文章を書くとき、つい「意味が似ている言葉」を重ねて使ってしまう
ことがあります。
例文です。
13時に待ち合わせをしていたのに、失念してすっぽかしてしまった。
友人は笑って許してくれたが、忘れた自分が恥ずかしかった。
「どこが問題?」と思った人は、要注意!
「失念」「すっぽかす」「忘れる」は、すべて“忘れる”という意味で、
表現が重複しています。
とくに「失念」と「忘れる」は、ほぼ同義語。
同じ文章に入れると、くどさや違和感を与えます。
“類語の重複”は、読み手に「読みにくい」「意味が曖昧」「くどい」
という印象を与えるので気をつけましょう。
以下のような文章も、注意が必要です。
× この件については、しっかりと考慮して考えたいと思います。
→ 「考慮」と「考える」は似た意味なので、どちらか一方にしましょう。
× 予想外の出来事に困って困惑した。
→ 「困る」と「困惑する」は重なっているのでNG。
× 今回の件については反省し、深く後悔しています。
→ 「反省」と「後悔」はニュアンスが異なるものの、セットで使うと
意味がぶれやすくなります。
<類語を使うときの3つのポイント>
① 一文の中で意味が重なる言葉を避ける
→ 類語は使い分けるか、どちらか一方にしましょう。
②言葉のニュアンスの違いを理解する
→ 例えば「失念」はやや硬い表現で、「忘れる」は一般的な表現。
文脈に応じて使い分けましょう。
③読みやすさを最優先にする
→ 文章は伝えることが目的。難しくならないように気をつけましょう。
類語をうまく使うことは、文章力を高める大きなポイント。
違和感のない、伝わる文章を書くために、表現の重複を避けて、
スッキリとした文章を心がけましょうね。