■2013年12月(つづき)
膵臓は十二指腸に接しており、膵液を分泌する膵管が十二指腸に顔を出している出口が乳頭である。
肝臓からやってくる胆管の最終部分も膵臓を通り、膵管に合流して乳頭から胆汁を分泌している。
膵癌が大きくなってくると、十二指腸狭窄により食事が食えなくなるのと、胆管狭窄により黄疸が出る。
私の場合、すでに十二指腸狭窄が起こっており、将来、胆管狭窄も予測される。
対策として、ステント留置術とバイパス手術がある。
ステントは金属製の網状の管であり、内視鏡下で設置することができる。身体への侵襲性は小さいが、ステントがずれたり、組織がステントの編み目を浸潤して、狭窄が再び起こることもある。
バイパス手術は、外科手術により、十二指腸の先の小腸を胃の底部にくっつけて、迂回路(バイパス)を造設する方法である。経路確保は確実であるが開腹手術が必要であり、身体へのダメージが大きい。
長期的なQOLを考えるとバイパス手術がよいとされるが、1月中ばまで手術の枠があいていないと言われた。そこで、ステント留置術を行うことになった。
十二指腸にステントを設置すると同時に、胆管にも乳頭からステントを挿入する手術。
しかし、手術に臨んだところ、腫瘍が大きくなっているため、胆管が大きく変形しており、胆管にステントが入らなかった。
ステント留置術は断念ということになった。
バイパス手術に方向転換する。
そうこうするうちに、年も暮れてしまった。
鼻チューブと点滴のまま、年を越すこととなる。
この間、食事はとれず、体重が10kgも減ってしまった。
世間では9連休の大型連休だったようだが、年越しそばもおせち料理もなく、鼻チューブの正月だった。