祖母が亡くなって、「家には戻らない。海外に行く」と、父と育ての母に伝えたときのホッとした顔は、今でも忘れられません。
厄介払いできた、という感じ。

でも、そんなことは気にならないくらい、心は海外に飛んでいました。
不安よりも、希望が勝っていたんでしょう。

サンフランシスコでは、まずは留学ビザで入っていたので、ホームステイ先から日本人向けの英語学校に通うことから始めました。

ホームステイ先のファミリーはとても素敵な人たちで、みなさん全員で私を大事にしてくれました。
旅行に連れて行ってくれたり、お料理を教えてくれたり、ふだんの生活の楽しみをたくさん教えてもらいました。

 


20歳の誕生日も、ファミリーや学校の友達に祝ってもらいました。
誕生日を祝ってもらったことのない私としては、不思議な照れくさい感覚でしたけど、嬉しかったですね。

このファミリーの協力のおかげで、私は自分自身を取り戻し、心から笑うことを思い出しました。
そして、今で言うスピリチュアルなスクール(講座)の先生も紹介してもらい、1年かけてオンとオフの切り替えの仕方や、祓い方を学びました。

子どもの頃からずっと見えていたものが、自分の意志で見なくできるようになったことは、かなり大きかったです。

 

言葉にすると簡単な感じですが、「普通の生活」を手に入れました。
本当に「この先、私は普通の生活ができないんじゃないか?」と思っていたので、この恐怖感から抜けられたことも、海外に行って良かったと実感していることの一つです。

 


ですが、ひとところに収まっていない私の性格。
ホームステイと英語の勉強、アルバイトの生活を1年続けたときに、ある決断をします。


つづく。