「私の記憶は、保育所にいたころのものからしかありません」

 


そう書きました。
それ以前の記憶は、ボンヤリとあるようなないような?

保育所に入ると、子どもながらに奇異な目で見られたことを覚えています。
先生も、他の子ども達も、気持ち悪いものを見るような目。

どうも、私自身が汚かったようです。
そして、私が保育所に行って知ったこと。

 


顔を洗うこと。
歯を磨くこと。
靴下を履くこと。
髪をとかすこと。
「おはよう」とか「さようなら」とか、挨拶をすること。

 


子ども心に衝撃でした。
それまでにも周りに汚いって思われていたのかもしれませんが、記憶にはありません。

今思えば、「ネグレクト」というものだったんでしょう。

保育所に入ってから、施設に預けられたり、親戚の家に預けられたりする時間が増えました。
歯医者に連れて行かれたし、それなりに身支度も整えられるようになりました。

その頃の母の気持ちは、私にはわかりませんが、おそらく周りからは責められることもあったんでしょう。
屈辱だったようで、私への当たりは厳しかった気がします。


つづく。