ここまで書くと、きっと読まれたかたは、「ひどい母親だな~」と思うんでしょうね。
私も昔はそう思ってました。
中学校2年生までは。

 


母は、京都の呉服屋の長女として生まれました。
今は縮小して小さな店になっていますが、昔はそれなのに名の通ったお店だったようです。

そこで、お嬢様として育てられた母は、とても天真爛漫に育ちました。
子どもの私から見ても、「天然で可愛らしいな~」と感じるところが多々あるくらい。

花を慈しみ、星を見ては感動し、俳句を読み、お茶、お花をたしなみ、絵も描くような母。
ですが、「対、私」のこととなると、豹変する母。
子どものときは、なぜそうなるかがわからなくて、ただおどおどするだけの私でした。


       ☆

大人になった今となっては、よくわかります。
母は、きっと父に騙されたんだろうな、と。
私の生みの母との離婚原因はわかりませんが、ていよくベビーシッター代わりにされたんでしょう。

別宅まで持つ父。
それに気づいたときは遅かった。
別れたくても、弟を生んだ後で、経済力のない母には、生きるすべもなかった。
そして、その苦しみをぶつけるところは、私しかなかったんだと。

実家には小姑もいて、帰る場所がない。
お前さえいなければ、すぐに(父と)別れられたのに。


それが母の口癖でした。


つづく。