■2014年1月
正月も開け、10日たってバイパス手術の日がやってきた。
私の行ったバイパス手術とは、下図の通りであった。
空腸をぶった切る。(A1とA2がつながっていたところ)
十二指腸の先のBの部分を胃の底部につなぎ、迂回路(バイパス)を築く。狭窄した十二指腸を迂回して、Bから胃の内容物が流れる。
胆管を、空腸の端A2につなぐ。胆汁を流すためである。
その際、胆のうは、いらないから切ってしまう。
Bの先とA2の先を、A1でつなぐ。
当日、午後1時、手術室まで歩いて行った。
手術台の上に寝かされ、まず背中に脊髄麻酔の針を刺した。
全身麻酔を始めますよ、との医師の声とともに、3秒ぐらで意識がなくなった。
終わりましたよ~と起こされる。
(実際は3時間ほど経っていた)
ベットに乗せられたまま、エレベータで運ばれる。
猛烈な痛さが襲ってくる。
痛ってえ~ う~ 痛ってえ~ とうなる。
回復室というところに運ばれ、まずは痛さを除去するために鎮痛剤がうたれ、ひと心地する。
チューブ人間になっている。
鼻チューブ。
酸素マスク。
点滴。
尿管。
腹腔ドレイン。
胆管ドレイン。
しばらく起き上がれないので、尿は尿道に差した管より排出される。
吻合部から消化液が漏れ出た場合、腹腔内にたまる。それを排出するため腹腔ドレインを設置。
胆汁が流れすぎると苦しくなるため、間引くために胆管ドレインを設置。
回復室には手術日も含め4日いた。
寝たきりで、傷口が痛くなると、ナースコールで看護師を呼び、鎮痛剤を点滴に流してもらう。
鼻チューブ、酸素マスク、尿管をはずして、自分の病室に戻る。
点滴、腹腔ドレイン、胆管ドレインはついたままである。
術後5日目、3分粥を食べるが、高熱が出て中止。
胆管炎の可能性ありと診断され、抗生物質で対処。
術後8日目、3分粥再開。(ほとんど水の粥と、ペースト状のおかず)
術後9日目、5分粥。(おかずは固形)
術後11日目、全粥。(おかずは固形) 点滴終了。
食べられるようになったが、長いこと食べてなかったためか、バイパス手術で食べ物の経路が変わったためか、下痢がつづく。
ちなみに、以前の超音波検査で、胆のうポリープと小さな胆石があると指摘されていたが、
あっさり、胆嚢は切られてしまったので、その憂いもなくなった。
胆嚢は胆汁をためる機能をもち、消化のタイミングを見はらかって胆汁を放出するのだが
無くても困らないそうである。胆汁が常時ちょろちょろもれている状態になっているはずである。
母さん、僕のあの胆のう、どうしたんでしょうね。(人間の証明)