったと。
すぐに別の出版社に移れればばいいですが、そうじゃない人もいるはず。
どのパターンにしても、悲しいですよね。
では、どうすれば出版社は倒産せずに済むんでしょう?
出版社も、一企業です。
損益分岐点を下回れば赤字になり、赤字が膨らめばやっていけません。
私自身はビジネス書や実用書、自己啓発、スピリチュアルなどの分野でしか
知識がないですが、基本的に増刷がかからなければ出版社には利益が出ず。
1冊の本を出版するのに、300~500万円の経費がかかっているからです。
昭和の時代は、「本」は出せば売れました。
雑誌もしかり。
出版社は、年代別にターゲットを絞り、たくさんの雑誌を出しました。
でも、平成の時代に入り、雑誌は次々に廃刊を余儀なくされます。
理由は、きっとたくさんあると思います。
本や雑誌以外にも、娯楽がたくさん増えたこと。
日本の人口自体が減ってきたこと。
活字離れ、文字離れが進んでいること。
未来を読めなかった、予測できなかった出版社は潰れていきました。
そこから、次のフェーズ(時代)に入っていきます。
「著者も本を売る」
「著者もお金を出す」
という時代です。
私がライターになった頃は、本は出版社が売るものでした。
でも、今は違いますよね。
出版社の力だけでは本が売れないから、著者も売る必要が出てきましたし、
出版社も「売れる著者」を探す傾向になっていきました。
自費出版、企画共同出版も増える一方です。
出版社によっては、600万円から1千万円を著者に払わせます。
それが、驚かれない時代になってきています。
その流れが良いとか悪いではなく、出版したい人は「売れる自分」になって
おく必要があるということ。
出版社も喜び、著者本人も喜び、もちろん読んでくれる読者も喜ぶ。
「三方良しの出版」が、今後はもっと大事になっていくのかと。
著者は、その一翼を担うために、専門分野の内容を磨き、メディアを構築し、
ファンを育てて、最高の出版を目指しましょう。
私は本が大好きで、もっともっと良い本を作っていきたいと考えています。
だから、こんな悲しいニュースは聞きたくないんですよね。
出版をプロデュースする立場、執筆、編集をする立場で、出版業界を盛り上げ
たいし、素晴らしい著者も増えていくように引き続き頑張っていきます。
この記事にも書きましたが、私がずっと続けてきている「出版実現コーチング」の
メンバーから、また1人正式に商業出版が決まりました。
来年、発売になります。
昨年から動いていたので、頑張りましたね。
これから編集さんとの打ち合わせや執筆を進めてもらいます。
発売になったら、改めてお知らせさせてください。
ということで、「出版実現コーチング」の枠が一つ空きました。
半年間のコンサルティングになりますが、出版企画書作り、メディア構築、
出版社への橋渡しまで、ずっと伴走します。
これまで30人以上のプロデュースをしてきましたが、出版実現率は100%です。
時間をかけて、ゆっくり出版実現を進めていきたい人に伴走させてくださいね。