年内に終わらせたいことの一つが、この本を読了する、というものでした。
10月に購入し、お昼休みなどにちょこちょこ読んでいました。
著者はJames M. Vardamanさん
アメリカ人のJamesさんは大学で日本語を勉強し夏目漱石や森鴎外の作品を理解できるくらいの読解力があるのに、26歳で日本に来たとき、テレビで「ドラえもん」をみて衝撃を受けたそうです。
子供向けのアニメのはずなのに、意味もわからないし何が面白いのかも理解できない!!
それは、「文化背景の知識」と「セットフレーズ」が欠如していたから。とのことでした。
文化背景の知識
「文化背景の知識」とは、ドラえもんでいうところの日本の小学校のシステムや、友人関係、親子関係、登場人物の性格がどういったものなのか、というもの。
セットフレーズ
「セットフレーズ」とは、いわゆる句動詞とかイディオム、慣用句のことのようです。
日常生活の中には、こういう表現はとても多く、その知識がないと正しい文意をくみとることができないとJamesさんは言っています。
英会話のカギは「予測力」
文化背景とセットフレーズが分かれば、キャラクターの言動を予測することができてる。
その予測通りになったり、予測を裏切られたときに、面白い!と笑うことができる。
こういった力を身につけるのにちょうど良い教材が、
日本語学習ではドラえもん、英語学習ではPeanutsとのことです。
(「スヌーピー」が有名ですが、主人公はチャーリー・ブラウン。そして本のタイトルは『ピーナッツ』です。)
本の内容
1話ずつ、和訳・セットフレーズ・文化背景の知識の解説が載っています。
音声ダウンロードもできます。
興味深かった一例を紹介すると、「アメリカの試験問題」のお話です。
true-false questionといえば、いわゆるマルバツ問題。
これがもう少し難しくなるとmultiple-choice questions という選択肢問題になるのですが、子どもたちはふざけてmultiple-guess questionsと呼んでいるそうです。
日本でも「えんぴつ転がし」とかマークシートだったら「ぬりえ」と言ったりするのと同じような感じなので、へえ、アメリカにもそういう表現があるんだなと面白く感じました。
他にも聖書からの引用、讃美歌の話、アメリカ独立戦争時代の名場面をもじったものなどがありました。
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実は、解説を読んでも面白さが理解できない話も多かったので、図書館でこんな本を借りてきました。
登場人物のキャラクターや関係性はざっくり把握しましたが、Peanutsが書かれたころのアメリカの時代背景までは壮大すぎて・・・少し目を通した程度で返却しました。
こういう知識があれば、Peanutsにこめられた政治的メッセージも理解できるようになるみたいです。
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文化背景は洋画やアメリカンドラマを見ていればなんとなく分かることも増えて行きそうですが、問題はフレーズセットの方ですね。
これは見つけた時にピックアップして蓄積していくしかなさそうです