「卒業させてください」
 
 
そう、お願いしました。
正直な気持ち、夫への思いはもうゼロでした。
信頼感も愛情も。
 
夫は全然、納得してくれませんでした。
これからも夫婦でいるということに、疑いを持っていなかったようです。

9年間の結婚生活、私自身、良い妻だったとは思っていません。
義両親の看病に入るまでは、好きなことを散々させてもらったし、家事だって完璧だったわけでもないし、子どもも生んであげられませんでしたから。

家庭の温かさや、誰かに愛される喜び、そういうこと教えてもらったことには、とても感謝していたんですが、尊敬の気持ち、そして愛情がなくなってしまったことは、修復不可能でした。

その他にもいろんなことがありましたが、やっぱり積み重ねなんでしょうか。
小さかったほころびは、いつしか大きな穴になり、気づいたときには、それをふさぐことが出来なくなっていました。

今の私だったら、もっと違う選択肢があったかもしれません。何より、義母が生きていたら、離婚という文字は浮かばなかったはず。
(孫を見せてあげたい、という気持ちでは葛藤があったかもしれませんが)

話し合いは平行線のままだったので、私は家を出ることを決心し、一人暮らしをする部屋を探すことにしました。


つづく。